Mathematicaによる通信工学
価格:2,310円 (消費税:210円)
ISBN978-4-501-32130-7(4-501-32130-X) C3055
奥付の初版発行年月:2000年09月 / 発売日:2000年09月上旬
Mathematicaで通信工学を理解する
数式処理ソフトであるMathematicaを用いて,グラフィカルに通信工学を解説。回路理論・電磁気・有線・無線・光などの分野の例題を多く掲載。今後ますます重要視される情報伝達の仕組みを理解する上で,不可欠な通信工学を学ぶための最良の書である。
この頃では我々の周囲に多くの情報が満ち溢れており,遠くの情報でも瞬時に手元に入手できるようになりつつある.これらの情報は有線,無線,光ファイバなどにより伝えられるのであるが,その仕組みを理解するためには通信工学を勉強する必要がある.しかし,通信工学の勉強を始めて見るとやたらに難しい式や複雑なグラフがあったりして勉学意欲を失わせる事にもなりかねない.
このようなとき,簡単に式が解けたりあるいは式を書いただけでグラフを描いてくれたら通信工学を理解するのに大変役立つと考えていた.そのようなとき,Mathematicaに出会いしばらく使っているうちに大変便利である事に気が付いて,もう少し通信工学関係の内容を理解するのにやさしく書いた本が必要と感じ本書を書くことになった.
また,最近のパソコンの発展はすばらしく,ソフトウェアの進展とも相俟って古いパソコンでMathematicaのver.2.2で計算したとき,結果が出るまで15分もかかり何か間違っているのではないかと思った事もある計算を,最近のパソコンでMathematicaのver.3.0を用いた場合に十秒程度で解けてしまうなど大きな驚きであった.
本書は,Mathematicaの入門書であると同時にMathematicaを使って通信工学を理解しようとしたので,一応通信工学の基礎は理解していることを前提としている.構成は第1部にMathematicaの基本的事項を述べ,第2部に通信工学への応用を述べた.
第1部の基本的事項は,初めてMathematicaを使う学生が本書を理解するために必要な最小限の内容を述べたものであり,一応 Mathematicaを使うのに必要な基本的な内容は述べたつもりである.
第2部の通信工学への応用では,この分野で最初に勉強する回路理論,電磁気から始めて有線,無線,光などに関するMathematicaで勉強するのに適当な幾つかの例題を述べている.したがって,Mathematicaを使わなくてもすむ多くの問題は述べてないので,それらはそれぞれの専門の教科書で勉強し,必要に応じてMathematicaを使い計算したり,グラフを描いて確認することにより理解を深める事ができよう.
計算を行うための式の誘導などは本書の目的から少し外れるので,なるべく簡略化したので分かりにくい点もあるかもしれないが,途中の計算式の誘導等は巻末の文献等を参照されたい.
また,Mathematicaの画面の表示を行うのにIn[1],Out[2]等の表現は煩雑であるので第5章までにし,第6章以降は表示を省略した.
以上,記述にあたってはなるべく平易にかつ分かり易く述べるようにしたつもりであるが,著者の思い違いや記述の不完全な事で理解を困難にする事があるかも知れないが,これらは今後改善していきたいと考えている.
終わりに,本書を執筆するにあたり参考にさせて頂いた文献等の著者および東京電機大学出版局の方々に深く感謝いたします.
2000年7月
榛葉 實
目次
第1部 基 礎
1 Mathematicaのはじめ
2 基本計算
3 代数計算
4 微分
5 積分
6 グラフの描き方
7 式の数値表示とグラフ
8 測定点の表示
策2部 通信工学への応用
9 回路理論
10 電磁気
11変調
12 復調
13 無線通信
14 光フアイバ通信
付録