内容紹介
慶應義塾の歴史を活写する名随筆集が新編となって復刊。
▼福澤諭吉最晩年の“散歩党”の体験に基づくとっておきの話から、慶應義塾の伝説ともいうべき名教授たちの驚くべき逸話など、経済学者高橋誠一郎(1884〜1982)による慶應義塾の生きた歴史を伝える「随筆 慶應義塾」に、戦前の名随筆も加えて新たに編んだアンソロジー。
▼慶應義塾普通部入学以来、八十年余を送った三田での生活のなかから生まれた痛快な出来事、恩師や朋友、後輩への追悼などを情感のこもった文章で綴る。
本書は、日本図書館協会選定図書です。
「夢と追憶の江戸」
高橋誠一郎浮世絵コレクション名作展
[〜11/23 三井記念美術館にて開催中]
高橋誠一郎(たかはし せいいちろう)(1884〜1982)
明治17(1884)年新潟に生まれる。明治31(1898)年慶應義塾普通科入学。明治41(1908)年慶應義塾大学部政治科卒。大正3(1914)年慶應義塾大学理財科(現在の経済学部)教授に就任し、経済原論・経済学史を講ずる。以来、昭和53(1978)年まで三田で講義を続け、義塾における経済学研究の礎を築いた。昭和21〜22年慶應義塾長代理。日本学士院会員。文部大臣、日本藝術院院長、国立劇場会長等を務め、戦後の文化行政を指導した。昭和54年文化勲章受章。昭和57(1982)年2月9日逝去。『重商主義経済学説研究』をはじめとする経済学上の主著は『高橋誠一郎経済学著作集』(全4巻)にまとめられ、また愛着の深かった浮世絵については『浮世絵二百五十年』および『高橋誠一郎コレクション・浮世絵』(全7巻)、その他多くの随筆集がある。
目次
凡例
Ⅰ
野毛と三田 我が師・我が友
慶應四年五月十五日
明治十四年の政変と日本美術界
福澤先生の帝室論 二十年前の速記原稿
Ⅱ
男女の交際
学校スト昔話
三田評論
思い出の洋書
読書
試験
水泳自慢
体育会八十周年に思う
Ⅲ
福田博士の思い出
ランプ屏風
古河虎之助君追憶
水上瀧太郎作『倫敦の宿』
福澤三八君
故堀江帰一博士をしのぶ
丁卯会
小泉信三君追想
氣賀勘重、増井幸雄両博士を偲ぶ
横浜礼吉君逝く
阿部勝馬氏追想
永井荷風氏
永井荷風氏の『江戸藝術論』
高橋誠一郎 略年譜
編者あとがき 丸山徹