大学出版部協会

 

C&PIC実用回路

たのしくできる
C&PIC実用回路

A5判 192ページ 並製
価格:2,530円 (消費税:230円)
ISBN978-4-501-53780-7(4-501-53780-9) C3004
奥付の初版発行年月:2004年09月 / 発売日:2004年09月中旬

内容紹介

回路の仕組みや動作原理を詳しく解説

前書きなど

 東京・秋葉原のラジオデパート内にある1坪ほどの電気専門書店に行くと,PIC(ピック)と呼ばれるワンチップマイコン関連の各種単行本が,一番目だつ所に置かれている.PICの人気の高さをうかがうことができる.
 この米国製のPICマイコンは,1995年頃日本に紹介された.組込みマイコンとして,家電製品から各種の産業機器など小型の制御装置や,全体を制御するのではなく個別機能ごとの制御などに利用され,発展を続けている.
 また,ここ数年の間に,全国の工業高校・専門学校・大学等でも,PICはマイコン制御教育に取り上げられるようになってきた.その理由は,①本書で利用するPIC16F84AやPIC16F873はフラッシュプログラムメモリ搭載なので,何度でも(1000回程度)プログラムを即時消去し,簡単に書き換えができる.②Z80系,H8などのマイコンと比べ安価で構造がコンパクトであり,リードピッチが2.54mmのDIP(Dual In−line Package)型なので配線も容易である,などである.
 著者は,前著「たのしくできるC&PIC制御実験」で,C言語による基本的なPIC制御実験について著した.今回,前著を発展させ,C言語によるプログラミングと,利用価値のある実用回路の制作を中心としたPIC制御実験を取り上げることにした.
 本書は,米国CCS社のCコンパイラPCMを使用する.このCコンパイラは,MPLABと統合して使うことができ,豊富な組込み関数と,これらをサポートするプリプロセッサコマンドが用意されている.このため,わかりやすいプログラムをつくることができる.
 C言語によるマイコン制御の特徴は,マイコンの機種依存性が少なく,わずかの手直しで,ほかのマイコンへのソフトの移植が容易になる.また,アセンブリ言語と同じように,ビット処理などの記述が可能で制御用に適している.このようにC言語を使ってのプログラミングは,アセンブリ言語と比べればはるかに生産性が高く,本書で製作する実用回路のプログラミングも容易である.
 ここで,各章の内容を簡単に述べよう.
 1章.4接点SSR出力&7接点入力装置を製作する.この装置は,シーケンス制御の実用回路として利用できる.5つのPIC基本回路を用意し,C言語の基本的なプログラミングについて解説する.
 2章.センサ回路を使用した制御実験をする.4接点SSR出力&7接点入力装置を利用し,センサ回路の仕組みや回路の動作について詳しく述べる.
 3章.簡易回転計を製作する.制御回路の仕組みとプログラミングについて解説する.
 4章.液晶表示器を使用した周波数カウンタを製作する.液晶表示器の使い方について,プログラムとともに解説する.
 5章.ディジタル温度計を2つ製作する.第1の温度計は7セグメントLED表示で,−40℃〜99.9℃まで測定できる.第2の温度計は4行表示の液晶表示器を使用し,−40℃〜102℃まで,現在の温度,その日の最高温度・最低温度を同時に表示できる.
 6章.ライントレーサを製作する.光センサ回路の設計と調整が簡単である.
 7章.MPLABと統合したCCS社のCコンパイラの使い方を詳しく図解する.
 本書は,各種の制御実験があリ,C言語によるプログラミングの基礎から高度な内容まで幅広く取り上げている.また,実用回路の設計や製作を通じて,回路の仕組みや回路の動作についても詳しく述べている.このソフトウェア・ハードウェアのどちらもわかりやすく執筆したつもりである.この本が,読者の方々の技術力向上に貢献できれば幸いである.
 最後に,企画・出版に至るまで,終始多大な御尽力をいただいた東京電機大学出版局の編集課長 植村八潮氏,石沢岳彦氏をはじめ,関係各位に心から御礼を申し上げる次第である.
 2004年8月
 著者しるす


目次

1.4接点SSR出力&7接点入力装置による制御実験
 1.1 PIC16F84A
 1.2 プログラマブルコントローラ
 1.3 4接点SSR出力&7接点入力回路
 1.4 早押しクイズ
 1.5 電球の点灯移動回路
 1.6 リバーシブルモータの正転・逆転回路
 1.7 オールタネイト回路
 1.8 入力回路の2進表示

2.センサ回路を使用した制御実験
 2.1 各種センサ回路
 2.2 IC化温度センサとCdSセルを使用した電球の点灯制御
 2.3 IC化温度センサを使用したON−OFF温度制御
 2.4 自動ドアに見立てたリバーシブルモータの正転・逆転制御
 2.5 エスカレータの自動運転に見立てたリバーシブルモータの制御
 2.6 CdSセルを使用した節電用電球点灯回路
 2.7 リードスイッチと音センサを使用した防犯装置

3.簡易回転計
 3.1 簡易回転計の概要
 3.2 簡易回転計の制御回路
 3.3 7セグメント表示器
 3.4 タイマ0の内部構成
 3.5 プログラムの作成

4.周波数カウンタ
 4.1 周波数カウンタ回路
 4.2 PIC16F84AとLCDの接続
 4.3 LCDの初期化
 4.4 プログラムの作成

5.ディジタル温度計
 5.1 PIC16F873
 5.2 7セグメントLED表示によるディジタル温度計
 5.3 LCD表示によるディジタル温度計

6.ライントレーサ
 6.1 ライントレーサの概要
 6.2 ライントレーサの制御回路
 6.3 プログラムの作成

7.CCS社_CコンパイラとPICライタ
 7.1 CCS社_Cコンパイラの概要
 7.2 MPLABとPCMのインストール
 7.3 projectフォルダの作成
 7.4 MPLABのショートカットアイコンの作成
 7.5 開発モードの設定
 7.6 MPLABとPCMの統合した使い方
 7.7 PICライタによるプログラミングの書込み

付録
参考文献
索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。