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基礎 自動車工学

基礎 自動車工学

A5判 200ページ 上製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-501-41720-8 C3053
奥付の初版発行年月:2008年09月 / 発売日:2008年09月中旬

前書きなど

 著者はカーメーカーの研究所にて,操縦安定性の研究,車両計測診断装置の研究開発,サスペンションチューニング装置の開発等を行い,平成13年に大学教員となり,ドライビングシミュレーターを用いた操縦安定性の研究を行うとともに,自動車工学の講義を受け持っている。
 本書では,自動車の走行力学と性能に関する基本的な原理と理論の理解を目的としている。また,「走る.曲がる.止まる」という,自動車の基本となる機能と技術を中心に記述する。自動車の技術の発展は日進月歩でめざましいものがある。そこで本書では,新しい技術についても記述を行った。例えば今日は,ドライビングシミュレーターを用いた研究開発が盛んになってきており,その内容についても記述を加えた。
 一方,内燃機関は自動車にとって主要な装置であるが,独立した専門分野として存在し,数々の良著がある。そこで,本書では「走る.曲がる.止まる」に関連する,”走行抵抗と動力性能”のみを採り上げて記述を行った。
 全体的には,”走り”を中心に著者の専門分野の内容を主として記述を行った。
 本書は,大学または高等専門学校の教科書,または自動車に興味を持つ学生の独習書として執筆したものである。
 本書を執筆するにあたって,数多くの書籍や文献を参考にさせていただいたが,著者の勉強不足のため不行き届きの点が多々あると思われる。謹んで参考にさせていただいた著者の方々に深甚の謝意を表すと同時に,読者諸兄のご教示をお願いする次第である。
 なお,本書は平成17(2005)年(株)山海堂より出版し,今回前書に多数の修正を加え,第8章を追記し,新たに本書を学校法人 東京電機大学出版局より出版することになった。
 出版にあたりお世話いただいた,学校法人 東京電機大学出版局 出版局長 植村八潮氏ほか,ご協力をいただいた関係者の方々に深くお礼申し上げる。
 平成20(2008)年7月吉日
 著 者


目次

第1章 タイヤの力学
 1.1 コーナリングフォース特性
 1.2 セルフアライニング特性について
 1.3 制動力・駆動力作用時のタイヤのコーナリング特性
 1.4 スリップ率〜タイヤ前後力Fxの関係
 第1章演習問題
第2章 操縦性・安定性
 2.1 ステアリングとサスペンション装置
 2.2 サスペンション装置
 2.3 操縦性・安定性の評価
 2.4 操縦性・安定性の力学
 2.5 発展的内容
 第2章演習問題
第3章 乗り心地・振動
 3.1 乗り心地
 3.2 振動・騒音
 3.3 バウンス系(上下動系)のサスペンションチューニングについて
 第3章演習問題
第4章 制動性能
 4.1 ブレーキ装置
 4.2 制動力学
 4.3 制動性能の制御装置
 4.4 効きの安定性
 第4章演習問題
第5章 走行抵抗と動力性能
 5.1 走行抵抗
 5.2 動力性能
 5.3 惰行性能
第6章 新しい自動車技術
 6.1 一般
 6.2 新エネルギー自動車
 6.3 自動車の安全性
 6.4 これからの社会に適応した自動車技術
第7章 人—自動車系の運動
 7.1 ドライビングシミュレーターの活用
 7.2 ドライバーモデル
 7.3 ドライバーの状態量の計測
 7.4 (参考)本研究室(近畿大学の時)の手作りフォーミュラカーへの取り組み
 7.5 まとめ
第8章 ドライビングシミュレーターの更なる研究と応用
 8.1 トヨタのドライビングシミュレーター
 8.2 安全向上のための運転支援システムの研究例
 8.3 ドリフトコーナリング対応ドライビングシミュレーター
 8.4 まとめ
演習問題の解答
参考文献
索引


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