慶應義塾大学教養研究センター選書4
アンクル・トムとメロドラマ 19世紀アメリカにおける演劇・人種・社会
常山菜穂子:著
四六判変型 104ページ 並製
価格:770円 (消費税:70円)
ISBN978-4-7664-1364-9 C398
奥付の初版発行年月:2007年03月
価格:770円 (消費税:70円)
ISBN978-4-7664-1364-9 C398
奥付の初版発行年月:2007年03月
内容紹介
演劇研究を社会的文脈から捉える。
▼19世紀のアメリカで大ヒットを記録した『アンクル・トムの小屋』を例に、演劇と社会の結びつきを明らかにするとともに、その作品の内に意識的/無意識的に織り込まれたアメリカの姿を描く。
常山菜穂子(つねやま なほこ)
慶應義塾大学法学部助教授
1969年、東京生まれ。1992年、聖心女子大学文学部卒業。日本学術振興会特別研究員を経て、2000年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(文学)。アメリカ演劇文化専攻。
主要業績 :
[単著]『アメリカン・シェイクスピア---初期アメリカ演劇の文化史』(国書刊行会、2003年)
[共著]『物語のゆらめき』(南雲堂、1998年)、『記憶を紡ぐアメリカ』(慶應義塾大学出版会、2005年)、『視覚のアメリカン・ルネサンス』(世界思想社、2006年)、『情の技法』(慶應義塾大学出版会、2006年)
[翻訳] L・レヴィーン『ハイブラウ / ロウブラウ』(慶應義塾大学出版会、2005年)ほか。
目次
序章
本書のねらい/ストウとリンカーン
第1章 新しい演劇研究の方法論
アメリカ文学研究の変化/ドラマとシアター/演劇の四要素/「自然の鏡」
第2章 メロドラマの復権
新しいアメリカ演劇史/メロドラマとは/アンテベラム期のアメリカ社会
第3章 舞台版『アンクル・トムの小屋』
ストウ夫人/小説『アンクル・トムの小屋』/トム・ショー/エイキン版
第4章 北部の妥協
南部と北部/繰り返される妥協
第5章 リンカーンと人種意識
独立宣言と奴隷制/北部の人種意識/海外植民計画/「ばらばらに別れた家」/奴隷解放宣言
第6章 アメリカを映す「鏡」
観客は誰か/黒人登場人物の改変/サイモン・レグリーの死/コンウェイ版/
メロドラマのちから
第7章 なぜロングヒットしたのか
南部再建/ジム・クロウ体制/アンクル・トムとジム・クロウ
終章
小説と舞台の分離/クリティカル・アイ
謝辞
参考文献・年表