テロとインテリジェンス 覇権国家アメリカのジレンマ
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-1731-9 C3031
奥付の初版発行年月:2010年04月 / 発売日:2010年04月中旬
▼アメリカの危機管理体制とインテリジェンスにおける変遷を紹介し、拡大しつづける組織と予算、そして人権・プライバシー保護やメディアの報道の自由との関係など、さまざまな矛盾をかかえる現状と今後の課題を分析する。
▼DHS(アメリカ国土安全保障省)などアメリカの関連省庁や、テロリズム研究の専門家に対しての度重なるインタビュー、ヒアリング調査を実施した著者が、1)インテリジェンス、2)国土安全保障、3)国内テロ・災害対策、4)メディア・人権との関連などの側面から、アメリカの危機管理対策について多角的に考察した。
▼ブッシュ政権の8年間でアメリカの危機管理政策はどのように変化したのか、またオバマ政権の誕生により、今後どのような方向に向かうのか。あわせて日本の危機管理の課題についても検討する。
福田充(フクダミツル)
日本大学法学部准教授
上記内容は本書刊行時のものです。福田 充(ふくだ みつる)
1969年兵庫県生まれ。日本大学法学部准教授。コロンビア大学客員研究員.
東京大学大学院人文社会系研究科社会文化研究専攻博士課程単位取得退学。
専門はメディア社会学、テロや災害の危機管理研究。
内閣官房委員会、埼玉県危機・防災懇話会等で委員を歴任。第3回吉田秀雄賞受賞。
主要著作に、『メディアとテロリズム』(新潮新書、2009年)、(共著)『テロ対策入門』
(亜紀書房、2006年)、(共著)『テレビニュースの世界像』(勁草書房、2007年)、
(共訳)『ニュースはどのように理解されるか—メディアフレームと政治的意味の構築』
(慶應義塾大学出版会、2008年)ほか。
目次
はじめに
一章 九・一一の衝撃—ブッシュ政権、テロ対策の時代へ
一 九・一一アメリカ同時多発テロ事件
二 アメリカの新しい脅威—アルカイダとオサマ・ビンラディン
三 九・一一の反省点
四 テロとの戦い—テロに対する国際的取り組み
二章 諜報—インテリジェンス改革
一 九・一一の予防失敗とインテリジェンス研究からの批判
二 アメリカのインテリジェンス・コミュニティの任務
三 CIAの改革
四 国家情報長官(DNI)の創設
五 NCTC—インテリジェンスの統合と情報共有
六 NSA—情報監視体制の強化
三章 監視—国土安全保障における民主主義と監視社会の葛藤
一 DHS—総合的テロ対策と国土安全保障
二 FEMA—監視と予防へのシフト
三 テロ監視体制
四 監視活動・諜報活動における安全・安心vs自由・人権
四章 警報—テロ・災害対策としての警報システム
一 テロ警報システム(HSAS)
二 生物剤感知計画
三 FCCにおける緊急警報システム(EAS)
五章 対応—テロ・災害の事後対応とファースト・レスポンダー対策
一 地域防災とファースト・レスポンダー対策
二 FBI—JTTF、NJTTFにおけるテロ対策
三 TOPOFF—テロの事後対策のための訓練
四 事案指揮システム(ICS)
五 州レベルの危機管理体制—カリフォルニアとオクラホマの事例
六章 報道—テロリズムとメディアの問題
一 テロリズムとマスコミ—テレビ、新聞等のジャーナリズム
二 テロリズムとインターネット
七章 オバマ政権の誕生
終章 日本における危機管理に向けて
あとがき
参考文献