第2版 環境科学の基礎
価格:2,310円 (消費税:210円)
ISBN978-4-501-62600-6 C3040
奥付の初版発行年月:2011年01月 / 発売日:2011年01月下旬
科学的事項を重視する内容に改め、最近の環境問題に対するトピックを含めて全面改訂。左ページに本文、右ページに図表とした、見開き2ページで1項目を解説。 各項目は基本的に独立しているため、どの部分から読み始めても良いようにアレンジ。
まえがき(第2版の発行にあたって)
本書は,環境科学のエッセンスをわかりやすく解説したものである。
初版が発行されてから8年以上が経過し,地球温暖化のようにより深く理解できるようになった分野や酸性雨,ダイオキシン・環境ホルモンなどのように見直しがなされた分野もある。そこで,最近の環境問題の事情を反映するように書き換える必要が生じ,全面的に内容を改めたものが本書である。
初版と同様に,環境科学の基礎が分かるよう基本的な分野をできるだけ幅広く扱ったが,統計データや制度・法律は可能な限り削除し,科学的事項を重視することにした。本書の構成は初版と同様,左ページが本文,右ページがそれに対応する図表とする,2ページで1節のひとまとまりからできており,理解・整理しやすい形にしてある。各節の話は基本的に独立しているため,どの部分から読み始めても良いようにアレンジしてある。
執筆に際しては,内容に誤りがないようできるだけ注意を払ったが,勘違いや思わぬミスがあるかもしれない。読者諸賢のご叱正をを待つしだいである。
本書は多くの方のお力添えで書き上げることができた。とくに,元国立環境研究所NIESフェローの勝本正之氏には専門的な知識を教えていただいた。岡本由紀子氏には本書で追加・修正した多くのイラストや図表をすべて描いていただき,またレイアウトも考えていただいた。東京電機大学出版局の石沢岳彦氏には出版に際しお世話になった。ここに感謝の意を表する次第である。
2011年1月
岡本 博司
目次
第1章 人間と環境
1.1 私たちのルーツ
1.2 地球上での私たちの位置づけ
1.3 地球環境問題
1.4 気候と海流
第1章まとめ
第2章 地球の温暖化
2.1 温室効果と温室効果ガス
2.2 温室効果と大気の温度
2.3 温室効果ガスの赤外線吸収
2.4 温室効果ガス(1)
2.5 温室効果ガス(2)
2.6 大気中の二酸化炭素
2.7 大気中の二酸化炭素量に関する計算
2.8 気温の上昇
2.9 気温上昇の原因
2.10 地球温暖化による影響予測(1)
2.11 地球温暖化による影響予測(2)
2.12 地球温暖化による影響予測(3)
2.13 地球温暖化対策(1)
2.14 地球温暖化対策(2)
2.15 地球温暖化に関するトピックス
第2章まとめ
第3章 オゾン層破壊
3.1 オゾン層とオゾン
3.2 フロン
3.3 オゾンホール
3.4 オゾン層破壊による影響と国際的な取り組み
3.5 オゾン層破壊に関するトピックス
第3章まとめ
第4章 大気汚染
4.1 大気汚染と環境基準
4.2 自動車排気ガスの成分
4.3 光化学スモッグ
4.4 酸性雨
4.5 酸性雨の人体,建造物などへの影響
4.6 酸性雨の土壌・湖沼への影響
4.7 大気汚染の影響
4.8 硫黄酸化物・窒素酸化物の発生抑制対策(固定発生源)
4.9 硫黄酸化物・窒素酸化物の発生抑制対策(移動発生源)
4.10 大気汚染に関するトピックス
第4章 まとめ
第5章 エネルギーと環境
5.1 人間活動とエネルギー消費
5.2 太陽エネルギーと人間活動のエネルギーに関する計算
5.3 化石燃料
5.4 原子力エネルギー
5.5 太陽熱・太陽電池・水力発電
5.6 風力・地熱・潮汐発電
5.7 バイオマスエネルギー
5.8 エネルギーの効率的利用法
5.9 エネルギー変換の高効率化など
第5章まとめ
第6章 生態系
6.1 生態系
6.2 食物連鎖
6.3 生態系の遷移
6.4 生物の多様化と絶滅
6.5 森林の恩恵と森林伐採
6.6 森林と文明
6.7 生態系の実例
6.8 生態系に関するトピックス
第6章まとめ
第7章 生活環境
7.1 地球表層の水と海洋
7.2 自然と共生する河川と飲料水
7.3 ダイオキシン
7.4 環境ホルモン
7.5 農薬とリスク評価
7.6 有機農業と遺伝子組み換え作物
7.7 廃棄物と3R
7.8 リサイクル,LCA,ISO14001
7.9 身の回りの生活環境に関するトピックス
第7章まとめ
あとがき
引用文献・参考文献
索 引