詳解 同期モータのベクトル制御技術
価格:9,240円 (消費税:840円)
ISBN978-4-501-11820-4 C3054
奥付の初版発行年月:2019年06月 / 発売日:2019年06月中旬
交流電源の磁界で回る同期モータは、電気自動車をはじめとしたEV機器には欠かすことのできない主要素であり、その制御においても特殊な制御技術が用いられている。同期モータの制御に用いられる各種制御手法に関して、理論の解説から、モータとシステムのモデル化、設計、応答特性までを網羅的に解説。この一冊で基礎理論から実際に動かすところまで学習可能。
まえがき
産業機械,家電機器などを扱う多くの業界で,電動化が推し進められている。この中で,連日のごとく新聞,TVをにぎわせているのが,車の電動化,すなわち車の電気自動車(EV)シフトである。特に,中国,ヨーロッパが熱い。中国では,ガソリン車の購入が厳しく制限される一方,EVは短期間での購入が可能である。ヨーロッパでは,数年後にすべての車をEVに切り替える方針を挙げた国,ガソリン車,ディーゼル車の販売を禁止する国,EV利用を特別優遇する国などが,すでに出現している。
電動化の主役を担うのが,モータドライブシステムである。同システムに期待される機能・性能としては,「高効率駆動性」,「広範囲駆動性」,「静粛駆動性」,「高信頼性」,「耐故障性・機能安全性」,「耐環境性・頑健性」,「廉価性」,「リサイクル性」などが挙げられる。これらを同時に備えることは大変困難であるが,幸いにも,重視すべき機能・性能は,モータ駆動システムの応用によって選択されうる。
本書は,近年の激しい電動化シフト潮流を鑑み,これに応えうるモータドライブシステム,特にその中核をなすモータドライブ技術を提供するものである。高い機能・性能をもたらすモータドライブ技術は,ベクトル制御技術である。これは,駆動対象たる交流モータによって異なる。本書は,永久磁石同期モータ(PMSM)を中核とする種々の同期モータを対象に,最新かつ最高レベルのベクトル制御技術を,全11章に整理し,体系的に解説するものである。以下にその概要を紹介する。
ベクトル制御は,その基礎をフィードバック制御におく。ベクトル制御の理解には,フィードバック制御の一応の理解が必要である。第1章は,このために用意した。フィードバック制御に関し,すでに十分な知識を修得している読者にあっては,基本的に本章は省略可能である。ただし,第1.3,第1.4節で体系的に解説している「モデルフォローイング制御」は,第7章で解説する「トルクセンサレス・リプル低減トルク制御」を構築する上での重要要素技術の1つとなっており,この理解を期待したい。
第2章は,PMSMのためのベクトル制御の基礎を整理した。本章は,PMSMの数学モデル,モータパラメータの計測,ベクトル制御系の基本構造などを整理しており,第3章以降の共通の基礎を与えている。ベクトル制御はモデルベースド制御(modelbased control)であり,ベクトル制御系は数学モデルに基づき構築されている。制御系の具体的な設計・構築には,具体的なモータパラメータが必要である。本章は,これらの要請に応えるものである。
第3章は,PMSMを駆動対象とした例を用いて,単一の交流電流センサのみを用いたベクトル制御法を解説する。PMSMのベクトル制御系の構築には,u相,v相,w相電流を同時検出すべく3個の電流センサを備えることが理想的である。しかし,廉価性を追求した,2個の電流センサによる構築が一般的である。本章では,さらにセンサ数を減らし,単一の電流センサでベクトル制御を可能とする新技術を解説する。本技術は,モータドライブシステムに対し,さらに一段の廉価性,耐故障性・機能安全性を付与する。
