小林秀雄 越知保夫全作品
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1738-8 C3095
奥付の初版発行年月:2010年05月 / 発売日:2010年05月中旬
美と愛と聖性を鮮烈に論じた代表作「小林秀雄論」、フランス文学論,芸術論,古典論「好色と花」など、越知保夫(1911〜1961)の全作品を収録。
▼越知保夫の遺稿集『好色と花』(筑摩書房、1963年)に、未収録の詩・批評・劇作や書簡、さらには編者による小伝・年表・著作一覧を付して復刊。
▼「批評」や同人誌などで40〜50年代に評論家・詩人として活動した越知は、特に一連の小林秀雄論が秀逸。吉田健一らにその才能を認められ、遠藤周作や須賀敦子に影響を与えた。近代のシニスムを打破する者として小林を捉えるなど、独自の小林秀雄論を展開。
▶新版が、2016年1月に刊行されました。
越知保夫(オチヤスオ)
1911年,大阪市西淀川区姫島生まれ。批評家・詩人。暁星小学校でカトリックの洗礼を受ける。東京第一高等学校から東京帝国大学文学部仏文科へ進学。高校のころから吉満義彦に師事する。大学に進学後,左翼運動に参加し,投獄。その後,文学活動をはじめ,1940年から43年の間,吉田健一や中村光夫らが参加した雑誌『批評』に詩を発表。翻訳(共訳)に,エマニュエル・ムーニエ『人格主義』(1953年),ヴァン・デル・メールシュ『人間を漁るもの』(1954年),ギュスターヴ・ティボン『二人での生活』(1960年)がある。 1954年から晩年にかけて,同人誌『くろおぺす』に小林秀雄論やジョルジュ・ルオー論,フランス文学論,演劇論,日本の古典論などを発表。1961年没。没後2年,遺稿集『好色と花』(1963年)が筑摩書房から刊行された。
若松英輔(ワカマツエイスケ)
1968年、新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学科卒。『越知保夫とその時代』で第14回三田文学新人賞評論部門当選。その他の作品に「小林秀雄と井筒俊彦」「須賀敦子の足跡」など。『読むと書く——井筒俊彦エッセイ集』(編集および解題、慶應義塾大学出版会、2009年)。2009年から2010年まで三田文学に「井筒俊彦——存在とコトバの神秘哲学」を連載。 「井筒俊彦入門」を連載中(「ウェブでしか読めない」、慶應義塾大学出版会HP)。
上記内容は本書刊行時のものです。越知保夫(おちやすお)
1911年,大阪市西淀川区姫島生まれ。批評家・詩人。
暁星小学校でカトリックの洗礼を受ける。東京第一高等学校から東京帝国大学文学部仏文科へ進学。高校のころから吉満義彦に師事する。大学に進学後,左翼運動に参加し,投獄。その後,文学活動をはじめ,1940年から43年の間,吉田健一や中村光夫らが参加した雑誌『批評』に詩を発表。翻訳(共訳)に,エマニュエル・ムーニエ『人格主義』(1953年),ヴァン・デル・メールシュ『人間を漁るもの』(1954年),ギュスターヴ・ティボン『二人での生活』(1960年)がある。 1954年から晩年にかけて,同人誌『くろおぺす』に小林秀雄論やジョルジュ・ルオー論,フランス文学論,演劇論,日本の古典論などを発表。1961年没。没後2年,遺稿集『好色と花』(1963年)が筑摩書房から刊行された。
若松英輔(わかまつ えいすけ)
1968年、新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学科卒。『越知保夫とその時代』で第14回三田文学新人賞評論部門当選。その他の作品に「小林秀雄と井筒俊彦」「須賀敦子の足跡」など。『読むと書く——井筒俊彦エッセイ集』(編集および解題、慶應義塾大学出版会、2009年)。2009年から2010年まで三田文学に「井筒俊彦——存在とコトバの神秘哲学」を連載。 「井筒俊彦入門」を連載中(「ウェブでしか読めない」、慶應義塾大学出版会HP)。
目次
第Ⅰ部
小林秀雄論
近代・反近代——小林秀雄「近代絵画」を読む
小林秀雄の『近代絵画』における「自然」
ルオー
第Ⅱ部
ルウジュモンの『恋愛と西洋』を読む
『恋愛と西洋』に対するサルトルの批評について
「あれかこれか」と「あれもこれも」——ダーシーの『愛のロゴスとパトス』を読む
ガブリエル・マルセルの講演
第Ⅲ部
道化雑感
宇野千代の『おはん』
チエホフの『三人姉妹』
モスクワ芸術座のリアリズム
クローデルの『マリアへのお告げ』について
第Ⅳ部
モンテーニュの問題
個と全体
第Ⅴ部
能と道化
好色と花——エロスと様式
すき・わび・嫉妬
第Ⅵ部
パントマイム「惨事」——グリムの童話より
楽劇 ブオンコンテの最後——ダンテ神曲「煉獄篇」より脚色
詩
書簡・その他
越知保夫に関するエッセイ・評論
越知保夫年譜
小伝 越知保夫(若松英輔)
初出一覧