オックスフォード ブリテン諸島の歴史第8巻
18世紀 1688-1815年
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-7664-1648-0 C3322
奥付の初版発行年月:2013年10月 / 発売日:2013年10月下旬
近代国家として拡大する「帝国」
▼本書第八巻は、1688年の名誉革命から1815年のワーテルローの戦いまでの歴史を辿る。
合同法、自由主義への推進、植民地の拡大、アメリカの独立――。ブリテン島とアイルランドのすべての地域が、経済発展と政治的統合によって急激に一体化へと向かいながら、帝国国家として成長していく世紀を活写する。
ポール・ラングフォード(Paul Langford)
オックスフォード大学リンカン・カレッジ前学寮長。
主要業績 The New Oxford History of England: A Polite and Commercial People: England 1727-1783 (Oxford, 1989); Public Life and the Propertied Englishmen 1689-1798 (Oxford, 1991); Englishness Identified: Manners and Character, 1650-1850 (Oxford, 2000).
デイヴィッド・ヘイトン(David Hayton)
クイーンズ大学(ベルファスト)教授。
主要業績 Ruling Ireland, 1685-1742: Politics, Politicians and Parties (Woodbridge, 2004); The Anglo-Irish Experience, 1680-1730; Religion, Identity and Patriotism (Woodbridge, 2012).
デイヴィッド・ヘンプトン(David Hempton)
ハーヴァード大学教授。
主要業績 Religion and Political Culture in Britain and Ireland (Cambridge,1996), The Religion of the People (London, 1996), Evangelical Disenchantment: Nine Portraits of Faith and Doubt (Yale University Press, 2013).
ジョアンナ・イニス(Joanna Innes)
オックスフォード大学サマヴィル・カレッジ・フェロー。
主要業績 Inferior Politics: Social Problems and Social Policy in Eighteenth-Century Britain (New York, 2009); Re-imagining Democracy in the Age of Revolutions: France, America, Britain, Ireland 1750-1850 (Mark Philpとの共編、Oxford, 2013).
マーティン・ドーントン(Martin Daunton)
ケンブリッジ大学トリニティ・ホール学寮長。
主要業績 Progress and Poverty: An Economic and Social History of Britain, 1700-1850 (Oxford, 1995); Wealth and Welfare: An Economic and Social History of Britain, 1851-1951 (Oxford, 2007).
ピーター・ボーゼイ(Peter Borsay)
アベリストウィス大学教授。
The English Urban Renaissance: Culture and Society in the Provincial Town, 1660-1770 (Oxford, 1989), The Image of Georgian Bath 1700-2000: Towns, Heritage and History (Oxford, 2000).
マイケル・ダフィー(Michael Duffy)
エクセター大学名誉フェロー。
主要業績 The Englishman and the Foreigner (Cambridge, 1986); Soldiers, Sugar and Seapower (Oxford, 1987); Profiles in Power: The Younger Pitt (London, 2000).
鶴島 博和(ツルシマ ヒロカズ)
FSA, FRHistS 熊本大学教授。
主要業績 (eds.), Nations in Medieval Britain (Donington, 2010), ‘The Moneyers of Kent in the Long Eleventh Century’, in David Roffe (ed.), The English and Their Legacy 900-1200: Essays in Honour of Ann Williams (Woodridge, 2012).
坂下 史(サカシタ チカシ)
東京女子大学現代教養学部教授。
主要業績 「地域社会における公共圏――交錯する公式性、共同性、公開性」 (大野誠編 『近代イギリスと公共圏』 昭和堂、2009年)、『イギリス史研究入門』(近藤和彦編、山川出版社、2010年)、『近代イギリスの歴史――16世紀から現代まで』 (木畑洋一・秋田茂編、ミネルヴァ書房 2011年)。
栗田 和典(クリタ カズノリ)
静岡県立大学国際関係学部教授。
主要業績 「『長い近世』イギリスにおける刑罰の複数性」 (『犯罪社会学研究』 37、2012年)、「18世紀ロンドンの治安維持――都市の快適さをめぐる公私の交わり」 (林田敏子・大日方純夫編、『警察(近代ヨーロッパの探求)』 ミネルヴァ書房、2012年)。
大野 誠(オオノ マコト)
愛知県立大学外国語学部教授。
主要業績 『ジェントルマンと科学』 (山川出版社、1998年)、『近代イギリスと公共圏』 (大野誠編、昭和堂、2009年)、M.ハンター著 『イギリス科学革命――王政復古期の科学と社会』 (翻訳、南窓社、1999年)。
高田 明佳(タカダ アキヨシ)
翻訳家。
主要業績 ユルゲン・コッカ著 「比較史のかなた――近現代史へのトランスナショナルなアプローチ」 (翻訳、史学会編 『歴史学の最前線』 東京大学出版会、2004年)、ティム・ヒチコック 「雑役人と小間づかい―― 十八世紀ロンドンにおける規制外労働」 (翻訳、近藤和彦・伊藤毅編 『江戸とロンドン』 山川出版社、2007年)。
岩間 俊彦(イワマ トシヒコ)
首都大学東京都市教養学部経営学系准教授。
主要業績 『イギリス・ミドルクラスの世界――ハリファクス、1780-1850』 (ミネルヴァ書房、2008年)。‘Voluntary societies and the urban local community: A case study of the Halifax Mechanics' Institution’, Family & Community History, 11, 2008. ‘Parties, middle-class voters, and the urban community: Rethinking the Halifax Parliamentary Borough elections, 1832-52’, Northern History (forthcoming).
