高等教育シリーズ156
学びを共有する大学授業 ライフスキルの育成
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-472-40455-9 C3037
奥付の初版発行年月:2012年03月 / 発売日:2012年03月中旬
人間関係が弱い学生が増えている。学生が人間関係力や社会性を身につけ、充実したキャンパスライフを送れるように、学びの共同体づくりを目指して「個人研究レポート」「自分史エッセイづくり」「幸せのレシピづくり」などのプロジェクトを仕掛けて、実践した授業を分析、ライフスキルを育成する大学授業のあり方を考える。
目次
はじめに
第Ⅰ部 基礎理論
第1章 大学授業研究の動向
1.大学授業研究のレビュー
2.本研究の位置づけ
第2章 SLGEモデルの提案
1.大学授業現場の理論化
2.新たな授業観を求めて
3.教師と大学はなにができるか
第Ⅱ部 実践研究―情報化・消費化時代の大学授業づくり
序 章 実践研究の背景・ねらい・概略
1.研究の背景
2.研究のねらい―「ライフスキルの育成」の場としての大学
3.研究の概略
A部門 ゼミ形式の授業における実践研究
第1章 プロジェクト「個人研究レポート」の誕生
1.「仕掛ける」授業づくりのはじまり―2つのキーワード
2.プロジェクト「個人研究レポート」のねらい
3.「学習成果の共有化の試み」を問う
4.本づくりの変遷
2章 プロジェクト「個人研究レポート」の離陸期
1.第Ⅰ期「離陸期」の試み
2.学生へのサポート
3.学生の反応
4.第Ⅰ期「離陸期」をふりかえって
第3章 プロジェクト「個人研究レポート」の転換期
1.基部の変更点Ⅰ―参加形式の変更
2.基部の変更点Ⅱ―「卒論発表ライブ集」と「ゼミ活動総括集」の試み
3.主部の新企画―研究論文の収録
4.プロジェクト続行上の壁
5.新たな場の設定の必要
第4章 自分史エッセイづくりの誕生
1.学年の壁をとり払う―合同授業の実施とつまずき
2.エッセイづくりのきっかけ
3.「自分史エッセイ」の試み
4.言語化のもつ可能性と危険性
5.講義形式の授業にも拡大―「授業公開と匿名性」の問題
6.学生の反応
7.「自分史エッセイ」の試みへの期待
8.「自分史エッセイ」の試みのその後―講義形式の授業でプロジェクト化
9.第Ⅱ期「転換期」に訪れた危機
第5章 プロジェクト「個人研究レポート」の確立期
1.ゼミ活性化の方法Ⅰ―「とりあえずやってみよう!」の声かけ
2.ゼミ活性化の方法Ⅱ―ゼミ間交流の産物
3.ゼミ活性化の方法Ⅲ―論文作成術ドリルの試み
4.ゼミ活性化の方法Ⅳ―「Question 100本ノック」と「MONDOW」の試み
5.ゼミ活性化の方法Ⅴ―学生発の企画
第6章 ゼミ文化の創造―「ゼミ本」という仕掛け
1.表紙に隠された仕掛け
2.タイトルにこめたもの
3.プロジェクト「個人研究レポート」の終了―新プロジェクトの始動
B部門 講義形式の授業における実践研究
第1章 自分史エッセイづくりの展開Ⅰ
1.自分史エッセイ「14、17歳のころ」の試み
2.エッセイづくりのプロセスで起きること
3.自分史エッセイ「14、17歳のころ」をふりかえって
第2章 自分史エッセイづくりの展開Ⅱ
1.プロジェクト「ケルン」のねらい
2.自分史エッセイ「ケルン」の試み
3.自分史エッセイ「ケルン」の実際
4.学生の反応
5.自分史エッセイ「ケルン」の試みをふりかえって
6.学内の反応
第3章 自分史エッセイづくりの展開Ⅲ
