文化と国際法 世界遺産条約・無形遺産条約と文化多様性条約
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-472-40374-3 C3032
奥付の初版発行年月:2008年09月
世界各地の文化財や自然環境を人類共通の遺産として保護しようという気運が高まっている。アスワンハイダム建設で水没の危機に晒された古代遺跡の救済キャンペーンをきっかけにユネスコ総会で採択された世界遺産条約や「能楽」「歌舞伎」などの無形遺産条約、各国固有の文化を認め合う文化多様性条約の制定経緯と精神を詳説。
目次
第Ⅰ部 文化の多様性に関する国際的な法規範の構造
第1章 文化多様性条約の制定の経緯
第1節 文化多様性に関する国際法規範の概要
1 文化に関する国際法規範の内容とその進展
2 文化分野における国際法規範の形態
3 ユネスコにおける文化遺産保護関連条約の発展と文化多様性条約
1)世界遺産条約(1972年採択)
2)水中遺産条約(2001年採択)
3)無形遺産条約(2003年採択)
4)文化多様性条約の位置づけ
第2節 文化多様性の確保についてのユネスコの取り組み
1 ユネスコの「文化」についての認識の変遷
2 ユネスコの文化多様性確保のための諸活動
第3節 文化多様性に関する世界宣言
1 原案策定に至る過程
2 文化多様性世界宣言の内容
3 宣言を受けての行動計画
第4節 文化多様性条約の成立過程
1 原案策定に至る過程
2 第33回ユネスコ総会での審議の経緯
第2章 文化多様性条約の内容とその問題点
第1節 文化多様性条約の概要
第2節 前文について
第3節 目的および諸原則(第1条、第2条)
第4節 文化多様性条約の適用範囲
第5節 定義
第6節 各国の権利および義務
第7節 他の国際取り決めとの関係
第8節 文化多様性条約の実施機関
第9節 最終規定
第3章 文化多様性の確保についての課題
第1節 当面の課題例
1)財(property)から遺産(heritage)への流れとの関係
2)文化権の思想との調和
第2節 その他の残された課題例
第2部 世界遺産条約運用の実際とその問題点
第1章 世界遺産登録の手続きとその現状
第1節 世界遺産登録手続きの概要
第2節 世界遺産登録の現状
第2章 世界遺産登録の基準と課題
第1節 世界遺産登録基準
第2節 世界遺産委員会における検討状況
第3節 世界遺産の新しい傾向
第3章 暫定リストへの搭載
第1節 暫定リストの機能と現状
第2節 暫定リスト搭載の手続き
第4章 危機リストの取り扱い
第1節 危機リストの在り方
第2節 危機リストの現状