機械計算法シリーズ
油圧・空気圧の計算法
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-501-41500-6(4-501-41500-2) C3053
奥付の初版発行年月:2000年10月 / 発売日:2000年10月中旬
自動車・ロボット・医療現場など,身近にはさまざまな油圧・空気圧装置が活躍している。これらは機械技術者にとって重要な基礎技術である。本書は,図や表などの資料を多く用い,初学者が平易に理解でき,実務で役立つように配慮。豊富な例題,練習問題により理解が深められ,自学自習書や授業の教科書として最適である。
このたび,計算法シリーズの中に「油圧・空気圧の計算法」を加えていただいた。わかりやすい機械教室シリーズ「空気圧の基礎と応用」および「油圧の基礎と応用」を刊行してから数年が経過したが,専門学校以上の学生の教科書として,企業等の講習会用テキストとして多少なりともお役に立てたことと思っている。
機械工学系の学科をもっている専門学校・高専・大学では,油圧・空気圧を教科として授業に位置づけている。油圧・空気圧はともに流体を扱っているが,その特性によってパワーの大小に違いがあり,得意とする分野で力を発揮している。油圧は,工作機械の倣い装置,トランスファマシン,プレスなどの産業機械のほか,船舶,車両,油圧パワーショベルなどの土木建築機械などに利用されている。
一方,空気圧はコンベアライン,ロボットをはじめとする工場の自動化・省力化には欠かせない存在であって,医療福祉関係への積極的な進出も期待される。
このように私たちの身近には,油圧装置・空気圧装置が活躍している。したがって,将来,機械技術者を目指す人にとって油圧・空気圧の基礎技術を理解し,制御と組み合わせた応用力を養うことは,大切なことである。 前著では,油圧・空気圧の基礎理論とそれの演習問題,油圧回路・空気圧回路と電気制御を主な内容としたため,演習問題が多少不足していたように思われる。この反省にたって,各節ごとに例題を設け,各章の終わりに練習問題と略解を行い,自学・自習をしながら,理解が深められるように配慮した。
このように,演習問題を多くしたのと,油圧・空気圧の両分野を1冊にまとめたために,油圧回路・空気圧回路と電気制御は割愛せざるを得なかった。この分野は前著をご参考下されば幸いである。
本書の執筆に当たり,次のような点に心掛けた。
(1) 文章表現はできるだけ平易にし,初学者でも十分理解できるようにした。
(2) 図や表などの資料を多く入れ,理解を深めるために役立てた。
(3) 前述のような演習問題,略解を設けたので,自学・自習に活用してほしい。
(4) 油圧駆動の応用例として平面研削盤の簡単な回路設計を行った。
(5) 空気圧駆動の応用例として,卓上空気圧プレスの簡単な回路設計と空気圧機器の選定(サイジング)を行った。
(6) 単位はすべて国際単位系(SI)とした
最後に,東京電機大学出版局編集課 石沢岳彦氏と,前著と同様に多くの社内教育用テキスト,技術資料,カタログなどを提供して下さったメーカー,指導と助言を下さったメーカーを巻末にあげ,紙上を借りて厚く御礼申し上げます。
平成12年9月
高橋徹
目次
第1章 国際単位系(SI)の導入
第2章 油圧システムと空気圧システムの概要
第3章 油圧の基礎
第4章 油圧作動油
第5章 油圧ポンプ
第6章 油圧アクチュエータ
第7章 油圧制御弁
第8章 その他の油圧機器
第9章 油圧駆動の応用例
第10章 空気圧の基礎
第11章 空気圧発生装置
第12章 空気圧アクチュエータ
第13章 空気圧制御弁
第14章 その他の空気圧機器
第15章 空気圧駆動の応用例