新記号論叢書[セミオトポス]3
溶解する<大学>
B7 216ページ 並製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-1256-7(4-7664-1256-7) C3310
奥付の初版発行年月:2006年05月 / 発売日:2006年05月上旬
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-1256-7(4-7664-1256-7) C3310
奥付の初版発行年月:2006年05月 / 発売日:2006年05月上旬
内容紹介
「スキマ」としての大学。
独立行政法人化、大学改革を経て、大学はどこに行くのか?
阿部卓也(あべ たくや)
一九七八年生まれ。現在、東京大学大学院情報学環研究拠点形成リサーチアシスタント。専門は情報記号論、デザイン論。論文には「漢字デザインの形態論」(「TAKEO 2005 デザイン史研究論文・デザイン評論」にて優秀賞授賞)など。現在、東京大学大学院情報学環で推進中のハイパーメディア型理論ツール制作プロジェクト「テレビ分析の〈知恵の木〉」の、システムデザインに取り組んでいる。http://www.nulptyx.com/chienoki/
内田樹(うちだ たつる)
一九五〇年生まれ。現在、神戸女学院大学教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。著書には、『レヴィナスと愛の現象学』(せりか書房、二〇〇一)、『他者と死者』(海鳥社、二〇〇四)、『ためらいの倫理学』(角川文庫、二〇〇三)、『映画の構造分析』(晶文社、二〇〇三)、『街場のアメリカ論』(NTT出版、二〇〇五)などがある。
金子郁容(かねこ いくよう)
一九四八年生まれ。現在、慶應義塾大学政策・メディア研究科教授。専門は、ネットワーク論、ソーシャルイノベーション、教育改革。著書には、『ボランタリー経済の誕生』(実業之日本、一九九八<共著>)『コミュニティ・ スクール構想』(岩波書店、二〇〇〇<共著>『学校評価』(筑摩新書、二〇〇五)などがある。
木戸敏郎(きど としろう)
一九三〇年生まれ。現在、京都造形芸術大学教授。演出家・音楽ディレクター。専門は音楽、芸術評論。著書には『古代楽器の復元』(音楽之友社、一九九四)などがある。中島健蔵音楽賞、クラウス・ヴァックスマン賞(アメリカ)受賞。二〇〇五年、古代エジプトのアンギュラーハープを復元・発表し、現在は古代ギリシアのアンギュラーハープの復元に取り組んでいる。
榑沼範久(くれぬま のりひさ)
一九六八年生まれ。現在、横浜国立大学教育人間科学部メディア研究講座助教授。専門は知覚・感覚文化論、表象文化論。『10+1』(INAX出版)に「視覚の身体文化学」連載(二〇〇四 no.36〜二〇〇五 no.39)。著書には『表象のディスクール4 イメージ——不可視なるものの強度』(東京大学出版会、二〇〇〇〈共著〉)、『身体医文化論——感覚と欲望』(慶應義塾大学出版会、二〇〇二〈共著〉)、『運動+(反)成長——身体医文化論II』(慶應義塾大学出版会、二〇〇三〈共編著〉)、『近代日本の身体感覚』(青弓社、二〇〇四〈共著〉)などがある。
小林哲夫(こばやし てつお)
一九六〇年生まれ。フリー編集者、記者。成蹊大学国際教育センター非常勤講師。 教育、社会問題を中心に総合誌などに執筆。朝日新聞社出版社本部「大学ランキング」編集部(一九九四年〜)。著書に『飛び入学』(日本経済新聞社、一九九九)、 『理系就職転職白書』(丸善、二〇〇五)。名古屋大学高等教育研究センター客員助教授(一九九九年)。広島大学高等教育開発センター(一九九九〜二〇〇一年)
島本浣(しまもと かん)
一九四七年生まれ。現在、京都精華大学芸術学部教授。専門は西洋美術史、美術批評史。著書には『絵画の探偵術』(昭和堂、一九九五〈編著〉)、『美術史と他者』(晃洋書房、二〇〇〇〈編著〉)、『美術カタログ論——記録・記憶・言説』(三元社、二〇〇五)など。現在は「美術全集」の研究に取り組んでいる。
外山知徳(とやま とものり)
一九四二年生まれ。現在、静岡大学教育学部教授。専門は建築計画学、住居学。著書には『住まいの家族学』(丸善、一九八五)、『新・住居学[改訂版]』(ミネルヴァ書房、一九八九初版、二〇〇五改訂版〈共著〉)、『家族援助を問い直す』(同文書院、二〇〇四〈共著〉)などがある。
