子どもの医療と生命倫理 [第2版] 資料で読む
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-588-67515-7 C1036
奥付の初版発行年月:2012年04月 / 発売日:2012年04月上旬
子どもの生命と健康と権利を守る医療・保健の現状はどうなっているか。どのような問題・課題があるか。乳幼児健診・予防接種・学校保健・インターセックス・遺伝子検査・新生児医療・治療拒否とネグレクト・脳死と臓器移植・ターミナル期のケア等々にわたる現状と課題について、国際的文書・法律・ガイドライン・提言・論文・調査報告など基本となる最新資料に基づき解説する。
玉井 真理子(タマイ マリコ)
信州大学医学部/心理学・生命倫理学
永水 裕子(ナガミズ ユウコ)
桃山学院大学法学部/民法・医事法
横野 恵(ヨコノ メグム)
早稲田大学社会科学総合学術院/医事法・英米法
上記内容は本書刊行時のものです。[執筆者一覧]*印は編者
玉井 真理子(タマイ マリコ)*
永水 裕子(ナガミズ ユウコ)*
横野 恵(ヨコノ メグム)*
村松 哲夫(ムラマツ テツオ) 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程/倫理学・生命倫理学
李 永淑(リ ヨンスク) 明治学院大学ボランティアセンター/人間科学・ボランティア論
加藤 忠明(カトウ タダアキ) 国立成育医療研究センター成育政策科学研究部/小児慢性疾患・小児保健
柳澤 理子(ヤナギサワ サトコ) 愛知県立大学看護学部/地域・在宅看護学,国際看護学
古庄知己(コショウ トモキ) 信州大学医学部/小児科学・臨床遺伝学
松本 充郎(マツモト ミツオ) 大阪大学法学部/行政法・環境法・法哲学
平野 美紀(ヒラノ ミキ) 香川大学法学部/刑事法・医事法
保条 成宏(ホウジョウ マサヒロ) 福岡教育大学教育学部/刑事法・医事法
加藤 太喜子(カトウ タキコ) 岐阜医療科学大学保健科学部/生命倫理学
東 優子(ヒガシ ユウコ) 大阪府立大学地域保健学域教育福祉学類/ソーシャルワー・性科学
谷口 洋幸(タニグチ ヒロユキ) 高岡法科大学法学部/国際人権法学・ジェンダー法学
鈴木 利廣(スズキ トシヒロ) すずかけ法律事務所・弁護士/医事法
蒔田 芳男(マキタ ヨシオ) 旭川医科大学教育センター/医学教育・小児科学・人類遺伝学
山中 美智子(ヤマナカ ミチコ) 聖路加国際病院女性総合診療部/産婦人科学(周産期)・臨床遺伝学
野崎 亜紀子(ノザキ アキコ) 広島市立大学国際学部/法哲学
加部 一彦(カベ カズヒコ) 恩賜財団母子愛育会愛育病院新生児科/新生児学
左合 治彦(サゴウ ハルヒコ) 国立成育医療研究センター周産期センター/産婦人科学(周産期)・臨床遺伝学
掛江 直子(カケエ ナオコ) 国立成育医療研究センター/生命倫理学
千葉 華月(チバ カヅキ) 北海学園大学法学部/民法・医事法
粟屋 剛(アワヤ ツヨシ) 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科/生命倫理学・医事法
中山 茂樹(ナカヤマ シゲキ) 京都産業大学法科大学院/憲法学
河原 直人(カワハラ ナオト) 早稲田大学生命医療工学研究所/生命倫理学・公衆衛生学
桂川 純子(カツラガワ ジュンコ) 元・日本赤十字豊田看護大学看護学部/基礎看護学・看護倫理・新生児看護学
鈴木 泰子(スズキ ヤスコ) 信州大学医学部/小児看護学
猪狩 恵美子(イカリ エミコ) 福岡教育大学教育学部/特別支援教育(病弱教育)
阪口 しげ子(サカグチ シゲコ) 信州大学医学部/小児看護学
目次
第2版まえがき
はじめに
第1章 医療と子どもの権利をめぐる国際的文書
1 「児童の権利に関する条約」
