学生のための基礎C
価格:1,870円 (消費税:170円)
ISBN978-4-501-53960-3(4-501-53960-7) C3004
奥付の初版発行年月:2005年07月 / 発売日:2005年07月上旬
C言語を基礎から学べるテキスト
近年,パソコンが高性能になるとともに,優れた機能を持った様々なアプリケーションソフトが普及して,事務的な業務ならば自分でプログラムを作らなくてもかなりの処理ができるようになった.しかし,科学技術に関する計算処理や計算をしながら図形を描くなど,アプリケーションソフトではできない分野も多い.また,Excel,Accessなどのアプリケーションソフトでは,複雑な処理でも,ウインドウ上のボタンをクリックするだけで行うことができるマクロ機能が用意されている.マクロは,アプリケーションソフト用のVisual Basicを用いて作成するプログラムである.
さらに,パソコンを動作させるものはプログラムである以上,パソコンをより一層使いこなすためには,プログラミングの知識をぜひ持っておきたいものである.このことがパソコン利用の世界を広げることにもなる.したがって,プログラムを学習することは,アプリケーションソフトを理解し,活用する上でも大変役に立つ.
プログラムを作成するためのプログラミング言語には,C言語(C Lunguage),BASIC,Java,COBOLなど様々なものがあるが,本書では,C言語を取り上げた.
C言語は,もともとシステム記述言語として用いられていたが,現在では,さまざまなアプロケーションプログラムを記述するために使用されている.すなわち,C言語は,パソコンからスーパーコンピュータまで,各種のコンピュータ上で動作する汎用のプログラミング言語である.C言語によるプログラミングは,基本情報技術者試験にも採用されており,情報技術者として必須の基本技術となっている.
C言語では,非常に多くのステートメントや関数が用意されており,限られた授業時間の中で,これらのすべてを学習するのは困難であり,またその必要もない.本書では,ぜひ必要な項目を精選した.また,簡単なプログラムから複雑なプログラムへと順に学習できるように配列したので,本書の内容を理解すれば基本的なプログラム作成はできることと思う.
本書では,例題を用いてステートメントや関数の解説を行い,章末に多数の演習問題を掲載した.例題により基本事項を学習し,演習問題を解くことにより学習を深めることができるようにした.また,やや難しい演習問題にはヒントを加えて学習の便を図った.
最近,プログラミング学習不要論を唱える人も多いが,ぜひ本書によりC言語によるプログラミングについて学習し,コンピュータ利用の世界を広げていただきたいと願っている.
C言語のシステムには,フリーソフトなども含め様々なものがあるが,本書では教育用によく用いられているUltra-Cを使用した.どのシステムも関数などで若干の相違はあるが,基本的な文法や関数は共通しているので,本書で学習したことはどのシステムでも支障なく利用できる.
最後に,本書の執筆を勧めていただいた東京電機大学出版局次長の植村八潮氏,およびいろいろな助言をいただき,編集の労をとっていただいた松崎真理さんと吉田拓歩さんに感謝の意を表したい.
平成17年6月
著者しるす
目次
第1章 プログラミングの基礎
1・1 プログラムとプログラミング言語
1・2 C言語とその特徴
1・3 プログラムの作成から実行までの手順
演習問題 1
第2章 データの入出力と簡単な計算処理
2・1 文字の表示
2・2 数値データの入力・計算・出力
2・3 数値演算関数
2・4 文字データの処理
演習問題 2
第3章 分岐処理
3・1 構造化プログラミング
3・2 If文による分岐処理
3・3 switch文による分岐処理
演習問題 3
第4章 繰り返し処理
4・1 for文による繰り返し
4・2 while文による繰り返し
4・3 do〜while文による繰り返し
演習問題 4
第5章 配列の利用
5・1 一次元配列
5・2 二次元配列
演習問題 5
第6章 関数の使い方
6・1 関数とその種類
6・2 main関数
6・3 数値演算関数
6・4 文字の取り扱いと文字操作関数
6・5 値を返さない関数
6・6 値を返す関数
演習問題 6
第7章 ポインタの利用
7・1 ポインタ
7・2 ポインタと配列
演習問題 7
第8章 構造体とファイル処理
8・1 構造体
8・2 ファイルの使い方
演習問題 8
索引