論理思考パズル
虫食算と覆面算 難易度別200選
価格:1,540円 (消費税:140円)
ISBN978-4-501-62330-2 C0076
奥付の初版発行年月:2008年07月 / 発売日:2008年07月下旬
西洋で虫食算や覆面算がいつごろからつくられたのか明らかではないが、20世紀初めごろには、数学者やパズル愛好家から注目されるようになった。数式の一部が消されたり、数字が文字や記号に置き換えられたりした数式を、推理の力で復元するパズルである。日本では、江戸時代にも虫食算があったが、明治になって西洋の数字が取り入れられ、江戸時代の数学は廃止された。西洋の虫食算は、大正の初期には日本にも紹介されている。
終戦直後の1946年(昭和21年)、娯楽の少ない時期に発行された佐野昌一著『”虫喰ひ算”大會』が大きな関心を呼んだ。虫食算と覆面算には解き方や考え方の基本に共通点があり、『”虫喰ひ算”大會』では虫食算と覆面算が同じ種類のパズルとして扱われている。
この本に刺激を受けて、虫食算に興味を持つ人が増え、パズル機関紙『数芸パズル』が発行された。「虫食算研究室」が雑誌に掲載されるようになり、作品発表の場が提供され、虫食算や覆面算をつくる人が多数誕生した。そこでは、欧米には見られない新しいタイプの問題がたくさん発表された。
さて、最近は虫食算と覆面算を別のパズルとして扱うようになったが、今回は『”虫喰ひ算”大會』の原点に戻って、虫食算と覆面算をひとつの本としてつくりあげた。虫食算を大駒誠一が、覆面算を武純也が担当し、答が一とおりの作品をまとめた。やさしい問題からむずかしい問題まで難易とりまぜて200題。解き方の要点は問題のところどころに書かれている。それを参考にしながら解いてみてほしい。工夫すれば試行錯誤の回数は減らせる。自分なりの解き方を会得していただきたい。
虫食算や覆面算の問題を解いて、計算式が正しければ、答が正しいかどうかの確認ができる。したがって答は載せる必要がないと思われるが、どうしても確認したいという人のために巻末に答を載せておく。ただし、パズルはどんな問題でも、答を知ってしまうとおもしろくなくなる。答を見ないで挑戦することをお奨めする。虫食算と覆面算のそれぞれ最後の難問題3題ずつの答は載せていない。これが解けた人はhttp://www.tdupress.jp/puzzleにアクセスして、答を確かめてほしい。全問正解者は同じサイトにハンドルネームが掲載される。
最後になったが、面倒な校正や出版を担当された東京電機大学出版局の浦山毅氏にたいへんお世話になった。この場を借りて厚く御礼申し上げる。
2008年6月 大駒誠一 武 純也
目次
●虫食算[初級編]
完全虫食算
●虫食算[中級編]
完全虫食算
孤独の8
●虫食算[上級編]
孤独の4
ヒント
解き方1〜8
●覆面算[初級編]
ローマ数字の数詞覆面算
ひらがなの数詞覆面算
ローマ字の数詞覆面算
ひらがなの連立型数詞覆面算
漢字の数詞覆面算
幾何模様的覆面算
●覆面算[中級編]
ひとつの物語
年賀状と暑中見舞
中間部も表示した問題
ワードアリスメティック
奇数・偶数の覆面算
●覆面算[上級編]
歳時記覆面算
ひらがな数詞覆面算
ヒント
解き方
コラム
虫食算と覆面算の約束事
各部の名称
以上、以下、未満
余詰と不詰
完全虫食算
循環小数
江戸時代の虫食算
誰でも覆面算をつくれる
数詞覆面算は無限にある
1題で3題分の覆面算
演算記号もいっしょに読む覆面算
コンピュータで覆面算が解ける