折口信夫と古代を旅ゆく
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-7664-1500-1 C39
奥付の初版発行年月:2009年11月
折口信夫の見た原風景を民俗写真の第一人者、芳賀日出男が記録。
▼88歳の現役民俗写真家芳賀日出男が、70年間にわたって撮り続けている折口信夫の見た原風景の集大成。
▼数万枚の貴重な写真からえりすぐった300余枚とポイントをつかんだ短い解説文で構成した第I章。第II章は実際に授業を受けた折口教授の授業、折口と奥野信太郎、折口と西脇順三郎についてのエッセイ4本。難解な折口の民俗学を写真でわかりやすく展開してみせた入門書であり、古代の日本人を理解するための手引書としても興味深い。オールカラー版。
本書は、日本図書館協会選定図書です。
芳賀日出男(はが ひでお)
1921年 中国大連市に生まれる
1944年 慶應義塾大学文学部卒業
1950年 日本写真家協会に創立者の一人として入会する
1970年 大阪府万博博(お祭り広場)のプロデューサーとして世界と日本の祭りの制作を担当
1981年〜7年余、日本写真家協会副会長を務める
1985年 (株)芳賀ライブラリーを設立する
1988年 オーストリア国ウィーン市より文化交流に尽くした功績により、栄誉功労銀勲章を授与される
1989年 紫綬褒章を授与される
1991年 社団法人全日本郷土芸能協会理事長に1997年まで就任
1992年 日本写真家協会名誉会員に推挙される
1995年 勲四等旭日小綬章を授与される
1997年 社団法人日本写真家協会賞功労賞を授与され名誉会員となる
目次
序
I章
万葉集の古代へ
飛鳥坐(あすかにいます)神社に詣る
万葉集を熟読する
万葉びとの心
雄略天皇の宮跡
生まれ育った大阪
生誕の地
今宮戎神社の十日戎
四天王寺と俊徳丸
四天王寺舞楽と俊徳丸
俊徳道を歩む
夕陽丘の中学校
髯籠(ひげこ)の話
髯籠
依代(よりしろ)
よりまし
伊勢・熊野の旅
大王崎に立つ
山中を彷徨する
沖縄の旅
古代が迎えにくる
折口信夫の沖縄の旅
まれびとへの発想
盆あんがまの夜
長者(ちょうじゃ)の大主(うふっしゅ)
多良間島の豊年祭り
伊平屋島と伊是名島
三信遠の旅
信濃新野の雪祭り
奥三河の花祭(はなまつり)
「返閇(へんばい)」を発見する
花祭は誰が伝えたのか
幻の大神楽(おおかぐら)
西浦(にしうれ)の田楽
初春の訪れ神
なまはげ・年どん・あまめはぎ
初春のほかひびと
伊勢太神楽(だいかぐら)
人形(ひとがた)
各地の人形
神の身替わり
芸能への道
折口家の河童像
巫女とのりわら
東北地方のいたこ
沖縄の祝女(のろ)
奈良のそねったん
福島ののりわらと審神者(さには)
源氏物語
紫式部と光源氏
須磨
明石
説経節
愛護若
信太妻(しのだづま)
安倍晴明は実在の人物か
小栗判官
説経節の現在
中世の芸能と祭り
毛越寺の延年
早池峰(はやちね)の山伏神楽
幸若舞(こうわかまい)
黒川能
京都の祇園祭(ぎおんまつり)
奈良の春日若宮おん祭
年中行事
正月/二月/三月/四月/五月/六月/七月/八月/九月/十月/十一月/十二月
小説 身毒丸
小説 死者の書
伝説「中将姫」と當麻曼荼羅
『死者の書』の出版
称讃浄土佛囁受経
古代エジプトの『死者の書』
國學院大學
開校の地
渋谷の國學院大學
叢隠居(そういんきょ)
東京の住居
哲学堂鑽仰軒(さんぎょうけん)
出石(いずるいし)町の折口家
氣多(けた)大社と折口父子
折口父子の墓碑
II章
折口教授の授業
折口学と奥野信太郎
折口信夫と西脇順三郎——詩人と詩人の語らい
ヨーロッパの民俗資料を読む折口信夫
フレイザーの『金枝篇』
ゴムの『ザ・ハンドブック・オブ・フォクロア』
バーンの『民俗学概論』
メレジコスキーの『背教者じゅりあの——神々の死』
芸能と藝能学会
参考資料
折口信夫略歴/日本の祭り一覧/地図
後書き