大橋 里見(オオハシ サトミ)
専修大学、明治学院大学他兼任講師。
主要業績 The Auction Duty Act of 1777: the beginning of Institutionalisation of auctions in Britain’, in J. Warren and A. Turpin eds., Auctions, Agents and Dealers: The Mechanisms of the Art Market, 1660-1830, Archaeopress (Oxford), 2007; ‘Auctioneers in Provincial Towns in England and Wales at the End of the Eighteenth century’, 『史苑』 (立教大学史学会) 73巻2号、2013年、ジョン・ブルーワ著、近藤和彦編 『スキャンダルと公共圏』 (翻訳、山川出版社、2006年)。
一柳 峻夫(ヒトツヤナギ タカオ)
帝京平成大学現代ライフ学部講師。
主要業績 「ブリストル商人の経営構造――貿易の多角的システム」 『国際商業』 (深沢克己編著、ミネルヴァ書房、2002年)、‘Leading European Traders in Late Eighteenth-Century Bristol’, Journal of Teikyo Heisei University, 19 (2008).
【監修者】
ポール・ラングフォード(Paul Langford)[序論、エピローグ]
オックスフォード大学リンカン・カレッジ前学寮長。
【著者一覧】
デイヴィッド・ヘイトン(David Hayton)[第一章]
クイーンズ大学(ベルファスト)教授。
デイヴィッド・ヘンプトン(David Hempton)[第二章]
ハーヴァード大学教授。
ジョアンナ・イニス(Joanna Innes)[第三章]
オックスフォード大学サマヴィル・カレッジ・フェロー。
マーティン・ドーントン(Martin Daunton)[第四章]
ケンブリッジ大学トリニティ・ホール学寮長。
ピーター・ボーゼイ(Peter Borsay)[第五章]
アベリストウィス大学教授。
マイケル・ダフィー(Michael Duffy)[第六章]
エクセター大学名誉フェロー。
【日本語版監修】
鶴島博和(つるしま ひろかず)
FSA, FRHistS 熊本大学教授。
【監訳者】
坂下 史(さかした ちかし)[序論、エピローグ]
東京女子大学現代教養学部教授。
【訳者一覧】
栗田和典(くりた かずのり)[第一章]
静岡県立大学国際関係学部教授。
大野 誠(おおの まこと)[第二章]
愛知県立大学外国語学部教授。
高田明佳(たかだ あきよし)[第三章]
翻訳家。
岩間俊彦(いわま としひこ)[第四章]
首都大学東京都市教養学部経営学系准教授。
大橋里見(おおはし さとみ)[第五章]
専修大学、明治学院大学他兼任講師。
一柳峻夫(ひとつやなぎ たかお)[第六章]
帝京平成大学現代ライフ学部講師。
目次
日本語版に寄せて(ポール・ラングフォード)
監修者序文(ポール・ラングフォード)
日本語版監修者序文(鶴島博和)
凡例
図版・地図一覧
序 論 時間と空間 ポール・ラングフォード
後世から見た十八世紀 / 新しい研究 / 同時代人の視点―― 外国人 /
同時代人の視点―― 身内 / ブリテン諸島のまとまり /
ブリテン諸島を越えて
第一章 競合する王国、一六八八 ~ 一七五六年 デイヴィッド・ヘイトン
王権、議会、戦争のための必要 / 党派の猛威 /
ウォルポールの権勢 / 「ロビノクラシー」の終焉とその結果
第二章 啓蒙主義と信仰 デイヴィッド・ヘンプトン
時間、空間、宗教 / 体制教会と複数主義の台頭 / 民衆の宗教 /
カトリック教徒と熱狂主義者 / 結論
第三章 多様な社会を統治する ジョアンナ・イニス
統治階級 / 国内的・国際的文脈における地方統治 /
社会問題―― 事例研究
第四章 国民の富 マーティン・ドーントン
マルサスの競争 / 人口成長 / 農業 / 専門化と商業 /
生物の経済から鉱物の経済へ / 都市、商業、サーヴィス /
結論
第五章 進歩という文化 ピーター・ボーゼイ
進歩の諸形態 / 植え付けと強制 / 進歩のコンテクスト /
代替の文化
第六章 競合する帝国、一七五六 ~ 一八一五年 マイケル・ダフィー
帝国の戦争の目的 / 国民の戦争遂行努力の度合 /
国民参加への衝動 / 戦争への政治的反応 /
帝国の諸問題 / 待望の国民的指導者 /
最終的勝利の諸要因
エピローグ ポール・ラングフォード
訳注
文献案内
年表
地図
索引