──子どもの医療を受ける権利との関係で
2 世界医師会「ヘルスケアに対する子どもの権利に関するWMA オタワ宣言」
3 国際看護師協会「所信声明『児童の権利』」
資料1-1:「児童の権利に関する条約」(抜粋)
資料1-2a:世界医師会「ヘルスケアに対する子どもの権利に関するWMA オタワ宣言」
資料1-2b:世界医師会「子どもの健康に関するWMA オタワ宣言」
資料1-3:ICN 所信声明「児童の権利」
資料1-4:日本看護協会「小児看護領域で特に留意すべき子どもの権利と必要な看護行為」
第2章 乳幼児健診・予防接種・学校保健
1 母子保健
2 感染症と予防接種
3 学校保健
4 予防接種禍および予防接種禍集団訴訟
5 予防接種禍東京集団訴訟および予防接種法改正
6 本章のまとめと今後の課題
資料2-1:「母子保健法」(抜粋)
資料2-2:「予防接種法」(抜粋)
資料2-3:「学校保健安全法」(抜粋)
資料2-4:予防接種禍東京集団訴訟控訴審判決(抜粋)
第3章 インターセックスの子どもたち
1 インターセックスとは何か
2 医療マネージメントをめぐる倫理的問題
3 インターセックスの子どもと法律
資料3-1:北米インターセックス協会「発現頻度:インターセックスの状態はどの程度みられるものか?」(抜粋)
資料3-2:ミルトン・ダイアモンド,キース・シグムンソン「曖昧な性器をもつ人々に対応するためのインターセクシュアリティ・マネージメントのガイドライン」
資料3-3:〔性別欄空白の出生届受理に関する〕昭和35年5月25日民二発210 号法務省民事局第二課長回答(抜粋)
資料3-4:〔インターセックスの戸籍訂正に関する〕札幌高等裁判所平元(ラ)17 号平3・3・13 決定(抜粋)
第4章 子どもの遺伝子検査
1 子どもの遺伝子検査に関する各国のルール
2 子どもの遺伝子検査に関する国内のルール
3 インフォームド・コンセントの内実に迫るアプローチ
資料4-1:アメリカ人類遺伝学会理事会とアメリカ遺伝医学会理事会「考慮すべき点:子どもや青年における遺伝子検査の倫理的,法律的,心理社会的な意味」
資料4-2:アメリカ小児科学会倫理問題に関する委員会「小児科領域での遺伝子検査をめぐる倫理的問題」(抜粋)
資料4-3:科学技術会議生命倫理委員会「ヒトゲノム研究に関する基本原則」(抜粋)
資料4-4:文部科学省・厚生労働省・経済産業省「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(抜粋)
資料4-5:遺伝関連10 学会「遺伝学的検査に関するガイドライン」(抜粋)
資料4-6:日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(抜粋)
第5章 新生児医療──ガイドライン作成の過程
1 新生児医療の方向性模索の経緯
2 環境整備型ガイドラインのゆくえ
3 ガイドライン後の状況と検討課題
資料5-1:レイモンド・ダフ「危篤あるいは重症の患者のケアを決定するためのガイドライン」(抜粋)
資料5-2:東京女子医科大学母子総合医療センター(仁志田博司ほか)「新生児医療における倫理的観点からの意志決定(Medical Decision Making)」(抜粋)
資料5-3:「責任ある新生児救命救急ケア実施のためのガイドライン」(抜粋)
資料5-4:〔重症障害新生児の治療に関するアンケート〕
資料5-5:「重篤な疾患を持つ新生児の家族と医療スタッフの話し合いのガイドライン」
資料5-6:「重篤な疾患を持つ新生児の医療をめぐる話し合いのガイドライン」の実用可能性に関する検討(抜粋)
資料5-7:日本医師会第IX 次生命倫理懇談会「平成16・17 年度『ふたたび終末期医療について』の報告」(抜粋)
第6章 親による治療拒否・医療ネグレクト
1 子どもの医療への親の同意権
2 川崎事件
