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基礎 エンジン工学

初めて学ぶ
基礎 エンジン工学

A5判 288ページ 並製
価格:3,410円 (消費税:310円)
ISBN978-4-501-41770-3 C3053
奥付の初版発行年月:2008年11月 / 発売日:2008年12月上旬

前書きなど

 現在のわが国の自動車保有台数は8000万台に迫ろうとしており,さらに今後とも緩やかに増加していくと予測されている.その普及状況は,国民1人当たり約0.6台と,極めて普及率の高い商品となっている.言い換えれば,我々にとって自動車は,いろいろな形で非常に密接に関係している対象であるということができる.また,近年自動車の心臓部であるエンジンに,公害,省資源の観点から,ガソリン,ディーゼルエンジンの特異化,燃料電池,ハイブリッドエンジン等のエポックが訪れつつあり,今後,エンジンに関する大きな技術の変革,進歩が予想される.
 そのような状況にあって,これまで自動車メーカーのエンジン開発部門および自動車関係の教育機関に在籍し,自動車用エンジンに携わった者として何かお役に立つことができないだろうか,と考えたのが本書を執筆するに至った動機の1つである.
 次に,この本の利用者を想定させて頂くと,自動車エンジンの設計,実験,製造,整備に関係する方々あるいはそのような仕事に従事することを志す学生諸君と思われるが,本書を通して,エンジンについてのより良い理解がなされ,結果として良いエンジンが世に送り出されることを願っている.
 また,本書の1つの特徴として,近年,エンジンに期待されてきたことを,日欧米自動車メーカー各社が製品開発の中にどのように具体化してきたかも簡単にピックアップしておいたので,何らかのご参考になるかと思う.
 最後に,本書の出版に当たって大変お世話になった東京電機大学出版局の石沢岳彦氏に厚く御礼申し上げたい.
 2008年10月
 長山 勲


目次

第1章 エンジンの概説
 1・1 エンジンの定義
 1・2 エンジンの仕組み
 1・3 エンジンの分類
 1・4 エンジンの歴史
 1・5 エンジンに期待されること
 1・6 エンジンの現状と将来
第2章 エンジンの基本的原理
 2・1 エンジンの熱力学
 2・2 サイクル
 2・3 エンジンの基本性能
 2・4 エンジンの燃焼
 2・5 ガス交換
 2・6 エンジン機構の力学
第3章 エンジンの構造と機能
 3・1 概説
 3・2 エンジン本体
 3・3 主運動部品
 3・4 動弁系
 3・5 吸排気系
 3・6 燃料供給系
 3・7 冷却系
 3・8 潤滑系
 3・9 電気系
第4章 エンジンの実用性能
 4・1 トルク,出力,燃料消費率
 4・2 エンジン性能試験
 4・3 エンジン性能に影響する主な要素と考え方
 4・4 実用性能まとめ
第5章 環境問題と対策
 5・1 排出ガスとその対策
 5・2 騒音とその対策
第6章 センサとアクチュエータ
 6・1 概説
 6・2 自動車センサおよびアクチュエータに必要な条件
 6・3 各種センサとアクチュエータ
第7章 エンジン用油脂
 7・1 概説
 7・2 燃料
 7・3 潤滑油
 7・4 冷却水不凍液
 7・5 代替燃料
第8章 特殊エンジン
 8・1 ハイブリッドエンジン
 8・2 電気エンジン
 8・3 燃料電池エンジン
 8・4 天然ガスエンジン
 8・5 水素エンジン
 8・6 アルコールエンジン
 8・7 ガスタービンエンジン
 8・8 スターリングサイクルエンジン
 8・9 予混合圧縮自己着火エンジン(HCCI)
第9章 エンジン計測法
 9・1 出力
 9・2 流量
 9・3 ガス流速
 9・4 ガス圧力
 9・5 ガス温度および火炎温度
 9・6 エンジン各部温度測定
 9・7 潤滑と摩耗
 9・8 騒音
 9・9 ガス分析
 9・10 画像解析
 9・11 レーザ計測
参考文献
付 表
索 引


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