叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態17
EU統合の軌跡とベクトル トランスナショナルな政治社会秩序形成への模索
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-7664-1327-4(4-7664-1327-X) C3331
奥付の初版発行年月:2006年11月 / 発売日:2006年11月上旬
・ヨーロッパ統合は、多様性を前提としつつ、どのような方向へ進もうとしているのか?
加盟国の政治・社会・経済は、今後のさらなる拡大に対応できるのか?
拡大の途上において岐路に立つEUの、これまでの地域統合への軌跡と将来像を明らかにする。
・「EU統合のこれまでのモメンタム(動機)とは何であったのか」(第一部)、「各分野の政策において、どのようなEU-国家-市民の関係が存在するのか」(第二部)、「英独仏の対EU政策とは」(第三部)、「EUの対外関係」(第四部)の観点から、転換点を迎えつつある、EUのこれまでの軌跡と今後の課題を探る。日本でのEU研究における最高水準の執筆者が各章を担当。
・ヨーロッパ地域研究、EU研究の大学講義テキストとしても最適の一冊。
田中俊郎(たなか としろう)<編著者>
慶應義塾大学法学部教授、ジャン・モネ・チェア。アジア太平洋EU学会(EUSA Asia-Pacific)会長。
1975年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
主要著作に、『EUの政治』(岩波書店、1998年)、『EU入門』(共編著)(有斐閣、2000年)、『ヨーロッパ統合』(監修)(創元社、2005年)、『EUと市民』(共編著)(慶應義塾大学出版会、2005年)など。
庄司克宏(しょうじ かつひろ)<編著者>
慶應義塾大学大学院法務研究科教授、ジャン・モネ・チェア。
1990年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
主要著作に、『EU法 基礎篇』(岩波書店、2003年)、『EU法 政策篇』(岩波書店、2003年)、『EUと市民』(共編著)(慶應義塾大学出版会、2005年)、『国際機構』(編著)(岩波書店、2006年)など。
浅見政江(あさみ まさえ)
東京国際大学国際関係学部講師。
1997年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
主要著作に、『EU入門』(共著)(有斐閣、2000年)、『新国際関係論』(共著)(東洋経済新報社、2005年)、『EUと市民』(共著)(慶應義塾大学出版会、2005年)など。
東野篤子(ひがしの あつこ)
広島市立大学国際学部講師。
2005年、英国バーミンガム大学Ph.D.(政治学)。
主要著作に、""""The Role of Security Discourses in the Eastern Enlargement of the European Union"""", (Ph.D. Thesis, University of Birmingham ,2005), """"For the sake of peace and security? The role of security concerns in the EU enlargement eastwards"""" Cooperation and Conflict(Vol.29, No.4, 2004), 「EU拡大のダイナミズム—加盟交渉終結への道、2000−2002年」『日本EU学会年報』(第24号、2004年)、『ヨーロッパの東方拡大』(共著)(岩波書店、2006年)など。
羽場久美子(はば くみこ)
法政大学社会学部教授。ジャン・モネ・チェア。
1983年、津田塾大学大学院国際関係学研究科修了、学術博士(国際関係学)。
主要著作に、『拡大するヨーロッパ』(岩波書店、1998年)、『新しいヨーロッパ』(編著)(日本国際政治学会、2005年)、『ヨーロッパの東方拡大』(共編著)(岩波書店、2006年)など。
嘉治佐保子(かじ さほこ)
慶應義塾大学経済学部教授。
1992年、米国ジョンズ・ホプキンス大学 Ph.D.(経済学)。
主要著作に、""""Successful Structural Reforms after EMU"""", Journal of the Japanese and International Economies(12, 1998, pp.507-534), “What Can Countries do to Avoid a Financial Crisis?”, World Economy(vol.24, No.4, April 2001, p.567-589), “Economie: la decennie perdue, Japon: la reforme est-elle possible?,” Politique Etrangere (vo.1, 2002, pp. 67-90), 『国際通貨体制の経済学』(日本経済新聞社、2004年)など。
鈴木一人(すずき かずと)
筑波大学大学院人文社会科学研究科助教授。
2000年、英国サセックス大学ヨーロッパ研究所博士課程修了、Ph.D(現代ヨーロッパ学)。
主要著作に、Policy Logics and Institutions of European Space Collaboration, (Aldershot: Ashgate Publishers, 2003)、「欧州における軍民両用技術開発と安全保障貿易管理」『国際安全保障』(第32巻第2号、2004年)、『国際関係の中の拡大EU』(共著)(信山社、2005年)、『帝国論』(共著)(講談社、2006年)など。
譲原瑞枝(ゆずりはら みずえ)
慶應義塾大学21COE多文化市民意識研究センター研究員。
2004年、英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスPh.D.。
