回り道 文化と教育の陶冶論的考察
価格:5,720円 (消費税:520円)
ISBN978-4-472-40458-0 C3037
奥付の初版発行年月:2012年11月 / 発売日:2012年11月下旬
次世代に伝えていかねばならないものとは何か。文学や図像を考察することから人間形成の深層に迫り、教育という営みの根本原理を明らかにしようとする。教育・自己形成と文化の間にある「忘れられた連関」を想起させるという一見迂遠な手法を導入し、教育学の考察対象や研究方法に大きな影響を与えたモレンハウアーの主著。
目次
まえがき
第一章 教育的領野における相互行為と組織
1 組織化された相互行為とその基本形態
2 制度レベルで組織化された相互行為
3 「交通形態」のレベルで組織によって規定された相互行為
第二章 未知の領域を探検する――一五世紀イタリア・ルネサンス絵画の陶冶論的解釈
はじめに
1 解釈対象への注釈
2 いくつかの形式的特徴の記述と解釈
3 イコノグラフィーへ
4 意味構造とハビトゥス
あとがき
第三章 教育時間の近代的観念の成立について
1 デューラー
2 エラスムス
3 学校規程
4 貧民規程
第四章 検分された肉体――レンブラントの解剖画とそれにかかわるいくつかの問題
1 歴史的状況
2 レンブラントの二枚の絵画
3 確実に結論できることと推測に基づき結論できること
第五章 教育解釈学への注釈
1 問題への接近
2 シュライアマッハーの構想
3 ラカンを参照する
4 解釈学的な判断と知
結び
第6章 初期ロマン派の教育学者 F.D.シュライアマッハー
1 断章
2 社交
3 羞恥心
結び
第7章 ヨーロッパ教育学の経由地
1 貨幣経済と都市文化
2 自由思想と大産業
3 民主主義と正義
4 現代の状況について――コミュニケーションと環境世界
引用・参考文献
初出一覧
モレンハウアー『回り道』への方法論的コメンタール 真壁宏幹
――教育学的図像解釈はいかにして可能か
0 はじめに
1 なぜ図像解釈なのか?
2 図像解釈の前提としての一般解釈学
3 図像解釈の特殊性
4 教育学的図像解釈へ
5 おわりに
あとがき ハンス=リューディガー・ミュラー
訳者あとがき 真壁宏幹