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メタファー学のパラダイム

叢書・ウニベルシタス1146
メタファー学のパラダイム

四六判 346ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-588-01146-7 C1310
奥付の初版発行年月:2022年08月 / 発売日:2022年08月上旬

内容紹介

メタファー学とは、メタファーという観点から、哲学のみならず、神学・科学・文学・芸術などを横断的に叙述する新機軸の思想史である。その意図は、哲学の発生や人間の生の理解を根源的に考察しようとするところにある。概念的な規定とは一線を画した斬新な学知の光景がそこには広がっている。膨大な学殖に基づく知性の奔流を堪能し、その構想の全体像を俯瞰できる格好の案内書。

著者プロフィール

ハンス・ブルーメンベルク(ブルーメンベルク ハンス)

ハンス・ブルーメンベルク(Hans Blumenberg)
1920 年ドイツのリューベックに生まれる。母はユダヤ人で,戦争中ナチスの迫害を避け身を隠していた家の娘と結婚する。キール大学で教授資格を取得,同大学を皮切りに,ハンブルク,ギーセン,ボッフム,ミュンスターの各大学で教鞭をとる。〈詩学と解釈学〉グループ(ギーセン)の創立メンバー。96 年3 月,75 歳で死去。代表作『近代の正統性』で,〈世俗化〉としての近代という一般的に認められていた歴史理解に根本的な異議申し立てを行い,近代の起源を中世との機能的連関の中で明らかにした。また,現代の自己理解の前提としての啓蒙主義の啓蒙というみずからのプロジェクトを,『コペルニクス的宇宙の生成』(75*),『神話の変奏』(79*)でさらに深化させた。80年,ドイツ言語文芸アカデミーのG・フロイト賞を受賞。他に,『光の形而上学』(57, 朝日出版社),『テロルと遊び』(71 共著),『難破船』(79,哲学書房),『われわれが生きている現実』(81*),『世界の読解可能性』(81*),『トラキアの女の笑い』(87),『生活時間と世界時間』(86),『洞窟の出口』(88)などがある。(* は法政大学出版局で翻訳刊行)

村井 則夫(ムライ ノリオ)

1962 年生。上智大学大学院哲学研究科博士後期課程満期修了。博士(哲学)。明星大学教授(2013-2017 年),中央大学文学部教授(2017-2022 年)。
著書に『人文学の可能性―言語・歴史・形象』『解体と遡行―ハイデガーと形而上学の歴史』『ニーチェ―仮象の文献学』(以上,知泉書館),『ニーチェ―ツァラトゥストラの謎』(中央公論新社)。訳書にニーチェ『偶像の黄昏』『喜ばしき知恵』(河出書房新社),トラバント『人文主義の言語思想』(共訳,岩波書店),ベーム『図像の哲学』(共訳,法政大学出版局),ブルーメンベルク『われわれが生きている現実』,シュナイダース『理性への希望』,ブルーメンベルク『近代の正統性III』(以上,法政大学出版局)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論
第1章 「真理の力」の隠喩法
第2章 真理の隠喩法と認識の実効的機能
第3章 真理のイメージについての術語論的・メタファー学的横断面
第4章 「裸の」真理の隠喩法
第5章 「未知の土地」と「未完の宇宙」―近代的な世界経験のメタファー
第6章 背景隠喩法としての有機体と機械
第7章 神話と隠喩法
第8章 メタファーとその術語化―「真理らしさ」から「蓋然性へ」
第9章 宇宙論のメタファー化
第10章 幾何学のシンボルとメタファー
訳者梗概
訳者解題 思想史の愉悦
索引


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