西兼志(にし けんじ)
一九七二年生まれ。現在、東京大学大学院情報学環研究拠点形成特任研究員。専門はコミュニケーション学。論文には「フーコーとメディア」(『現代思想 特集フーコー』青土社、二〇〇三)などがある。
西垣通(にしがき とおる)
一九四八年生まれ。現在、東京大学大学院情報学環教授。専門は情報学、メディア論。著書には『基礎情報学』(NTT出版、二〇〇四)、『アメリカの階梯』(講談社、二〇〇四)、『情報学的転回』(春秋社、二〇〇五)などがある。
松本明子(まつもと あきこ)
一九七一年生まれ。現在、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程。専門は言語哲学、レトリック、記号論。論文には「〈記号〉対〈記号〉の不協和音から人間が感得するもの〜ルネ・マグリットの作品を題材に〜」(『言語 コミュニケーション 文化』一、二〇〇四、関西学院大学言語コミュニケーション文化学会)、「〈意識〉研究の最近の動向について」(『年報 人間科学』二六、二〇〇五、大阪大学人間科学研究科)などがある。また「魅力ある大学院教育」イニシアティブのフィールドワーク支援基金を受けて、二〇〇六年二〜三月にスペイン各地でフラメンコの調査研究を行った。
松本健太郎(まつもと けんたろう)
一九七四年生まれ。現在、中部大学他で非常勤講師。専門は文化記号論、コミュニケーション論。論文には、「言語活動の終焉に向かって——ロラン・バルトの記号論的テクストにおける視覚関係の変遷」(『映像学』第六九号、日本映像学会、二〇〇二)「ロラン・バルトの写真論における言語批判的要素について」(『記号学研究』第二三号、日本記号学会、二〇〇三)などがある。
水島久光(みずしま ひさみつ)
一九六一年生まれ。旭通信社、インフォシーク、社団法人日本広告主協会・Web広告研究会を経て、現在、東海大学助教授。専門は、メディア論、情報記号論。主な論文に「情報バラエティのダイクシスとアドレス」(『社会の言語態』、東京大学出版会、二〇〇二)、「メディアと公共性の原理の現在」(『マス・コミュニケーション研究』、日本マス・コミュニケーション学会、二〇〇四)。単著としては『閉じつつ開かれる世界』(勁草書房、二〇〇四)などがある。
室井尚(むろい ひさし)
一九五五年生まれ。現在、横浜国立大学教授。専門は情報文化論、美学、記号論。著書には『情報宇宙論』(岩波書店、一九九一)、『情報と生命』(新曜社、一九九三〈吉岡洋と共著〉)、『巨大バッタの奇蹟』(アートン、二〇〇五)、『教室を路地に! ——横浜国大vs紅テント二七三九日——』(岩波書店、二〇〇五)などがある。
吉岡洋(よしおか ひろし)
一九五六年生まれ。現在、情報科学芸術大学院大学教授。批評誌『ダイアテキスト』一〜八巻(京都芸術センター刊、二〇〇〇〜二〇〇三)編集長、「京都ビエンナーレ2003」総合ディレクター。専門は美学、現代思想。著書には『「思想」の現在形』(講談社選書メチエ、一九九七)、訳書にはマーク・ポスター著『情報様式論』(岩波現代文庫、二〇〇一〈共訳〉)などがある。
目次
I グローバリゼーションと知の変質
大学の溶解、文化の自殺 吉岡洋
グローバル化と大学知の危機
——『アメリカの階梯』を通して 西垣通
II 大学〈改革〉を越えて
大学の未来
——新たな改革モデルを求めて 内田樹、金子郁容、室井尚 司会・吉岡洋
III 大学の〈今〉を語る
混乱をめぐる記号の消費 外山知徳
大学と実践——「危機」の本質とその脱出口 水島久光
<溶解する大学>の現状・断章 榑沼範久
大学の匂い 島本浣
IV 〈大学〉は何処へ行くのか
大学人が語る大学の傾向 小林哲夫、吉岡洋
V 記号論の諸層
パース記号論によるフラメンコ分析の試み 松本明子
〈顔〉の記号論の可能性——メディオロジー的接近の試み 西兼志
“パンドラの壷”の中味
——ソシュールの『一般言語学講義』に準拠して「東大寺献物帳」を解読する 木戸敏郎
研究ノート 情報デザインとしての字形論のための覚え書き 阿部卓也
研究ノート 二つの「延長」概念からみた人間観
——丸山圭三郎の記号学を起点として—— 松本健太郎
日本記号学会第二五回大会について
あとがき 吉岡洋
執筆者紹介
日本記号学会設立趣意書