第4章は,PMSMを駆動対象に,ホールセンサの信号を利用したベクトル制御の新方法を解説する。ベクトル制御には,回転子変位の瞬時検出が必要であり,このためエンコーダなどの位置・速度センサが回転子に装着されてきた。これは,概して,高価,脆弱で信頼性を低下させる要因になった。代わって,ホールセンサは,廉価,頑健,高信頼の特性を備えるが,矩形処理されたホールセンサ信号による回転子変位検出は最大±30度の誤差をもつ。本章は,ホールセンサを利用した上で,位相検出誤差問題を解決した最新のベクトル制御法を解説する。解説の新技術によれば,1相分のホール素子でさえもベクトル制御が可能であり,モータドライブシステムに,廉価性に加え,耐環境性・頑健性,耐故障性・機能安全性,高信頼性を付与できる。
第5章は,PMSMを駆動対象に,センサレスベクトル制御法を解説する。高信頼性,耐環境性・頑健性,廉価性などの向上を目的に研究・開発されてきたセンサレスベクトル制御法は,駆動用電圧・電流を使用した中高速域用のものと,高周波電圧を印加する低中速域用のものとに大別される。前者は,定格速度を超える超高速域で利用できることが好ましい。本章では,この認識に立ち,パラメータ変動にロバストなセンサレスベクトル制御法として知られている「力率位相形ベクトル制御法」を超高速域用に改良した,新方法を解説する。
第6章は,PMSMのための低中速域用センサレスベクトル制御法である高周波電圧印加法を解説する。従前の高周波電圧印加法は,回転子位相推定における速応性に問題があった。印加高周波電圧の周波数を電力変換器(インバータ)の搬送(キャリア)周波数と同程度にまで向上させる場合には,速応性問題を克服でき,センサレスながらセンサ利用ベクトル制御と同等の性能を得ることができる。この種の高周波電圧印加法は,特に,「搬送高周波電圧印加法」と呼ばれる。本書は,搬送高周波電圧印加法の体系化に成功した現時点で唯一の書籍である。本章では,約100 頁の紙幅を割き,体系化された最新の搬送高周波電圧印加法を解説する。
第7章は,PMSMを対象に,脆弱かつ高価なトルクセンサを利用することなく,トルクリプルを低減するトルク制御法(トルク制御モードでのベクトル制御法)を解説する。トルク制御の多くの応用で,しばしばトルク品質が問題となる。用途によっては,モータ自体の発生する音響ノイズ,振動が問題視されることもある。モータ発生音響ノイズの主原因は,モータ自身が発生する振動である。モータ発生振動の原因は,モータ自身が発生するトルクリプルである。本章では,概して高価,脆弱,低速応性のトルクセンサを利用することなく,トルクリプルを低減しうる最新のベクトル制御法を体系的に解説する。
第8章以降では,EVなどへの応用が期待される,広範囲効率駆動が可能な種々の同期モータに関し,その特性解析とベクトル制御法を解説する。特に,第8章では,独立二重三相巻線PMSMのための最新のベクトル制御法を解説する。独立二重三相巻線PMSMは,固定子に独立した三相巻線を二重に施したPMSMであり,EV,HV(ハイブリッドEV)の次世代主駆動モータとして,熱い注目を集めている。本モータを利用したドライブシステムは,潜在的に,高効率駆動性,広範囲駆動性,耐故障性・機能安全性などを同時に有しうると期待されている。しかし,そのベクトル制御の難易度は,従前の標準的PMSMに比較し,各段に高い。著者は,本モータのベクトル制御系構築に必要な諸技術の開発に成功した。本章では,100頁超の紙幅を割き,これら諸技術を体系的に解説する。
高効率駆動性と広範囲駆動性とを同時に追求したモータとして,ハイブリッド界磁同期モータ(HFSM)が知られている。HFSMは,回転子界磁として,永久磁石と単相巻線とを有するモータであり,PMSMと巻線界磁形同期モータのハイブリッドと解釈することもできる。HFSMは,回転子側から直流的な励磁電流を供給する他励式と,固定子側からの高周波誘導を介して励磁電流を回転子側へ供給する自励式に大別される。第9章では,HFSMに関し,数学モデルから効率追求のためのベクトル制御までを体系的に解説する。