主要著作に、""""The Cultural Policies of the European Union: Problems and Prospects for Cultural Integration"""", Ph. D thesis, University of London, 2004, """"Unity in Diversity? The Politics of Culture in the European Union"""" Journal of Political Science and Sociology (no. 4, 2005).など。
森井裕一(もりい ゆういち)
東京大学大学院総合文化研究科助教授。
1994年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。
主要著作に、『Cooperation Experiences in Europe and Asia』(共編著)(信山社、2004年)、『ヨーロッパ統合と国際関係』(共著)(日本経済評論社、2005年)、『国際関係の中の拡大EU』(編著)(信山社、2005年)、「ドイツ外交における同盟と統合−シュレーダー政権を中心として」『国際政治』(第140号, 2005年)など。
上原良子(うえはら よしこ)
フェリス女学院大学国際交流学部助教授。
1996年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
主要著作に、「『ヨーロッパ文化』と欧州審議会の成立」『国際政治』(第129号、2002年)、『浸透するアメリカ/拒まれるアメリカ』(共著)(東京大学出版会、2003年)、『国際関係の中の拡大EU』(共著)(信山社、2005年)、『ヨーロッパ統合と国際関係』(共著)(日本経済評論社、2005年)など。
細谷雄一(ほそや ゆういち)
慶應義塾大学法学部助教授。
2000年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。
主要著作に、『戦後国際秩序とイギリス外交』(創文社、2001年)、『ヨーロッパ国際関係史』(共著)(有斐閣、2002年)、『外交による平和』(有斐閣、2005年)、『大英帝国の外交官』(筑摩書房、2005年)など。
田口雅弘(たぐち まさひろ)
岡山大学大学院社会文化科学研究科助教授。
1988年、京都大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(経済学)。
主要著作に、『経済システム転換と労働市場の展開』(共著)(日本評論社、1999年)、""""Japanese Approach to the Transition Economics"""" in Grzegorz W. Kolodko (ed.)Emerging Market Economies: Globalization and Development.(Aldershot: Ashgate Publishing, 2003)、『ポーランド体制転換論』(御茶の水書房、2005年)、など。
広瀬佳一(ひろせ よしかず)
防衛大学校人文社会科学群教授。
1989年、筑波大学大学院博士課程社会科学研究科単位取得退学。博士(法学)。
主要業績に、『ヨーロッパ分断1943』(中央公論社、1994年)、『ヨーロッパ国際関係史』(共著)(有斐閣、2002年)、『冷戦史』(編著)(同文館出版、2003年)、『ヨーロッパの東方拡大』(共著)(岩波書店、2006年)など。
Julie Gilson(ジュリー・ギルソン)
英国バーミンガム大学 Department of Political Science and International Studies, Senior Lecturer.
1996年、英国シェフィールド大学 Ph.D.
主要業績に、(単著)Asia Meets Europe: Inter-Regionalism and the Asia-Europe Meeting(Edward Elgar, 2002)(共著)、Japan's International Relations: Politics, Economics and Security (2nd Edition) (Routledge, 2005)。
鶴岡路人(つるおか みちと)
英国ロンドン大学キングス・カレッジ(Ph.D. Candidate)。
2004年、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位修得退学。
主要著作に、「ドイツ統一問題の再浮上と加速化」『法学政治学論究』(慶應義塾大学)第49号(2001年6月)、「ヨーロッパ通貨統合への道」『日本EU学会年報』第22号(2002年)、「国際政治におけるパワーとしてのEU」『国際政治』第142号(2005年8月)、「歴史の中の日欧政治関係」『外交フォーラム』(2006年5月号)、など。
目次
第1部 EU統合のモメンタム
第1章 域内市場白書と単一欧州議定書——EU統合史の分岐点(田中俊郎)
第2章 EU統合と民主主義——「やっかいな政体」の「やっかいな民主主義」(浅見政江)
第3章 EU統合と拡大(東野篤子)
第4章 EU統合とナショナリズム——グローバル化と「民主化」の帰結(羽場久美子)
第2部 EUと政策
第5章 EU域内市場政策——相互承認と規制権限の配分(庄司克宏)
第6章 EUの経済政策(嘉治佐保子)
第7章 EUの宇宙政策への展開——制度ライフサイクル論による分析(鈴木一人)
第8章 EUの文化政策——EUにおける「文化」言説と政策(譲原瑞枝)
第3部 大国とEU
第9章 ドイツとEU——EUにおける独仏関係(ドイツの視点)(森井裕一)
第10章 フランスとEU——EUにおける仏独関係(フランスの視点)(上原良子)
第11章 イギリスとEU——独仏枢軸との関係を軸に(細谷雄一)
第12章 東欧の大国ポーランドとEU加盟(田口雅弘)
第4部 EUの対外関係
第13章 欧米関係とEUの共通安全保障・防衛政策(広瀬佳一)
第14章 EUとASEM(ジュリー・ギルソン)
第15章 EUと日本——パートナーシップの構図(鶴岡路人)