ナボコフ 訳すのは「私」 自己翻訳がひらくテクスト
秋草 俊一郎:著
四六判 354ページ
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-13-086038-3 C3098
奥付の初版発行年月:2011年02月
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-13-086038-3 C3098
奥付の初版発行年月:2011年02月
内容紹介
バイリンガル作家ナボコフは,どのような謎を作品に仕掛けたのか? 一つの作品の英語版とロシア語版を精緻に読み比べることで,従来の作品解釈に変更を迫るような数々の発見を提示.ベケット,クンデラ,多和田葉子などにも共通する「自己翻訳」に着目し,創作と翻訳のダイナミズムを描き出す.東京大学総長大賞受賞の論考をもとにした快著.
目次
序章 自己翻訳とはなにか
第一章 ナボコフの「自然な熟語」——「一流」のロシア語から「二流」の英語へ
第二章 短編「報せ」——ホロコーストのあとさき
第三章 短編「重ねた唇」——消えうせた杖と組みかえられたトリック
第四章 『ディフェンス』——モラルをめぐるゲーム
第五章 『ロリータ』——ヘテログロッシア空間としてのアメリカ
第六章 訳注『エヴゲーニイ・オネーギン』——樹影譚としての翻訳論
第七章 ナボコフの「不自然な熟語」——エクソフォニー、あるいは「外化」から「異化」へ
終章 訳された「私」
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