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回教哲学アラビア哲学

アラビア哲学 回教哲学

井筒俊彦:著井筒俊彦(いづつ としひこ)
四六判 298ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-1770-8 C3010
奥付の初版発行年月:2011年02月 / 発売日:2011年02月中旬

内容紹介

井筒俊彦、初期イスラーム思想の発展史の大綱を辿る。
▼「アラビヤ哲學——回教哲學」(『世界哲学講座(5)』(光の書房、1948年)所収論文)の復刻。附録として、「東印度に於ける回教法則(概説)」(東亜研究所、1942年)を収録。解題=鎌田繁(東京大学東洋文化研究所教授)
▼初期イスラーム思想(哲学史)の発展史の大綱を辿ったもの。神秘主義的思索を特徴とするギリシア由来の哲学は、イスラームの土壌においていかなる発展を遂げたのかを詳述する。

著者プロフィール

井筒俊彦(イヅツトシヒコ)

井筒俊彦(いづつ としひこ)
1914(大正3)年−1993(平成5)年。東京都生まれ。1931(昭和6)年、慶應義塾大学経済学部予科に入学。のち、西脇順三郎が教鞭をとる英文科へ転進。1937(昭和12)年、慶應義塾大学文学部を卒業し、同大学文学部英文科の助手となる。1950(昭和25)年、同大学文学部助教授を経て、1954(昭和29)年、同文学部大学教授に就任。ギリシア語、ギリシア哲学、ロシア文学、比較言語学などの授業を担当した。1969(昭和44)年、カナダのマッギル大学の教授、1975(昭和50)年、イラン王立哲学研究所教授を歴任した。1979(昭和54)年、イラン革命のためテヘランを去り、その後は研究の場を日本に移し、著作や論文の執筆、講演などに勤しんだ。1967(昭和42)年からは、鈴木大拙に次ぐ2人目の日本人として、スイスで開催される国際会議、エラノス会議へ参加し、以後12回にわたって東洋哲学に関する講演を行った。
主な著作に、『コーラン』(翻訳、上中下、岩波文庫、1957−58[昭和32−33]年)、『イスラーム文化』(岩波書店、1981[昭和56]年)、『意識と本質』(岩波書店、1983[昭和58]年)など多数。『井筒俊彦著作集』(全11巻別巻1、中央公論社、1991−93[平成3−5]年)がある。また、1956(昭和31)年に刊行されたLanguage and Magicを始めとして英文による著作を多数執筆。Sufism and Taoism: A Comparative Study of Key Philosophical Concepts、Ethico-Religious Concepts in the Qur'an、Toward a Philosophy of Zen Buddhismなど一連の英文著作で世界的な評価を受けた。
1982(昭和57)年、日本学士院会員。同年、毎日出版文化賞受賞、朝日賞受賞。
没後、The Izutsu Library Series on Oriental Philosophy(井筒ライブラリー・東洋哲学)として東洋の思想を欧米の言語によって紹介するシリーズ(欧文)が、慶應義塾大学出版会から 2001(平成13)年より刊行されている。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

アラビア哲学——回教哲学

 序
 1 回教思弁神学の発生
 2 ムアタジラ派
 3 アシュアリー
 4 原子論的世界観
 5 ギリシア哲学の移植
 6 「純正同胞会」
 7 ミスカワイヒ
 8 スーフィズム
 9 東方アリストテレス主義の発達
 10 アヴィセンナ
 11 ガザーリーの哲学批判
 12 西方回教哲学の発展
 13 「独学の哲人」
 14 アヴェロエス
 15 イブン・アラビー
 16 十二世紀以降の動向


附録 東印度に於ける回教法制(概説)

 序文
 第一章 回教法の一般的特色
 第二章 回教法の基礎
 第三章 四大正統学派
 第四章 東印度に於ける回教法の教授と研究
 第五章 回教法に於ける五範疇論
 第六章 祈祷(宗教的儀式の法規、その一)
 第七章 施与(宗教的儀式の法規、その二)
 第八章 断食(宗教的儀式の法規、その三)
 第九章 巡礼(宗教的儀式の法規、その四)
 第十章 婚姻
 第十一章 親族・後見
 第十二章 遺産相続
 第十三章 財産生活
 第十四章 刑罰

 解題(鎌田繁)


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