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域内政治秩序と対外関係の動態EUの国際政治

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態27
EUの国際政治 域内政治秩序と対外関係の動態

B7 376ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-1448-6 C3331
奥付の初版発行年月:2007年12月 / 発売日:2007年12月上旬

内容紹介

国際政治的アプローチからEUを捉えなおす。
▼国際政治システムとしてのEU(EU内の国際政治)、国際政治の中のEU(EUの対外関係)という2つの視点から、国際政治現象としてのEU統合の歴史と現在の姿を明らかにする。


田中俊郎(たなか としろう)<編著者>
慶應義塾大学法学部教授、ジャン・モネ・チェア。
1946年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
専攻は、国際関係論、EU政治論、英国外交史。
主要業績に、『EUの政治』(岩波書店、1998年)、『EU入門』(共編著)(有斐閣、2000年)、『ヨーロッパ統合』(監修)(創元社、2005年)、『EUと市民』(共編著)(慶應義塾大学出版会、2005年)、『EU統合の軌跡とベクトル』(共編著)(慶應義塾大学出版会、2006年)など。

小久保康之(こくぼ やすゆき)<編著者>
静岡県立大学国際関係学部教授。
1958年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
専攻は、国際関係論、EU政治論、ベネルックス諸国の外交。
主要業績に、『EU入門』(共編著)(有斐閣、2000年)、『新版 現代の国際政治』(共著)(ミネルヴァ書房、2002年)、『EUスタディーズ3 国家・地域・民族』(共著)(勁草書房、2007年)など。

渡邊啓貴(わたなべ ひろたか)
東京外国語大学外国語学部教授。
1954年生まれ。パリ第一大学大学院博士課程修了(現代国際関係史専攻)。
専攻は、フランス政治・外交、ヨーロッパ国際関係論。
主要業績に、『ミッテラン時代のフランス』(芦書房、1991年)、『フランス現代史』(中央公論新社、1998年)、『ヨーロッパ国際関係史』(編著)(有斐閣、2002年)、『ポスト帝国』(駿河台出版、2006年)など。

吉武信彦(よしたけ のぶひこ)
高崎経済大学地域政策学部教授。
1960年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)(2006年取得)。
専攻は、国際関係論、EU政治論、北欧地域研究。
主要業績に、『日本人は北欧から何を学んだか——日本・北欧政治関係史入門』(新評論、2003年)、『国民投票と欧州統合——デンマーク・EU関係史』(勁草書房、2005年)など。

和達容子(わだち ようこ)
長崎大学環境科学部准教授。
1965年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。
専攻は、EU政治論、環境国際関係論。
主要業績に、『EUと市民』(共著)(慶應義塾大学出版会、2005年)、「EUの持続可能な発展と環境統合」『日本EU学会年報』第27号(2007年)など。

宮下雄一郎(みやした ゆういちろう)
パリ政治学院博士課程在学。
1977年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。
専攻は、国際政治史。
主要業績に、「自由フランスと秩序をめぐる外交1940-44年」『国際安全保障』第33巻第2号(2005年)、「フランス海軍とパクス・ブリタニカ」田所昌幸編『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』(有斐閣、2006年)、""""La France et la signature du traite de paix avec le Japon en 1951"""", Revue d'histoire diplomatique, No.1(2007)など。

庄司克宏(しょうじ かつひろ)
慶應義塾大学大学院法務研究科教授、ジャン・モネ・チェア。
1957年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
専攻は、EU法。
主要業績に、『EU法 基礎篇』(岩波書店、2003年)、『EU法 政策篇』(岩波書店、2003年)、『国際機構』(編著)(岩波書店、2006年)、『欧州統合 統治と論理のゆくえ』(岩波新書、2007年)など。

細谷雄一(ほそや ゆういち)
慶應義塾大学法学部准教授。
1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)(2000年取得)。
専攻は、ヨーロッパ外交史、国際政治学。
主要業績に、『戦後国際秩序とイギリス外交——戦後ヨーロッパの形成1945-1951年』(創文社、2001年)、『外交による平和——アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、2005年)、『大英帝国の外交官』(筑摩書房、2005年)など。

小林 正英(こばやし まさひで)
尚美学園大学総合政策学部准教授。
1970年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位修得退学。
専攻は、国際関係論(欧州国際政治、国際安全保障)。
主要業績に、『ヨーロッパ経済論』(共著)(ミネルヴァ書房、2004年)、『国際機構』(共著)(岩波書店、2006年)、『政策課題』(共著)(北樹出版、2006年)など。

鶴岡路人(つるおか みちと)<編著者>
ロンドン大学キングス・カレッジ博士課程在学。
1975年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位修得退学。
専攻は、国際政治、国際安全保障、現代ヨーロッパ政治。
主要業績に、「ドイツ統一問題の再浮上と加速化」『法学政治学論究』第49号(2001年)、「ヨーロッパ通貨統合への道」『日本EU 学会年報』第22号(2002年)、「国際政治におけるパワーとしてのEU」『国際政治』第142号(2005年)、「NATO変革の中の災害救援」『国際安全保障』第34巻第3号(2006年)など。

