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Visual C++ .NET版 学生のための画像処理プログラミング演習

Visual C++ .NET版 学生のための画像処理プログラミング演習

B5判 168ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-501-32860-3 C3055
奥付の初版発行年月:2012年04月 / 発売日:2012年04月上旬

内容紹介

Visual C++ .netを用いた画像処理のプログラミング演習書。課題を解きながら学習が進められるので、効率よく画像処理がマスターできる。14個の画像処理方法を精選しているため、セメスター制にも対応。すべてのプログラムはホームページでダウンロード可能。

前書きなど

 本書はプログラミングの初心者を対象に,Visual C++ .NETを用いて基本的な画像処理プログラムを作成できるようにすることを目的としている.そのため本書では,初心者が実際にプログラムの作成を通して画像処理技術を理解すること,および画像処理のプログラミング能力を修得することを考え,基本的な画像処理の流れを14の演習課題に分け,各課題のプログラミング法を初歩から解説した.各課題に対する解決手段(アルゴリズム)には各種のものがあるが,本書では画像処理のプログラミング手法の修得を主とする立場から1つの課題に対して基本的には1つのアルゴリズムだけを取り上げ,そのプログラミング法について説明を加えた.各課題に対する他のアルゴリズムや画像処理技術全体の体系については,他の参考書(村上伸一著『画像処理工学』東京電機大学出版局など)を参照されたい.
 本書の特徴は,プログラミング言語全体を学習した後に,画像処理の課題に取り組むのではなく,直接画像処理の課題に取り組み,その過程で必要なプログラミング言語について学習することである.このため,比較的短期間で画像処理に関するプログラミング能力が養われると思われる.また,本書で選んだ14の課題は,画像処理の基本的な課題を画像処理を実行する順序に沿って並べてあるので,自然と画像処理手法の流れを学ぶことができる.
 本書の構成は序章,第1章から第14章と付録4編からなり,序章では画像処理と本書の使い方について概説した.第1章から第14章では,各章の演習課題ごとにその解決のためのアルゴリズムの概要と,それに対応したプログラム例を示し,アルゴリズムがプログラムとしてどのように実現されるのかについて解説した.また,課題ごとに演習問題を用意し,その課題の理解度と応用力の確認ができるようにした.付録1では,Visual C++.NETの初心者のために,Visual C++.NETの概要とその操作法について解説した.付録2では,本書で用いる画像処理のためのVisual C++言語ファイルおよびコマンドについて解説した.付録3では,Visual C++.NETによるプログラミング時における主要なデバック方法について解説した.付録4では,実際にVisual C++.NETを用いて画像処理プログラムを作成する手順をまとめた.
 読者は本文の14の課題に取り組み,それらの課題解決のためのアルゴリズムを検討し,そのプログラムの作成を通しプログラミング手法の修得を目指していただきたい.その過程において,本文に示されているプログラム例および解説を読み,また必要に応じて各付録を参照していただきたい.
 本書は東京電機大学における講義「画像処理工学」の演習用副読本として執筆したもので,各時限当たり1課題を実習し,半期で画像処理の基本的なプログラミング手法を学べる構成としている.
 本書が画像処理に興味を持つ人々,学生および画像処理プログラムを実際に作成し,利用したい人達のお役に立てれば幸いである.
 平成24年3月
 村上 伸一


