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室内環境学概論

室内環境学概論

A5判 258ページ 並製
価格:3,410円 (消費税:310円)
ISBN978-4-501-62590-0 C3052
奥付の初版発行年月:2010年11月 / 発売日:2010年11月下旬

内容紹介

室内をとりまく環境問題について,幅広く解説。各分野で活躍をしている研究者・技術者による「室内環境学」の集大成。家政学、看護・医療・福祉分野、保健学分野、建築学分野で学ぶ大学生のテキストとして編集。室内の環境問題に取り組む技術者の入門書としても最適。

前書きなど

 発行にあたって
 室内環境学会 会長 小野 雅司
 人はその生活の大部分を室内で過ごしていることを考えると,人の健康保護のみならず快適な環境という観点からも室内環境問題は極めて重要な課題となっています。ところが,室内環境には多くの構成要素があることから,これまでわが国における室内環境に関する研究はその構成要素ごとに個別の学会等で実施されてきました。一方,国際的には,国際室内空気環境学会(The International Society of Indoor Air Quality and Climate)が設立され,一つの大きな学会として長期的・総合的に室内環境の問題に取り組もうとしており,わが国においてもこれまで個別に行われてきた研究活動を統合し,総合的・学際的に室内環境問題を議論する場の必要性がますます増加しています。
 本書は,社会的環境(第1章,第6章),化学的環境(第2章),生物的環境(第3章,第4章),物理的環境(第5章),と室内環境に関係するあらゆる分野をカバーするものです。加えて,これらの室内環境(汚染)が私たちの健康に及ぼす影響(第7章),そして都市環境,地球環境と室内環境の関わり,環境教育(第8章),といった構成でまとめられています。
 執筆者は,室内環境学会の会員を中心に,それぞれの分野で活躍している研究者や技術者ですが,室内環境学というキーワードで出来るだけわかりやすい解説をお願いしました。家政学を始め,看護・医療・福祉分野,保健学分野,建築分野の大学生,あるいは,室内環境に関する問題で困って(苦しんで)いる方,室内環境問題に取り組んでおられる方,などに利用していただければと考えています。読者にとっては,身近な話題もあれば初めて目にする,難しい話題もあると思われます。直接関係する,あるいは関心の深い章のみを読んでもらうといった利用法もありますが,直接関係しない章についても本書にかかれた内容を知ることで,今後の学生生活,職業選択に,また,私たちの生活する都市環境さらには地球環境にやさしく,そして健康にやさしい住まい方(望ましい室内環境),を考える助けになると考えます。次ページに,様々な分野の方々の参考になるよう,本書の上手な活用方法のいくつかを例示しました。
 本書では,室内環境を出来るだけ幅広い観点から取り上げるよう心がけましたが,カバーしきれていない分野,あるいは十分な掘り下げができていない分野,一方で,専門に入りすぎて理解が困難な記載もあるかと思われます。読者の忌憚のない意見をお寄せいただければ幸いです。
 2010年11月


目次

第1章 日常生活と室内環境
 1.1 衣食住から捉えた室内環境
 1.2 家政学の視点からみた室内環境学
第2章 化学物質と室内環境
 2.1 室内化学物質概論
 2.2 日用品からの化学物質
 2.3 化学物質の測定法
 2.4 室内化学物質の挙動
第3章 微生物を室内環境
 3.1 細菌
 3.2 真菌
 3.3 ウイルス
第4章 有害動物および愛玩動物と室内環境
 4.1 室内で発生する昆虫類
 4.2 室内塵性ダニ類
 4.3 家住性ネズミ
 4.4 室内で飼育される愛玩動物
第5章 物理的要素と室内環境
 5.1 音環境
 5.2 光環境
 5.3 温熱環境
 5.4 におい
 5.5 電磁波・放射線
第6章 環境デザインと室内環境
 6.1 環境配慮と省エネルギー
 6.2 知的生産性
 6.3 建材
 6.4 福祉・バリアフリー
第7章 健康影響と室内環境
 7.1 汚染物質
 7.2 室内環境にかかわる疾病—アレルギー,化学物質過敏症,シックハウス症候群—
 7.3 化学物質汚染の対策法
第8章 室内環境学の将来
 8.1 都市環境と室内環境
 8.2 地球環境と室内環境
 8.3 環境教育と室内環境
付録1 関連法規の検索法(ウェブサイト)
付録2 国際的な環境関連情報リンク一覧

索引


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