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地球温暖化の終焉へ向けてエネルギー変換工学

エネルギー変換工学 地球温暖化の終焉へ向けて

A5判 296ページ 上製
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-501-11220-2(4-501-11220-4) C3054
奥付の初版発行年月:2004年03月 / 発売日:2004年03月下旬

内容紹介

脱化石燃料への視点も養える教科書

前書きなど

 近年,炭酸ガスを主体とするガス放出による地球温暖化,またフロンガスの放出によるオゾン層破壊の問題がクローズアップされている。化石燃料自体も確実に枯渇する方向に向かっているが,貴重な化石燃料を浪費することなく大事に使い,子孫に対して資源として少しでも多く残すことも必要なことである。
 一方,原子力発電は炭酸ガスを放出しないので,地球温暖化現象は避けられる。また高速度増殖炉でウラン燃料を燃やすと,それより多くのプルトニウム燃料を得られるので,活用の範囲も増える。しかし,使用済み燃料は保管中の半減期が長いこと,また原子力発電の事故はごく限られているとはいえ,余地できないうちに被爆し被害範囲も大きいといった課題があり,世界的には縮小化方向にある。
 われわれ人類の生存には,電気エネルギーが必須である。このためには,時間をかけてでも持続可能な発電方式に変更しなければならない。このような背景から火力発電,水力発電あるいは原子力発電だけではなく,現在開発中のものをできるだけ多く取り入れて教科書を作成した。しかし,開発途上のものを説明するためには,そこに至る様々な予備知識や技術を解説する必要が出てきた。そして本来意図した原理原則だけを教える基本的な教科書では足りなくなった。
 こうして本書は,”地球温暖化の終焉に向けて”と副題を付し,最新の発電方式をできるだけ多く取り入れた。そして,従来の発電方式はできるだけ原理原則を,また震発電方式にはそれに加え,開発の経緯もわかりやすく書いた。よって,この教科書で学習するに際しては,理論はまずできるだけ簡単に学び,将来さらに勉強したいときには理論をより深く勉強することと,また新しい発電方式はその経緯に重点をおいて学習することを薦めたい。
 この教科書の執筆は,第1章から第3章までを柳父が担当し,第4章から第10章までを西川が担当した。
 2004年2月 著者ら


目次

第1章 水力発電
 1.1 水力発電技術
 1.2 水力学
 1.3 流量と落差
 1.4 水力発電設備
 1.5 水車およびポンプ
 1.6 吸出し管
 1.7 比速度
 1.8 水車の付属設備
第2章 火力発電
 2.1 火力発電所
 2.2 熱力学
 2.3 蒸気機関への応用
 2.4 燃料
 2.5 ボイラー,復水器,給水加熱器など
 2.6 発電機
 2.7 コンバインドサイクル発電システム
 2.8 マイクロガスタービン発電
 2.9 ディーゼル発電
 2.10 地熱発電
第3章 原子力発電
 3.1 原子力発電の歴史
 3.2 核理論
 3.3 各種原子炉の要素
 3.4 各種原子炉
 3.5 使用済み燃料の再処理と放射性廃棄物処理
 3.6 原子力の安全と電気エネルギーの問題
第4章 燃料電池発電
 4.1 燃料電池の基本
 4.2 燃料電池の種類
 4.3 燃料電池発電システムと水素製造
 4.4 燃料電池の適用
 4.5 実用化への課題
 4.6 まとめ
第5章 風力発電
 5.1 風力発電の概要
 5.2 風車の種類
 5.3 揚力形風力発電
 5.4 抗力形風力発電
 5.5 風車の性能評価に必要な係数
 5.6 風車と発電機とを組み合わせた総合効率
 5.7 風力発電システムの運転
 5.8 風力発電システムの最新技術
 5.9 今後の計画
第6章 太陽エネルギー発電
 6.1 太陽光発電
 6.2 太陽熱発電
第7章 海洋エネルギー発電
 7.1 波力発電
 7.2 海洋温度差発電
 7.3 潮汐発電
第8章 核融合,MHD発電
 8.1 核融合発電
 8.2 MHD発電
第9章 バイオマス発電
 9.1 バイオマスの種類
 9.2 バイオマスの利用方法
 9.3 バイオマスの利用可能性
第10章 その他の発電方式
 10.1 熱電発電
 10.2 熱電子発電
章末問題解答
索引


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