1.エッセイづくりが切り拓くもの―読む方も読まれる方も
2.自分史エッセイ「運動会」の試み
3.エッセイづくりをサポートする小道具
4.自分史エッセイ「運動会」の実際
5.学生の反応―傷つくことをめぐる会話
6.自分史エッセイ「運動会」の試みをふりかえって
第4章 自分史エッセイづくりの展開Ⅳ
1.大学になじむには
2.自分史エッセイ「ケルンⅢ」の試み
3.自分史エッセイ「ケルンⅢ」の試みをふりかえって
4.学内の反応―【大学ガイド版】の発刊に
第5章 各プロジェクトに起きつつあった困難
1.他者とかかわる授業づくりの必要
2.3ゼミで起きた波乱
3.直面する教育困難
第6章 幸せのレシピづくりⅠ
1.次なるプロジェクトの呼び水―ある本との出合い
2.足慣らしの試み
3.「幸せのレシピ」の試み
4.「Love & Hate」の試み―「自己PR」から「自己紹介」へ
5.「幸せのレシピ」の実際
6.学生の反応
7.「幸せのレシピ」の試みをふりかえって
第7章 幸せのレシピづくりⅡ
1.「幸せのレシピ2」の試み
2.<指令>の実際―「季節のレシピ」と「交流のレシピ」
3.「幸せのレシピ2」の試みをふりかえって
第8章 自縛呪文打破Ⅰ
1.発想の転換の必要
2.「まじないづくり」の試み
3.プチ言行録の実際
4.学生の反応
5.「まじないづくり」の試みをふりかえって
第9章 なぜなに探し
1.プロジェクト「自他問答」のねらい
2.「なぜなに集づくり」の試み―2つの企画
3.なぜなに集の実際
4.学生の反応
5.「なぜなに集づくり」の試みをふりかえって
第10章 自縛呪文打破Ⅱ
1.「まじないづくり」の試みが残した宿題
2.「自縛返し」の試み
3.自縛返し録の実際
4.学生の反応
5.「自縛返し」の試みをふりかえって
第11章 自縛呪文打破Ⅲ
1.「流転対話」の試み
2.流転対話録の実際
3.「流転対話」の試みをふりかえって
第12章 自縛呪文打破Ⅳ
1.「自縛解き」の試み
2.自縛解き録の実際
3.学生の反応
4.「自縛解き」の試みをふりかえって
5.自縛呪文打破Ⅱ~Ⅳをふりかえって
第13章 自戒づくり―「テキスト読書会」の誕生
1.「自分さえよければ」の落とし穴
2.「自戒づくり」の試み
3.「テキスト読書会」の実施―ブックレビューの提出・朗読会・コメント交換会
4.「テキスト読書会」の反応―学習過程の共有化
5.自戒録の実際
6.「自戒づくり」の試みをふりかえって―学生の反応とともに
第14章 傾聴力養成
1.「自戒づくり」の試みが残した宿題
2.「聞き上手」の試み
3.ワークショップ「悩み相談会」の実施
4.ワークショップ「レポート作成のためのピアサポート」の実施
5.学生の反応
6.「聞き上手」の試みをふりかえって
第15章 対話力養成
1.コミュニケーション能力の必要
2.谷川俊太郎の「33の質問」の試み
3.「7つの質問」の試み
4.「7つの質問」の実際
5.学生の反応
6.「7つの質問」の試みをふりかえって―定番化
第16章 利他力養成
1.「利他指令」の試み
2.「利他指令」、転じて「外開指令」となった経緯
3.「利他指令」、転じて「外開指令」の試みをふりかえって
第17章 基礎力養成
1.「負荷指令」の試み
2.「負荷指令」の実際
3.学生の反応
4.「負荷指令」の試みをふりかえって―「3働(動)の勧め」と定番化
終 章 実践研究のまとめ
1.ゼミ形式の授業を対象としたプロジェクトの成果
2.講義形式の授業を対象としたプロジェクトの成果
3.プロジェクトの総括
おわりに
注
初出一覧