第10章では,誘導同期モータに関し,その数学モデル,特性を解説する。誘導同期モータは,回転子に,PMSMと同様な永久磁石と,誘導モータ(IM)と同様な導体かごとを備え,PMSMとIMとのハイブリッドモータとして捉えることもできる。始動巻線付きPMSM,制動巻線付きPMSMと呼ばれることもある。本モータは,古くから知られているが,近年,本モータの改良形がEV用途に適するとの期待が寄せられている。本章では,この改良に資することを目的に,誘導同期モータの数学モデル,ベクトルシミュレータ,および諸特性を解説する。
同期モータとして忘れてならないのが,耐環境性・頑健性,廉価性,リサイクル性に優れたリラクタンスモータである。リラクタンスモータは,同期リラクタンスモータ(SynRM)とスイッチドリラクタンスモータに大別される。駆動用電力変換器としては,量産廉価性の観点からは三相電力変換器が好ましい。量産性を考慮にいれた電力変換器製造コストをも考慮する場合,リラクタンスモータとしてはSynRMに分があるように思われる。SynRMに関しては,近年,モータ自体の特性改善も進み,IMと同程度の効率が得られている。これらを裏づけるように,SynRMを用いた汎用ドライブシステムの上市が開始されている。SynRMは高速回転に適したモータであり,EVへの応用も国内外で試みられている。こうした状況を踏まえ,第11章では,SynRMに関し,磁気飽和,鉄損を含む諸特性,センサ利用ベクトル制御,センサレスベクトル制御について解説する。
本書の読者としては,企業の技術者,電気系大学院の学生を想定している。上述のように,本書の各章は高い独立性を有している。このため,すでにモータドライブ技術の基礎をお持ちの方は,必要・興味に応じ,当該の章をお読みいただければよいと思う。院生教育の一環として,1セメスタ・15週の講義テキストとして本書を利用する場合には,以下の時間配分が参考になるであろう。
第1章(1回),第2,3章(1回),第4章(1回),第5章(1回),第6章(3 回),第7章(1回),第8章(3回),第9章(2回), 第10章(1回),第11章(1回)
「著者の四半世紀を超える研究開発格闘に基づく本書は,読者に対し,十分な読み応えと最新・先端知識の充実をもたらす」と確信している。最後になったが,本書出版にご尽力下さった東京電機大学出版局・吉田拓歩氏に対し,衷心より感謝申し上げる。
2018 年10 月1 日 ミッドスカイタワーにて
新中 新二
目次
第1部 駆動制御の共通技術
第1章 制御系設計の基礎
1.1 拡張PID形制御系
1.1.1 制御系の基本構造と特性
1.1.2 制御器の設計
1.1.3 補償器の設計
1.1.4 ゲイン交叉周波数の調整
1.2 2自由度制御系と拡張I-PD形制御系
1.2.1 2自由度制御系
1.2.2 拡張I-PD形制御系
1.3 モデルフォローイング制御系
1.3.1 モデルフォローイング制御系の基本構造と効果
1.3.2 モデルフォローイング制御系のフィルタを用いた構造
1.4 モデルフォローイング制御の活用
1.4.1 フィルタを用いた制御器
1.4.2 モデルフォローイング制御併用の制御系
1.4.3 併用制御系の具体例
1.5 周波数応答に基づく数学モデルの構築
1.5.1 制御器設計上の要求
1.5.2 相対次数を1次とするモデル
1.5.3 相対次数を2次とするモデル
第2部 標準永久磁石同期モータのベクトル制御技術
第2章 PMSMの基本ベクトル制御
2.1 永久磁石同期モータの数学モデル
2.1.1 モデル構築の前提
2.1.2 座標系と位相の定義
2.1.3 数学モデル
2.2 電気パラメータの計測
2.2.1 三相座標系上の数学モデル
2.2.2 固定子パラメータの計測
2.2.3 回転子パラメータの計測
2.3 ベクトル制御系の基本構造
