与謝野晶子の戦争と平和 戦乱期中国へのまなざし
価格:4,290円 (消費税:390円)
ISBN978-4-13-083085-0 C1090
奥付の初版発行年月:2024年05月 / 発売日:2024年05月上旬
明治、大正、昭和という激動の時代を生き抜いた文学者が、満蒙旅行を経験することでいかなる中国とのかかわりが生まれたのか。数多くの文化人が訪れ、表象された「満蒙」と向きあい、歌人として、評論家として自らの言葉を発信しつづけた与謝野晶子と日中戦争をめぐる時代像を描きだす。
張 競(チョウ キョウ)
1953年生まれ。華東師範大学卒業。1988年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、1991年同大学院博士課程修了。博士(学術)。東北芸術工科大学助教授、国学院大学助教授、明治大学法学部教授を経て2008年より現職。著書に『恋の中国文明史』(筑摩書房〈ちくまライブラリー〉、1992年/ちくま学芸文庫、1997年、読売文学賞)、『近代中国と「恋愛」の発見―西洋の衝撃と日中文学交流』(岩波書店、1995年、サントリー学芸賞)、『美女とは何か――日中美人の文化史』(晶文社、2001/角川ソフィア文庫、2007年)、『夢想と身体の人間博物誌――綺想と現実の東洋』(青土社、2014年)、『時代の憂鬱 魂の幸福――文化批評というまなざし』(明石書店、2015年)ほか多数。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第一部 表象された満蒙
第一章 満蒙という物語と与謝野晶子
第二章 想像力の投影先としての満蒙
第三章 晶子の風景、杢太郎の眼鏡
第二部 記録された「事実」
第四章 将軍夫人との劇的な出会い
第五章 張作霖爆殺事件の後
第六章 晶子が見たもの、見えなかったもの
第七章 満蒙という物語の続き
第三部 行き違いの響きあい
第八章 海を越えた詩心――「小詩」誕生のきっかけ
第九章 貞操論と文化誤読
第一〇章 女性評論の翻訳と紹介
第一一章 時事批評の射程――魂のリトマス紙になった言論
おわりに