東野篤子(ひがしの あつこ)
広島市立大学国際学部講師。
1971年生まれ。英国バーミンガム大学政治・国際関係学部博士課程修了。政治学博士(Ph.D.)(2005年取得)。
専攻は、現代ヨーロッパ国際政治、国際関係理論。
主要業績に、""""For the sake of peace and security? The role of security concerns in the EU enlargement eastwards"""" Cooperation and Conflict 29: 4 (2004), """"The Role of Security Discourses in the Eastern Enlargement of the European Union"""", (Ph.D. Thesis, University of Birmingham, 2005), 『EUスタディーズ1 EUの対外関係』(共著)(勁草書房、2007年)など。

明田ゆかり(あけだ ゆかり)
慶應義塾大学理工学部非常勤講師。
1956年生まれ。慶應義塾大学法学研究科博士課程単位取得退学。
専攻は、国際政治学、国際政治経済学。
主要業績に、「法的制度化と主権国家レジームの変容」『国際政治』第128号(2001年)、『EUと市民』(共著)(慶應義塾大学出版会、2005年)、『グローバル公共政策』(共著)(晃洋書房、2007年)など。

目次

巻頭言       安西祐一郎
刊行にあたって   小林良彰
謝辞        田中俊郎・小久保康之・鶴岡路人

序章 EUへのアプローチ——「EUの国際政治」とは何か(田中俊郎・小久保康之・鶴岡路人)

第1部 国際政治システムとしてのEU——域内国際政治の諸相
第1章 政府間会議にみる国際政治システムとしてのEU(田中俊郎)  
 はじめに
 I 単一欧州議定書からニース条約へ
 II 諮問会議と政府間会議
 III 検討
 おわりに

第2章 EU域内における「日常」の国際政治——EUの政策決定における加盟国の関わりを中心に(小久保康之)   
 はじめに
 I EUの「日常」と主要機関
 II EUの主要機関と加盟国との関係  
 III 「日常」の政策決定プロセスの類型化
 おわりに

第3章 欧州統合の中の独仏関係(渡邊啓貴)   
 I 独・仏外交の前提条件
 II 冷戦期の独仏関係
 III 冷戦後の独仏関係
 IV シラク時代の独仏関係

第4章 欧州統合の中の北欧諸国(吉武信彦)   
 はじめに
 I 北欧・EU関係の基本的枠組み
 II EU域内国際政治と北欧諸国
 III EU域外国際政治と北欧諸国
 おわりに

第5章 EU環境政策にみる域内国際政治(和達容子)   
 はじめに
 I EU環境政策の誕生と発展
 II 基本条約におけるEU環境政策の決定手続き規定
 III EU環境政策決定過程における主要機関とその関係
 IV EU環境政策と東方拡大
 おわりに

第6章 ジャン・モネと欧州統合——「モネ・メソッド」の効用と限界(宮下雄一郎)   
 はじめに
 I 戦後復興とモネ
 II モネと欧州合衆国のための行動委員会(CAEUE)
 III モネと第5共和制
 おわりに

第7章 EU域内市場における自由移動、基本権保護と加盟国の規制権限(庄司克宏)   
 はじめに
 I 域内市場における自由移動の目的と性格
 II 「まったく国内的な状況」における逆差別
 III 欧州司法裁判所による基本権審査と「EC法の範囲外にある国内立法」
 おわりに

第2部 国際政治の中のEU
第8章 冷戦と欧州統合(細谷雄一)  
 はじめに
 I 冷戦の起源と欧州統合
 II 欧州統合と大西洋同盟の始動
 III NATO体制の中のEEC
 IV デタントから冷戦終結へ
 おわりに

第9章 新しい安全保障主体としてのEU(小林正英)  
 はじめに
 I 欧州統合における安全保障的側面
 II 安全保障主体としてのEU
 III 国際政治としてのEU——むすびにかえて

第10章 EU外交の中の欧州安全保障防衛政策
  ——付加価値の再検討とEU内調整の課題(鶴岡路人)  
 はじめに
 I EU外交の構造とESDPの前提
 II 文民要素の発展
 III 文民要素発展の含意——「新しい」政策手段としての付加価値の再検討
 IV 他組織・他政策との調整——「EU・EU関係」の課題
 おわりに

第11章 EU拡大における地域間主義(interregionalism)(東野篤子)  
 はじめに
 I EUと地域主義、地域間関係
 II 中・東欧諸国との拡大における地域間主義
 III EU拡大プロセスと地域間主義の連関における新展開
 おわりに

第12章 縛られた巨人
  ——GATT/WTOレジームにおけるEUのパワーとアイデンティティ(明田ゆかり)
 はじめに
 I 多国間貿易レジームにおけるパワー
 II GATTにおけるEU ——リーダーシップなきパワーの行使
 III パワーの転換点——単一市場プロジェクト、ウルグアイ・ラウンド、アメリカ
 IV 積極的なパワーの行使とその限界——ドーハ開発アジェンダへの道
 おわりに——EUの課題と挑戦:縛られた巨人

終章 EUの変容とEU研究の新しい課題——日本からの視点(鶴岡路人)
 はじめに——なぜ日本からの視点か
 Ⅰ EU内国際政治への視点
 II EU外交への視点
 おわりに

索引


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