2.3.1 全体構造
2.3.2 制御器
第3章 単一電流センサを用いたベクトル制御
3.1 背景
3.2 準備
3.2.1 座標系の定義
3.2.2 ベクトルと行列
3.2.3 電流の指令値と応答値と偏差
3.2.4 D因子制御器
3.3 静的合成の擬似電流偏差による三相電流制御
3.3.1 三相座標系上の擬似電流偏差の合成と制御
3.3.2 固定座標系上の擬似電流偏差の合成と制御
3.3.3 回転座標系上の擬似電流偏差の合成と制御
3.4 擬似電流偏差合成・制御法の数値実験
3.4.1 数値実験システム
3.4.2 数値実験の条件
3.4.3 数値実験の結果
3.5 擬似電流偏差合成・制御法の実機実験
3.5.1 実験のシステムと条件
3.5.2 実験の結果
第4章 PMSMの粗分解能センサを用いたベクトル制御
4.1 背景
4.2 HES信号と問題設定
4.2.1 HES三相信号
4.2.2 HES三相信号の二相化
4.2.3 問題の設定
4.3 HESを用いたベクトル制御系
4.3.1 座標系の定義
4.3.2 ベクトル制御系の全体構造
4.4 耐故障形位相速度推定器
4.4.1 推定器の全体構造
4.4.2 基本波成分抽出器
4.4.3 位相速度生成器
4.5 HES利用のための速度制御器
4.5.1 速度制御器の全体構造
4.5.2 レイトリミッタ
4.5.3 応速ディジタルPI制御器
4.6 耐故障形ベクトル制御法の数値実験
4.6.1 数値実験システム
4.6.2 数値実験の条件
4.6.3 全HES素子が正常な場合
4.6.4 2個のHES素子のみが正常な場合
4.6.5 1個のHES素子のみが正常な場合
4.7 高追従形位相速度推定器
4.7.1 推定器の全体構造
4.7.2 基本波位相偏差抽出器
4.7.3 位相速度生成器
4.8 HES利用のための速度制御器
4.9 高追従形ベクトル制御法の数値実験
4.9.1 数値実験の条件
4.9.2 基準実験
4.9.3 高追従実験
4.10 歪み正弦状のHES信号を対象とする位相速度推定器
4.10.1 歪み正弦状のHES信号とベクトル制御系
4.10.2 応速ノッチフィルタを用いた構成
4.10.3 応速ローパスフィルタを用いた構成
第5章 PMSMの自変力率位相形ベクトル制御
5.1 背景
5.2 電流座標系
5.3 電流座標系上の力率位相形ベクトル制御法
5.4 電流座標系上の自変力率位相形ベクトル制御法
5.4.1 電圧制限下の制御
5.4.2 パラメータ自動調整の範囲
5.4.3 パラメータ自動調整の方針
5.4.4 力率位相指令値の自動調整形生成
5.4.5 電流制限
5.5 実機実験
5.5.1 実験システムの概要
5.5.2 設計パラメータの設定
5.5.3 電流制御実験
5.5.4 速度制御実験
5.6 電圧座標系
5.7 電圧座標系上の力率位相形ベクトル制御法
5.8 電圧座標系上の自変力率位相形ベクトル制御法
5.8.1 位相速度推定器
5.8.2 電流指令値の生成
5.8.3 ベクトル制御系の全体構造
5.9 実機実験
5.9.1 実験システムの概要と設計パラメータの設定
5.9.2 電流制御実験
5.9.3 速度制御実験
第6章 PMSMの搬送高周波電圧印加法
6.1 背景
6.2 ディジタルフィルタの直接設計
6.2.1 ローパスフィルタ
6.2.2 バンドパスフィルタ
6.2.3 バンドストップフィルタ
6.3 離散時間積分要素と空間的応答
6.3.1 離散時間積分要素
6.3.2 離散時間二相信号に対する空間応答
6.4 離散時間高周波電圧と離散時間高周波電流
6.4.1 数学モデル
6.4.2 離散時間高周波電圧
6.4.3 離散時間高周波電流
6.5 システムの構造と課題
6.6 正相逆相成分分離法に高周波電流振幅法を適用した復調
6.6.1 相関信号生成器
6.6.2 振幅抽出器