目次

序章 画像処理と本書の使い方
 0・1 画像処理とは
 0・2 本書を用いた学習法
第1章 Visual C++.NETの起動と画像の読み込みと保存
 1・1 課題1の位置づけおよび目的
 1・2 解説および解決法
 1・3 具体的に作成するプログラム例
 1・4 読み込んだ画像に別名を付けて保存するプログラムの作成
 1・5 具体的に作成するプログラム例
 1・6 演習問題
第2章 カラー画像のモノトーン化
 2・1 課題2の位置づけおよび目的
 2・2 解説および解決法
 2・3 具体的に作成するプログラム例
 2・4 演習問題
第3章 モノトーン画像の二値化
 3・1 課題3の位置づけおよび目的
 3・2 解説および解決法
 3・3 具体的に作成するプログラム例
 3・4 演習問題
第4章 二値画像のラベリング
 4・1 課題4の位置づけおよび目的
 4・2 解説および解決法
 4・3 具体的に作成するプログラム例
 4・4 演習問題
第5章 二値画像の輪郭および輪郭線抽出
 5・1 課題5の位置づけおよび目的
 5・2 解説および解決法
 5・3 具体的に作成するプログラム例
 5・4 演習問題
第6章 輪郭線図形の特徴点抽出
 6・1 課題6の位置づけおよび目的
 6・2 解説および解決法
 6・3 具体的に作成するプログラム例
 6・4 演習問題
第7章 二値画像の細線化
 7・1 課題7の位置づけおよび目的
 7・2 解説および解決法
 7・3 具体的に作成するプログラム例
 7・4 演習問題
第8章 二値領域の特徴量と線図形認識
 8・1 課題8の位置づけおよび目的
 8・2 解説および解決法
 8・3 具体的に作成するプログラム例
 8・4 ハフ変換によって直線を抽出するプログラム
 8・5 具体的に作成するハフ変換プログラム
 8・6 演習問題
第9章 濃淡画像のディジタルフィルタ
 9・1 課題9の位置づけおよび目的
 9・2 解説および解決法
 9・3 ラプラシアンフィルタ用プログラムの作成
 9・4 具体的なラプラシアンフィルタ用プログラムの例
 9・5 ソーベルフィルタ用プログラムの作成
 9・6 具体的なソーベルフィルタプログラムの成
 9・7 演習問題
第10章 差分画像の作成と対象物抽出
 10・1 課題10の位置づけおよび目的
 10・2 解説および解決法
 10・3 具体的に作成するプログラム例
 10・4 演習問題
第11章 指定点の色抽出とRGB⇒HSV変換
 11・1 課題11の位置づけおよび目的
 11・2 解説および解決法
 11・3 具体的に作成するプログラム例
 11・4 演習問題
第12章 色による領域分割
 12・1 課題12の位置づけおよび目的
 12・2 解説および解決法
 12・3 具体的に作成するプログラム例
 12・4 演習問題
第13章 画像の切り出しとパターンマッチング
 13・1 課題13の位置づけおよび目的
 13・2 解説および解決法
 13・3 テンプレート切り出しプログラムの例
 13・4 テンプレートマッチング
 13・5 テンプレートマッチングプログラムの例
 13・6 演習問題
第14章 画像処理プログラムの組み合わせと拡張
 14・1 課題14の位置づけおよび目的
 14・2 解法およびプログラム例
付録1 Visual C++ .NETの概要とその操作法
 付1・1 概要
 付1・2 ウィンドウの構造および操作法
 付1・3 スケルトン
 付1・4 プログラムファイルの種類
 付1・5 プログラムの作成とコンパイル
 付1・6 プログラムの実行
 付1・7 メニューバーと処理項目の関連付け
 付1・8 独自のサブルーチンの作成
 付1・9 サブルーチンの接続
 付1・10 システムの持つメンバー関数の組み込み
 付1・11 デバック
 付1・12 プログラム作成上の注意事項
付録2 Visual C++ .NET言語のファイルおよびコマンド
 付2・1 Visual C++ .NETの画像処理プログラムで利用するファイル
 付2・2 本書で使用する基礎的コマンド
 付2・3 演算子
付録3 Visual C++ .NETの主要なデバック法
 付3・1 プログラム作成時での便利な機能
 付3・2 デバックの手順
 付3・3 デバック中のプログラムの修正
付録4 Visual C++ .NETを用いた画像処理プログラムの作成法
 付4・1 システムの起動(スケルトンの作成)とウィンドウの表示
 付4・2 画像ファイルを読み込み,表示する
 付4・3 共通変数の定義
 付4・4 処理画像に名前を付けて保存する
 付4・5 メニューバーへ処理項目を追加する
 付4・6 メニューバーの下のプルダウンメニューに画像処理項目を追加する
 付4・7 処理の実行
 付4・8 独自のサブルーチン(メニューバーに処理項目を登録しない処理ルーチン)を作成する
 付4・9 文字を画面上に出力する
 付4・10 作成途中のサブルーチン中に,独自で既に作成したサブルーチンを組み込む
 付4・11 複数のサブルーチンの接続により,1つのプログラムを作成する
 付4・12 プログラム本体に,システムが持つメンバー関数を組み込む
参考文献
索 引

関連リンク

・ダウンロード:解答プログラム


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