工科系数学セミナー
フーリエ解析と偏微分方程式
価格:2,090円 (消費税:190円)
ISBN978-4-501-61670-0(4-501-61670-9) C3341
奥付の初版発行年月:1999年03月 / 発売日:1999年03月上旬
本書は微積分学と常微分方程式の初歩を学んだ人のために,フーリエ級数,フーリエ積分,編微分方程式の三つの章から書かれている。各節の終わりごとに多数の問題を掲載し計算法の習得に心がけているので,教科書として利用するのみならず演習書としても最適である。
本書は,微積分学と常微分方程式の初歩を学んだ学生諸君のために,「フーリエ級数」,「フーリエ変換・フーリエ積分」およびその応用として「偏微分方程式」における境界値問題の解法の教科書として書かれたものである。
本書の第1の目標は,任意の周期関数をフーリエ級数で表し,それを物理学,工学に応用することであるが,応用問題としては代表的なものを厳選して掲載している。また,フーリエ級数の基礎にあるものは直交性であり,それに関連して一般の関数系の直交性にもふれた。第2の目標である境界値問題は熱伝導,振動等の問題として,18世紀以来多くの研究がなされており,現在でもその重要性はかわらない。したがって,偏微分方程式における境界値問題をフーリエ級数を用いて解いたが,それは歴史的流れに沿ったものである。また,現在ではフーリエ級数,フーリエ変換・フーリエ積分は,各方面で利用され,理工系の学生には必須の知識となっている。
本書は,第1章 フーリエ級数,第2章 フーリエ積分,第3章 偏微分方程式の三つの章から成り立っている。第1章は,フーリエ解析の基礎となる事柄であり,問題を多数掲載し,計算法の習熟に心がけた。問題は類似のものが多く,容易に解けるものと信ずる。第2章のフーリエ積分は,周期無限大の関数のフーリエ級数と考えると,第1章の延長である。第3章は,偏微分方程式(境界値問題)の解法で,変数分離法により,そこでフーリエ解析を用いている。変数分離法は偏微分方程式の重要な解法であるが,ほかに種々の解法がある。なお,各節の終わりには類似の多数の問題を配し,計算法の習得に心がけた。
本書のグラフ,計算には東京電機大学 五島奉文教授にお願いし,Wolfram Research,Inc.のMathematicaを使いました。また,原稿の校正は日本工業大学 大野修一教授にお世話になり,適切な注意をいただきました。ここに記して感謝の意を表します。
1999年1月
編者一同
目次
第1章 フーリエ級数
第2章 フーリエ積分
第3章 偏微分方程式