6.6.3 相関信号合成器
6.6.4 従前技術との同異
6.6.5 実機実験
6.7 軸要素成分分離法に高周波電流振幅法を適用した復調
6.7.1 相関信号生成器
6.7.2 振幅抽出器
6.7.3 相関信号合成器
6.7.4 従前技術との同異
6.7.5 実機実験
6.8 正相逆相成分分離法に高周波電流相関法を適用した復調
6.8.1 相関信号生成器
6.8.2 相成分抽出フィルタ
6.8.3 相関信号合成器
6.8.4 実機実験
6.9 軸要素成分分離法に高周波電流相関法を適用した復調
6.9.1 相関信号生成器
6.9.2 相関信号合成器
6.9.3 実機実験
6.10 直線形搬送高周波電圧印加法
6.10.1 課題とシステムの構造
6.10.2 位相推定の原理
6.10.3 相関信号生成器
6.10.4 相関信号合成器
6.10.5 数値実験
6.11 真円形搬送高周波電圧印加法
6.11.1 課題とシステムの構造
6.11.2 位相推定の原理
6.11.3 相関信号生成器
6.11.4 相関信号合成器
6.11.5 数値実験
第7章 トルクセンサレス・リプル低減トルク制御
7.1 背景
7.2 非正弦誘起電圧を有するPMSMの数学モデル
7.2.1 三相座標系上の数学モデル
7.2.2 一般座標系上の数学モデル
7.2.3 同期座標系上の数学モデル
7.3 トルクリプル補償の原理
7.4 補償信号の生成
7.4.1 補償信号の推定的生成
7.4.2 補償信号の算定的生成
7.5 高追従電流制御器
7.5.1 応速高次電流制御器
7.5.2 モデルフォローイング制御器併用PI電流制御器
7.6 補償信号の推定的生成と応速高次電流制御器とを用いた構成
7.6.1 システム構成
7.6.2 数値実験
7.7 補償信号の算定的生成とモデルフォローイング制御器併用PI電流制御器を用いた構成
7.7.1 システム構成
7.7.2 数値実験
7.7.3 実機実験
7.8 他の構成
7.8.1 補償信号の算定的生成と応速高次電流制御器を用いた構成
7.8.2 補償信号の推定的生成とモデルフォローイング制御器併用PI電流制御器を用いた構成
第3部 広範囲高効率駆動用同期モータのベクトル制御技術
第8章 独立二重三相巻線PMSM
8.1 背景
8.2 単相相互誘導回路の解析と電流制御
8.2.1 モード解析
8.2.2 モード回路方程式
8.2.3 簡易なモード電流制御
8.2.4 厳密なモード電流制御
8.3 巻線配置と数学モデル
8.3.1 独立二重三相巻線の従前配置
8.3.2 独立二重三相巻線の新規配置
8.3.3 一重逆同期モータの数学モデル
8.3.4 二重逆同期モータの一般座標系上の数学モデル
8.3.5 二重逆同期モータの同期座標系上の数学モデル
8.4 ベクトルシミュレータ
8.4.1 数学的準備
8.4.2 ベクトルブロック線図
8.4.3 A形ベクトルブロック線図
8.4.4 B形ベクトルブロック線図
8.4.5 ベクトルシミュレータ
8.5 簡易なモード電流制御
8.5.1 制御方策
8.5.2 高速モード電流制御器
8.5.3 低速モード電流キャンセラ
8.5.4 ベクトル制御系の全体構造
8.5.5 数値実験
8.6 厳密なモード電流制御
8.6.1 フィードバック電流制御則
8.6.2 最終電圧指令値合成則
8.6.3 電流制御器の構造
8.6.4 ベクトル制御系の全体構造
8.6.5 数値実験
8.7 効率駆動
8.7.1 最小銅損のための連立非線形方程式
8.7.2 5連立の非線形方程式の再帰形解法Ⅰ
8.7.3 5連立の非線形方程式の再帰形解法Ⅱ
8.7.4 5連立の非線形方程式の再帰形解法Ⅲ
8.8 鉄損考慮の数学モデル
8.8.1 準備
8.8.2 一般座標系上の数学モデル
8.8.3 基本式の自己整合性
8.8.4 鉄損表現能力
8.8.5 同期座標系上の数学モデル
