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女子校制服の近代史セーラー服の誕生

セーラー服の誕生 女子校制服の近代史

A5判 400ページ 並製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-588-32607-3 C0021
奥付の初版発行年月:2021年12月 / 発売日:2021年12月上旬

内容紹介

明治政府は近代化の象徴として洋装を推奨したが、とくに女性のあいだでなかなか普及しなかった。それが大正末期から昭和にかけて、高等女学校のセーラー服として一気に拡がりをみせる。セーラー服の制服が生まれて百年。なぜ女学生たちはセーラー服にあこがれたのか。本書は、全国すべての高等女学校を調査した集大成。図版約100点、「全国高等女学校の洋式制服一覧」を付す。

著者プロフィール

刑部 芳則(オサカベ ヨシノリ)

1977年東京都生まれ。中央大学大学院博士後期課程修了。博士(史学)。中央大学文学部日本史学専攻兼任講師を経て,現在は日本大学商学部准教授。専門は日本近代史。
2018年度のNHK大河ドラマ「西郷どん」軍装・洋装考証。2020年度のNHK連続小説ドラマ「エール」風俗考証を担当。「武田鉄矢の昭和は輝いていた」(BSテレ東)などテレビ出演多数。
主要著作に
『洋服・散髪・脱刀』(講談社選書メチエ,2010年)
『明治国家の服制と華族』(吉川弘文館,2012年)日本風俗史学会江馬賞受賞
『京都に残った公家たち』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー,2014年)
『三条実美』(吉川弘文館,2016年)
『帝国日本の大礼服』(法政大学出版局,2016年)
『公家たちの幕末維新』(中公新書,2018年)
『古関裕而』(中公新書,2019年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに セーラー服誕生百年 女子生徒の服装観と人気の理由

序章 魅力的なセーラー服
福岡女学院・平安女学院・金城学院:セーラー服の起源/女子学習院と東京女学館:お嬢様学校の象徴/東京女子師範学校附属高等女学校:エリート女性の誇り

第一章 体操服と改良服
セーラー服の起源/服装改善運動の展開/洋服を採用する高等女学校/関東大震災の影響という創られた神話

第二章 服育としての効果
上級生と下級生の心の絆/セーラー服を着る条件

第三章 セーラー服の三都と三港
東京府/京都府/大阪府/神奈川県/兵庫県/長崎県

第四章 セーラー服に統一を図った県
福岡県/愛知県/山口県/広島県/群馬県/宮城県/栃木県/富山県/静岡県/岡山県

第五章 洋式の制服の統一を嫌う県と制定が遅れる県
統一を嫌う山形県と新潟県/洋式の制服の制定が遅れる長野県

第六章 全国のセーラー服の状況と個性
最北端と最南端の制服事情/東北地方の制服/関東地方の制服/中部地方の制服/近畿地方の制服/中国地方の制服/四国地方の制服/九州地方の制服

第七章 個性の強いミッション系
姉妹校ではない制服のつながり/セーラー服を着たがる生徒たち/自由を重視する校風と華美の抑止を求める声/姉妹校の関係性

第八章 日中戦争とアジア・太平洋戦争下のセーラー服

終章 セーラー服が誕生した意味

資料 全国高等女学校の洋式制服一覧


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