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大江健三郎の死生観犠牲の森で

犠牲の森で 大江健三郎の死生観

四六判 512ページ
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-13-086064-2 C3095
奥付の初版発行年月:2023年03月 / 発売日:2023年03月下旬

内容紹介

大江健三郎という作家の全体を、「犠牲」のテーマから一貫して解釈しえた画期的研究。イメージ分析を主軸として、様々な領域のテクストからの影響、同時代的な社会状況、故郷の歴史・空間性などを踏まえて、大江作品における死生観を詳細に描き出す。【第12回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】

著者プロフィール

菊間 晴子(キクマ ハルコ)

1991年生まれ。2021年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在は東京大学大学院人文社会系研究科特任研究員、東京大学大学院総合文化研究科教務補佐員、青山学院大学・昭和女子大学・明治学院大学非常勤講師。
主要論文に「「後期の仕事(レイト・ワーク)」にあった「希望」――大江健三郎の小説作品における死者とのコミュニケーションに着目して」(『日本近代文学』2017年5月)、「●を超えて、あるいは●のなかで――『うたびこ』『0』に見る「喪」と「メランコリー」」(『ユリイカ』2020年3月)、「「テン窪大檜」の表象に見る「魂」の救済可能――大江健三郎『懐かしい年への手紙』、『燃えあがる緑の木』の比較分析を通して」(『超域文化科学紀要』2021年1月)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論 「死生観」から大江を読む

第I部 「壊す人」の多面性――『同時代ゲーム』
第一章 『同時代ゲーム』の背景
第二章 「犬ほどの大きさのもの」
第三章 「暗い巨人」への帰依
第四章 「森」という神秘のトポス

第II部 犠牲獣の亡霊
第一章 皮を剥がれた獣たち
第二章 「御霊」を生むまなざし
第三章 隠された「生首」
第四章 「後期の仕事(レイト・ワーク)」における亡霊との対話

第III部 「総体」をめぐる想像力
第一章 自己犠牲と救済
第二章 救済を担う大樹
第三章 聖なる窪地と亡霊たち
補論 テン窪を探して
第四章 「神」なき「祈り」の場

結論 「犠牲の森」の変容


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