水理学の基礎
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-501-62160-5(4-501-62160-5) C3051
奥付の初版発行年月:2006年12月 / 発売日:2006年12月上旬
物理的な直感で理解しやすいように解説
水理学は応用水理学(もしくは水工学)と呼ばれる河川工学・海岸工学・衛生工学・水環境工学・灌漑工学・水資源工学などの数理的基礎を与える建設工学の基礎科目である.しかし,数学的取扱いの多様さ故に,学生諸君にとっては苦手科目の筆頭にあげられてきた.そこで本書では,数学的難解さを排除するためになるべく微分方程式を避け,物理的な直感で理解しやすいように配慮した.また,理解を助ける補助的な手段として各所に「point」を多数設けた.なお,水理学を理解するためには多くの演習問題に取り組むことが不可欠である.そのための教科書として東京電機大学出版局の「水理学演習」を推薦したい.本書で水理学を学んだ学生諸君が分かりやすかったと評してくれれば幸いである.
なお,本書は東京電機大学学術振興基金の援助を受けて刊行されたものである.
最後に,本書の原稿整理の段階で研究室の諸氏,特に橋本彰博博士の協力を得たことを記し感謝の意を表したい.
2006年12月1日
松風台にて
有田正光
目次
第1章 水理学とは
1.1 なぜ水理学を学ぶか
1.2 水理学史
第2章 水理学の基礎
2.1 次元と単位
2.2 水の性質とふるまい
2.3 流れの様子と剪断力
第2章 演習問題
第3章 静水力学
3.1 静水圧
3.2 平面に働く静水圧
3.3 圧力計(マノメータ)
3.4 浮力と浮体の安定・不安定および安定条件
3.5 相対的静止
第3章 演習問題
第4章 ベルヌーイの定理とその応用
4.1 ベルヌーイの定理
4.2 ベルヌーイの定理の応用
4.3 ベルヌーイの定理の工学的応用
第4章 演習問題
第5章 運動量の定理とその応用
5.1 流体運動への運動量の定理の適用
5.2 管水路流れへの運動量の定理の適用
5.3 平板に衝突する噴流流れへの運動量の定理の適用
5.4 流水が構造物に与える力
5.5 跳水と段波現象への運動量の定理の適用
第5章 演習問題
第6章 流れの挙動と物体に作用する抵抗
6.1 層流と乱流
6.2 境界層
6.3 流れと抵抗
6.4 円管流の摩擦抵抗
第6章 演習問題
第7章 管水路の流れ
7.1 基礎方程式
7.2 摩擦損失水頭
7.3 円管の形状損失水頭
7.4 単線管水路の水理計算法
7.5 サイフォン
7.6 水車を含む単線管水路
7.7 ポンプを含む単線管水路
7.8 分岐・合流管路
7.9 管路網
第7章 演習問題
第8章 開水路の流れ
8.1 開水路の流れの分類
8.2 開水路流れの基礎(短形断面,エネルギー損失なし)
8.3 水面形の方程式(短形断面水路・エネルギー損失なし)
8.4 水面形の方程式(エネルギー損失あり)
8.5 マニングの平均流速公式と水面形の方程式
8.6 通水能の高い断面形
第8章 演習問題
第9章 次元解析と相似則
9.1 次元解析
9.2 力学的相似則の基礎
9.3 フルードの相似則とレイノルズの相似則
9.4 力学的相似則の適用例
第9章 演習問題
演習問題解答
付録(基礎公式と単位換算)
参考文献
索 引