現代日本の産業集積研究
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-7664-1851-4 C3033
奥付の初版発行年月:2011年07月 / 発売日:2011年07月上旬
日本の産業集積の論理的枠組みを示す。
▼日本の産業集積で起こったことは、産業空洞化の論理では把握できない。国内の多くの産業でみられたのは、国内完結型から東アジア地域への地理的拡大であり、分業生産体制の高度化である。日本全国のさまざまな産業集積の実態調査にもとづく産業集積論。著者渾身の1冊。
渡辺幸男(ワタナベユキオ)
慶應義塾大学経済学部教授。
1970年慶應義塾大学経済学部卒業、77年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程経済学専攻単位取得退学。慶應義塾大学経済学部助手、同大学助教授を経て、1990年より現職。博士(経済学・慶應義塾大学)。
2004~2007年、日本中小企業学会会長。
目次
序 章 東アジア化とは何であったか――構造変化の統計的確認
第1章 1990年代半ばまでの国内機械工業集積調査研究の産業集積論への示唆
――京浜地域・日立地域・諏訪地域を中心に
第2章 機械工業の多様な集積の錯綜のもとでの多数企業の存立
――岡山県内の機械工業企業群の分析
第3章 企業誘致で形成された産業集積の縮小と新たな展望
――岩手県機械・金属産業企業群の変貌と中小企業の存立展望
第4章 誘致工場と機械・金属産業集積の新たな形成
――熊本県の事例を中心に
第5章 国内産地型産業集積の解体と産地企業の展望
――堺の自転車部品産業集積を例に
第6章 中国の産業発展の中での機械金属・産業関連産地型産業集積の転態
――燕の産業集積の発展可能性
第7章 中小企業の存立条件と産業集積の変化
――アパレル製品産地に見る産地型産業集積の有効性と意義の変化
第8章 デジタル化技術と社会的分業構造の変化
――巨大都市東京の印刷業中小企業の構造変化
終 章 (日本の)産業論・中小企業経営論視座からの産業集積論の論理的枠組み
付論1 A.マーシャルとA.ヴェーバーの産業集積論の射程
――産業論研究での論理的枠組みとしての限定性
付論2 『中小企業白書』に見る産業集積論把握の論理的枠組み
――1992年から2010年にかけての白書における産業集積
付論3 産業論・中小企業競争論視座から見た日本での産業集積研究レビュー
――産業集積についての絶対視論と相対視論