3 輸血拒否への対応に関するガイドライン
4 治療拒否への法的対応
5 今後の展望
資料6-1:「輸血拒否,事故の愛児失う 川崎 信仰上の理由から病院に決意書 『生きたい』と坊や」
資料6-2:宗教的輸血拒否に関する合同委員会「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」(抜粋)
資料6-3:東京都立病院倫理委員会報告「宗教上の理由による輸血拒否への対応について」(抜粋)
資料6-4:「子の手術拒否 親権停止 児童相談所が請求家裁認める 『心臓病で命危険』」(抜粋)
資料6-5:親の手術同意拒否に対する審判例(要旨)
資料6-6:関連する法律の規定(改正前後)
第7章 脳死・臓器移植と子ども
1 臓器移植法と子ども
2 臓器移植法改正論議
3 子どもの脳死
4 小児臓器移植の法的課題
資料7-1:「臓器の移植に関する法律」(改正前,抜粋)
資料7-2:「臓器の移植に関する法律」(改正後,抜粋)
資料7-3:町野朔ほか「臓器移植の法的事項に関する研究(1)──特に『小児臓器移植』に向けての法改正のあり方」
資料7-4:森岡正博・杉本健郎「子どもの意思表示を前提とする臓器移植法改正案の提言」
資料7-5:日本小児科学会小児脳死臓器移植検討委員会・日本小児科学会「小児脳死臓器移植はどうあるべきか」(抜粋)
資料7-6:「『臓器移植に関する法律』の運用に関する指針(ガイドライン)」(抜粋)
資料7-7:日本弁護士連合会「臓器移植法の見直しに関する意見書」(抜粋)
第8章 ターミナル期を迎える子どものケア
1 子どもにおける「ターミナル」
2 「告知」一般の問題
3 子どもへの告知
4 子どもにとっての告知
5 ターミナル期を迎える子どものケアに際しての基本姿勢
6 トータルケアという視点
7 子どもとの長期的・多面的なかかわり
資料8-1:がんの子供を守る会「診断時のコミュニケーションのためのガイドライン」
資料8-2:WHO「〔子どもへの〕緩和ケア〔の解説〕」
資料8-3:WHO「〔子どもを対象とした〕スピリチュアルケア〔についての指針〕」
資料8-4:がんの子供を守る会「ターミナルケアのガイドライン」
資料8-5:がんの子供を守る会「ターミナルの子どもの教育」
資料8-6:WHO「〔小児がん患児の〕痛みのコントロールにおける倫理的な考慮」
資料8-7:アメリカ小児科学会「子どもへの緩和ケア〔勧告〕」
資料8-8: がんの子供を守る会『この子のためにできること緩和ケアのガイドライン』
資料8-9: がんの子供を守る会「長期生存者のケアのためのガイドライン」
資料8-10: 医療の枠を越えたサポート
付表 日本小児総合医療施設協議会会員施設一覧
Column 1 「病院のこども憲章」
Column 2 小児科学の歴史
Column 3 小児慢性特定疾患治療研究事業
Column 4 開発途上国の子どもを取り巻く諸問題
Column 5 サリドマイド/薬害と子ども
Column 6 陣痛促進剤被害
Column 7 ADD/ADHD と薬物療法
Column 8 子どもへの人工内耳手術
Column 9 子どもとHIV/AIDS
Column 10 生殖補助技術と子ども
Column 11 新生児マススクリーニングと生命保険
Column 12 着床前診断と子ども
Column 13 乳幼児突然死症候群をめぐる「混乱」と今後
Column 14 胎児治療
Column 15 代理によるミュンヒハウゼン症候群
Column 16 子どもと臓器売買
Column 17 子どもと造血幹細胞移植
Column 18 子どもと生体間臓器移植
Column 19 病弱児教育・院内教育
Column 20 チャイルド・ライフ・スペシャリストと医療保育士
索引
あとがき
第2 版あとがき
編者・執筆者紹介