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韓国近代小説史 1890-1945

韓国近代小説史 1890-1945

A5判 432ページ
価格:9,680円 (消費税:880円)
ISBN978-4-13-086060-4 C3098
奥付の初版発行年月:2020年08月 / 発売日:2020年08月下旬

内容紹介

近代朝鮮の文学,小説の誕生と展開をめぐって,近代とは何かという問いから照らし出す.近代小説の形成を,西洋的小説(novel)の誕生を基準に論じるのではなく,1890年代以降の朝鮮においてストーリー性を持つ文学作品がいかに生まれて定着したか,メディアに着目し朝鮮社会の文脈のなかで問い直す.

著者プロフィール

金 栄敏(キム ヨンミン)

延世大学校人文芸術大学国語国文学科教授

三ツ井 崇(ミツイ タカシ)

東京大学大学院総合文化研究科准教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本語版への序


第一部 近代的文学制度の誕生と文化地形図の変化

第一章 近代メディアの誕生と「雑報」および小説の登場
      1 『朝鮮新報』と『漢城旬報』の紙面構成
      2 『漢城新報』と「雑報」欄の活性化
      3 『大韓毎日申報』と「小説」欄の活性化
      4 近代雑誌の出現と「小説」欄の定着

第二章 近代作家の誕生と著作の権利
      1 近代作家の誕生
      2 出版の慣行と著作の権利

第三章 近代読者の形成と創作参与制度の定着
      1 近代メディアの読者参与と投稿叙事物の出現
      2 読者創作参与の制度的定着過程


第二部 近代民族語の形成と近代文学の文体の定立

第一章 国漢文体およびハングル体の登場
      1 一九世紀における朝鮮政府の国漢文およびハングル使用政策とその影響
      2 知識人の国漢文およびハングル使用の意志と意味

第二章 近代メディアの言語選択とその意味
      1 新聞の国漢文体およびハングル体使用とその意味
      2 雑誌の国漢文体およびハングル体使用とその意味

第三章 近代的表記法の多様化とハングル小説の定着過程
      1 近代啓蒙期の文体類型と多様な表記の類型
      2 近代啓蒙期ハングル小説の定着過程

 
第三部 近代叙事の展開と小説様式の変移

第一章 新小説概念の変化と文学史的意味
      1 普通名詞としての「新小説」
      2 固有名詞としての「新小説」
      3 新小説の様式化
      4 新小説類の単行本の作家と作品

第二章 短編小説の登場と叙事類型の多様化
      1 短型叙事文学の登場と展開
      2 短編小説という用語の登場
      3 近代短編小説の定着と発展

第三章 叙事の長型化と近代長編小説の展開
      1 連載叙事の出現とその長型化
      2 近代長編小説の出現
      3 新聞小説の展開と長編小説の定着
      4 近代雑誌と長編小説の展開  

終 章 制度・言語・様式の地形図
      1 文学と制度
      2 メディアと小説
      3 ハングル・文体・小説
      4 小説という様式

訳者後記


Kim Young Min
A Study on the Literary System and Formation of the National Language for Modern Korean Literature (1890-1945), 2012
Korean Language Edition published by Somyung Books
Japanese Translation by Takashi MITSUI


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