グループ・インタビューの技法
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-7664-0729-7(4-7664-0729-6) C3036
奥付の初版発行年月:1999年02月
米国で一般的な社会調査法の一つであるグループ・インタビューを、教育・心理学・マーケティング、コミュニケーション等への応用に主眼をおき、理念・準備・実施から分析までを具体的に解説する。
著者紹介
S・ヴォーン(Sharon Vaughn)
マイアミ大学学習科及び心理学科教授
主な研究テーマは、学習障害児の社会的機能や学習障害児への教師の適応。アリゾナ大学Ph. D.。
J・S・シューム(Jeanne Shay Schumm)
マイアミ大学学習科準教授
主な研究テーマは、一般教育の教育方法や学習障害児に対する読字教育への教師の適応。マイアミ大学Ph. D.。
J・シナグプ
教育学修士。マイアミ大学博士課程で相談心理学を専攻。School of Education Office of School-Based Researchで研究助手を務める。
主な関心は、人間の発達、とりわけ成熟に及ぼす社会的影響。学校における自己概念の強化の方法や女子の初等・中等教育での学習参加の妨害要因を研究。
訳者紹介
井下理(いのした おさむ)
慶應義塾大学総合政策学部教授
1949年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学M. A. (シカゴ大学)。専攻は社会心理学、教育心理学。マーケティング・コミュニケーション。著書に『異文化間教育研究入門』(共著)、『ソーシャル・マーケティング』(共訳)。
田部井潤(たべい じゅん)
浜松大学国際経済学部助教授
1961年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。教育学博士。専門は教育社会学、教育のマーケティング論。著書に『きらめきの星』(共著)。
柴原宜幸(しばはら よしゆき)
日本橋学館大学人文経営学部助教授
1960年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。教育学修士。専門は発達心理学。著書に『乳幼児発達心理学』(共著)、『心の発達と教育の心理学』他。
前田洋士(まえだ ひろし)
国際基督教大学大学院教育学研究科博士課程
1966年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。教育学修士。専門は教育心理学、認知心理学、特に人の思考・感情の個人差を研究。著書に『共に学ぶ道徳教育』(共著)。
中村真澄(なかむら ますみ)
元慶應義塾看護短期大学専任講師
1957年生まれ。青山学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了。教育学修士。専門は基礎看護学。対人コミュニケーション論、看護記録と看護過程について研究。著書に『新版看護学全書14 基礎看護学2』(共著)、訳書に『看護診断に必要なヘルスアセスメント』(共訳)他。1999年5月、逝去。
目次
第1章 フォーカス・グループ・インタビューとは何か
フォーカス・グループ・インタビューの背景
歴史的な概観
定義
ビジネス、マーケティング、コミュニケーション、健康科学における適用
第2章 なぜ教育・心理学研究でフォーカス・グループ・インタビューを適用するのか
第1の理由:フォーカス・グループ・インタビューの多様性と有用性
第2の理由:質的研究パラダイムとの適合性
第3の理由:参加者との直接的な接触機会
第4の理由:データ収集における優位性
第5の理由:研究ツールとしての実用性
第3章 教育・心理学研究への応用
3つの基本的アプローチ
フォーカス・グループ・インタビューの適用について
政策の発展、プログラム、実行への適用
フォーカス・グループ・インタビューに最適な質問
第4章 フォーカス・グループの準備
目的の確立
司会者の手引
フォーカス・グループの数、時間、大きさ及びそのセッティング
第5章 参加者の選定
標本抽出計画の開発
標本抽出のための基準の確立
参加者の募集
参加者を迎える準備
第6勝 司会者の役割
フォーカス・グループ・インタビュー内での司会者の役割
効果的な司会をすることが出来るための資質性
司会者の陥りやすい落とし穴
司会者のトレーニング
司会者のアシスタント
第7章 データ分析
質的データ分析
参加者とグループの特性記述
データ分析に先立って考慮すること
分析の方法
データ分析のためのコンピュータの利用
第8章 フォーカス・グループ・インタビュー実施手順
第1段階:全般的な目的の記述
第2段階:司会者の選定
第3段階:研究目的の精選
第4段階:参加者の選定
第5段階:フォーカス・グループ・インタビューのグループ数の決定
第6段階:フォーカス・グループ・インタビューを行う施設の手配
第7段階:インタビュー手引の作成
第8段階:フォーカス・グループ・インタビューの実施
第9段階:フォーカス・グループ・インタビューにおけるデータの分析
第9章 青少年に対するフォーカス・グループの適用方法
青少年の対象者を必要とするような教育学や心理学における研究上の問題
フォーカス・グループ・インタビューへの参加者の年齢制限
グループの特徴
青少年に働きかけるときの設備上の考慮店
司会者の手引
フォーカス・グループ・インタビューの開始
親/養育者の役割
倫理的な考慮
第10章 フォーカス・グループ・インタビューの誤用を避けるために
フォーカス・グループ・インタビューを実行する前の見えない誤用
フォーカス・グループ・インタビューを実行する際の見えない誤用
フォーカス・グループ・インタビューを実行した後の見えない誤用
参考文献
著書索引
訳者による参考文献リスト
訳者あとがき