慶應義塾大学産業研究所叢書
環境分析用産業連関表とその応用
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-7664-1512-4 C3333
奥付の初版発行年月:2008年06月 / 発売日:2008年06月上旬
▼研究者・政策担当者の間で話題となった『産研叢書 環境分析用産業連関表』の続編。前著で構築した95年環境IOの枠組みに則り、2004年公表の「2000年産業連関表」を使用した「2000年環境IO」を作成するとともに、推計方法の更なる精緻化を進めている。
▼前著で行った各種テーマについてCO2排出量を再推計し、環境負荷の面から事業評価等を行っている。さらに、2国間のCO2排出量を統一的枠組みで比較できるように、慶應義塾大学産業研究所が進めてきたEDEN(環境・エネルギー問題分析用産業連関表:東アジア9カ国の国際比較のための統一的分析枠組み)形式への変換も行っている。
▼「ポスト京都議定書」の新たな枠組み構築に向け、CO2排出量の推計に独自の分析手法と貴重な資料を提供する一冊。研究者・政策担当者はもとより、事業のLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)型評価方法に関心をもつ企業・自治体関係者、環境経済学を学ぶ学生にもお薦めしたい。
中野 諭(なかの さとし)第1・2・4・5章執筆
慶應義塾大学産業研究所研究員
1999年慶應義塾大学商学部卒業、2005年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。
早見 均(はやみ ひとし)第6・7章執筆
慶應義塾大学商学部教授(博士(商学))
1983年慶應義塾大学経済学部卒業、85年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了、88年同博士課程修了。
中村政男(なかむら まさお)第7章執筆
ブリティッシュコロンビア大学サウダー・ビジネススクール教授
(Ph.D.(ジョンズ・ホプキンス大学))
鈴木将之(すずき まさゆき)第3章執筆
第一生命経済研究所経済調査部エコノミスト
2003年慶應義塾大学商学部卒業、2008年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程修了。
目次
第1章 平成12年環境分析用産業連関表の推計
1 はじめに
2 環境分析用産業連関表の構成
3 環境分析用産業連関表の推計
4 推計結果
5 EDEN形式への変換
6 おわりに
第2章 生産活動によって誘発されるCO2排出量
1 はじめに
2 推計モデル
3 推計結果
4 おわりに
第3章 環境家計簿作成のためのCO2排出点数表
1 はじめに
2 2000年のCO2排出の概要
3 居住者1人あたりのCO2排出量
4 環境家計簿作成のためのCO2排出点数表
5 おわりに
第4章 補助金制度による温暖化対策の評価
——住宅用太陽光発電装置のケーススタディ
1 はじめに
2 先行研究
3 モデルの体系
4 モデルの全体とわが国補助金制度の評価
5 シミュレーション——補助率の変更
6 おわりに
補論 太陽光発電装置費用関数の導出
第5章 ITS車載器導入による環境負荷削減効果
1 はじめに
2 ITSの導入にともなう環境負荷削減効果(基準ケース)
3 ITSの導入にともなう環境負荷削減効果(補助金支給ケース)
4 考察
5 おわりに
第6章 光ファイバーの構造とケーブルの敷設によるCO2負荷
1 はじめに
2 光ファイバーケーブル敷設状況
3 光ファイバーの製造・敷設によるCO2負荷
4 光ファイバーの製造工程とCO2排出——積み上げ法との比較
5 おわりに
第7章 日本とカナダ間の技術代替と貿易によるCO2排出
——生産立地による影響の2国間産業連関分析
1 はじめに
2 データソースと基本モデル
3 カナダと日本の商品によるCO2排出比較
4 カナダと日本の貿易からのCO2排出
5 太陽電池生産からのCO2の比較——共同実施への投資のインプリケーション
6 おわりに