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エピステモロジーの現在

エピステモロジーの現在

B7 512ページ 上製
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-7664-1552-0 C3010
奥付の初版発行年月:2008年11月 / 発売日:2008年11月上旬

内容紹介

科学認識論の今日的意義を提示する。
▼フランス現代哲学の総合的な理解に不可欠なエピステモロジー(科学認識論)の今日的展開について詳論し、自然科学に関する哲学的考察の重要性が高まっている昨今における、この分野の可能性に注目し、その現代的意義を明らかにする。
▼編者はこの分野の日本への紹介・研究における先駆者。本書では、今日的視点からのいくつかの研究成果を提起して、日本におけるエピステモロジー研究の定着をはかるとともに、フランス現代思想のより的確な見取り図を描く。


【編著者】
金森修(かなもり おさむ)
1954年札幌生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
筑波大学、東京水産大学を経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。
博士(哲学・パリ第一大学)。
専門は科学思想史・フランス科学認識論。
主要著書に『バシュラール』(講談社)、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会)、『科学的思考の考古学』(人文書院)、『遺伝子改造』(勁草書房)他。

【執筆者】(目次順)
香川知晶(かがわ ちあき)
 1951年北海道北見市生まれ。筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科単位取得退学。
 山梨医科大学医学部を経て、現在、山梨大学大学院医学工学総合研究部教授。
 専門は哲学・倫理学。
 主要著書に『生命倫理の成立』(勁草書房)、『死ぬ権利』(勁草書房)他。

村松正隆(むらまつ まさたか)
 1972年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
 跡見学園女子大学を経て、現在、北海道大学大学院文学研究科准教授。
 専門は近現代フランス哲学。
 主要著書に『〈現われ〉とその秩序 −メーヌ・ド・ビラン研究』(東信堂)他。

近藤和敬(こんどう かずのり)
 1979年福井生まれ。大阪大学人間科学研究科博士課程単位取得退学。京都大学文学研究科哲学史研究室、学術振興会特別研究員PD。
 専門は数理哲学・フランス科学認識論。
 主要論文に「カヴァイエスにおける構成の空間」(『現代思想』2006年7月号(青土社))、「カヴァイエスの数学の哲学」(『フランス哲学・思想研究』第11号2006年)、「『差異と反復』における微分法の位置と役割」(『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社))他。

三宅岳史(みやけ たけし)
 1972年岡山生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学後、博士(文学)取得(京都大学)。
 現在、関西大学ほか非常勤講師。
 専門はフランス近現代哲学。
 訳書にドミニック・ルクール『科学哲学』(共訳、白水社、文庫クセジュ)。

河野哲也(こうの てつや)
 1963年東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。
 防衛大学校、玉川大学を経て、現在、立教大学文学部教授。
 専門は科学哲学(特に心の哲学)、現象学、理論心理学。
 主要著書に『エコロジカルな心の哲学』(勁草書房)、『環境に拡がる心』(勁草書房)、『〈心〉はからだの外にある』(NHK出版)、『善悪は実在するか』(講談社)他。

山口裕之(やまぐち ひろゆき)
 1970年奈良生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
 徳島大学総合科学部准教授。
 専門はフランス経験論哲学・科学認識論。
 主要著書に『コンディヤックの思想』(勁草書房)、『人間科学の哲学』(勁草書房)他。

高橋 厚(たかはし あつし)
 1979年宮城県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。
 現在、Radboud大学(オランダ)哲学部博士課程在学中、及び同大学中世・ルネサンス自然哲学研究所ジュニア・リサーチャー。
 専門は中世哲学・中世科学史。
 主要論文に”Nature, Formative Power and Intellect in the Natural Philosophy of Albert the Great”, Early Science and Medicine, 13 (2008), 447-477他。

荒原由紀子(あらはら ゆきこ)
 1971年鎌倉生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。
 日本学術振興会特別研究員PDを経て、現在、東洋大学、白百合女子大学非常勤講師。
 専門は19世紀のフランス文学・文化史。
 主要論文に「『ブヴァールとペキュシェ』とフローベールの図書館」(『年報地域文化研究第7号』)、「『ブヴァールとペキュシェ』における地質学のエピステモロジックな解釈に向けて」(Revue Flaubert 4)他。

目次

 序論——現代フランスの主知主義的伝統      金森 修

第一部
 第一章 デカルト哲学のなかでの医学        香川知晶
 第二章 偶然の確率を計算する
        ——クールノーの確率論         村松正隆
 第三章 カヴァイエスと数学史の哲学
        ——〈時間の外にある真理の歴史性〉というパラドックス   近藤和敬
 第四章 神経学とベルクソン哲学           三宅岳史
 第五章 或る実証主義の帰趨
        ——フランソワ・ダゴニェ試論       金森 修

第二部
 第六章 フランス心理学の誕生
        ——なぜフランスでは「実験心理学」が成立しなかったのか   河野哲也
 第七章 生命の認識                   山口裕之
 第八章 「自然の作品は知性の作品である」 
        ——中世アリストテレス主義自然哲学における「生成」の論理   高橋 厚
 第九章 地質学と起源の夢想
        ——一九世紀フランスにおける文学と科学    荒原由紀子

あとがき                      金森 修

文献表

索引


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