第2版 スペクトラム拡散通信
価格:2,310円 (消費税:210円)
ISBN978-4-501-32210-6(4-501-32210-1) C3055
奥付の初版発行年月:2001年07月 / 発売日:2001年07月上旬
初学者向.CDMA応用技術を大幅に加筆
携帯電話などの移動体通信で,近年,広く利用されるようになった技術がスペクトラム拡散通信である。次世代の無線通信システムの基幹技術となるスペクトラム拡散通信方式について,その特徴や原理を平易に解説した。工科系大学の学生および無線通信に関係した初級技術者を主たる対象として,難解な数式による解説をなるべく避け,具体的に動作原理が理解できることを念願において記述した。
最近、私たちの身のまわりに無線通信を利用するシステムが急速に普及しはじめてきた。コードレス電話や携帯電話、無線LANなどの移動体通信、また人の移動を補佐するカーナビゲーションシステムなどである。最近話題のこれら移動体システムに共通して登場する言葉に「スペクトラム拡散通信」がある。
従来の一般的な無線伝送方式では通信が困難であるような状況において、スペクトラム拡散方式はその真価を発揮する。そのため、この通信方式は軍事的要請のもとに研究され発展してきた経緯がある。ところが近年、移動体通信の分野においてスペクトラム拡散通信方式のもつ特徴が大きく評価され、現代の移動体無線通信における救世主的役割を果たすようになってきている。
本書は、現代の無線通信システムにおける基幹技術に成長したスペクトラム拡散通信方式について、その特徴や原理をできるだけ平易に解説するよう心がけて執筆したものである。初版脱稿後7年近い歳月が経ち、スペクトラム拡散通信技術を取り巻く状況は一変し、携帯電話や無線LANなどの分野で主役の位置を不動のものにした感がある。
今般、出版社のご好意により改訂版執筆の機会に恵まれた。改訂版ではCDMA携帯電話方式に関する説明を加え、工科系大学の学生および無線通信に関係した初級技術者を対象として、さまざまな通信システムの動作を物理的・直感的に理解できるよう工夫して全体を見直した。
本書が無線通信技術の発展にわずかでも貢献できれば幸いである。
目次
第1章 スぺクトラム拡散通信の基礎知識
第2章 歴史的経緯
第3章 狭帯域変調方式の概要
第4章 DS方式
第5章 FH方式
第6章 SS変調のための符号
第7章 同期捕捉と追跡
第8章 移動体通信環境でのスぺクトラム拡散通信
第9章 スペクトラム拡散方式の応用