8.9 ベクトルシミュレータ
8.9.1 ベクトルブロック線図
8.9.2 インダクタンス形ベクトルブロック線図
8.9.3 抵抗形ベクトルブロック線図
8.9.4 ベクトルシミュレータ
8.9.5 応答例
第9章 ハイブリッド界磁同期モータ
9.1 背景
9.2 他励式HFSMの数学モデル
9.2.1 統一固定子数学モデル
9.2.2 一般座標系上の数学モデル
9.2.3 同期座標系上の数学モデル
9.3 他励式HFSMのベクトルシミュレータ
9.3.1 界磁回路の再構成
9.3.2 A形ベクトルブロック線図
9.3.3 B形ベクトルブロック線図
9.3.4 ベクトルシミュレータ
9.4 他励式HFSMの電流制御
9.5 他励式HFSMの効率駆動
9.5.1 非電圧制限下の最小総合銅損電流指令法
9.5.2 電圧制限下の最小総合銅損電流指令法
9.5.3 電圧制限下の最大トルク電流指令法
9.5.4 d軸電流の利用
9.5.5 電流指令値の生成例
9.5.6 実機実験
9.6 自励式HFSMの数学モデル
9.7 自励式HFSMのベクトルブロック線図
9.7.1 誘導負荷を有する半波整流回路のブロック線図
9.7.2 ダイオード短絡された回転子界磁回路のブロック線図
9.7.3 自励式HFSMのベクトルブロック線図
9.8 自励式HFSM駆動システムの基本応答
9.8.1 自励式HFSMベクトルシミュレータの構成と利用
9.8.2 シミュレータ応答例1
9.8.3 シミュレータ応答例2
9.8.4 シミュレータ応答例3
9.8.5 シミュレータ応答例4
9.8.6 実機実験
9.9 自励式HFSMの静止位相推定
9.9.1 概 要
9.9.2 磁気飽和の影響が無視できる場合の位相推定原理
9.9.3 磁気飽和の影響が無視できる場合の原理検証
9.9.4 磁気飽和の影響が無視できない場合の位相推定原理
9.9.5 磁気飽和の影響が無視できない場合の原理検証
9.9.6 実機実験
第10章 誘導同期モータ
10.1 背景
10.2 数学モデル
10.2.1 統一固定子数学モデル
10.2.2 SIMの固定子鎖交磁束モデル
10.2.3 SIMの数学モデル
10.3 ベクトルシミュレータ
10.3.1 A形ベクトルブロック線図
10.3.2 B形ベクトルブロック線図
10.3.3 ベクトルシミュレータ
10.4 数値実験
10.4.1 始動応答例
10.4.2 力行外乱に対する制動応答例
10.4.3 回生外乱に対する制動応答例
10.4.4 特性の要約
第11章 同期リラクタンスモータ
11.1 背景
11.2 数学モデルと特性
11.2.1 回転子の構造と座標系の定義
11.2.2 SynRMの数学モデルとベクトルシミュレータ
11.2.3 鏡相特性と固定子磁束特性
11.2.4 回路方程式の変形
11.3 センサ利用ベクトル制御
11.4 センサレスベクトル制御系の基本構造と共通技術
11.4.1 基本構造
11.4.2 共通技術
11.5 磁束推定を介した回転子位相推定
11.5.1 磁束推定のためのD因子フィルタ
11.5.2 一般化磁束推定法を用いた位相推定
11.5.3 固定座標系上の実現
11.5.4 準同期座標系上の実現
11.5.5 数値実験
11.6 擬似誘起電圧推定を介した位相推定
11.6.1 誘起電圧推定のためのD因子フィルタ
11.6.2 一般化誘起電圧推定法を用いた位相推定
11.7 磁気飽和を考慮した効率駆動
11.7.1 総論
11.7.2 最小電流軌跡の一般解
11.7.3 最小電流軌跡の近似解例
11.7.4 磁気飽和特性の同定
11.7.5 磁気飽和特性の関数近似
11.8 鉄損を考慮した効率駆動
11.8.1 総論
11.8.2 SynRMの数学モデルとベクトルシミュレータ
11.8.3 ベクトル制御系
11.8.4 指令変換器
参考文献
索引