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不透明な社会を捉える知の技法社会システム理論

リアリティ・プラス
社会システム理論 不透明な社会を捉える知の技法

四六判 320ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1892-7 C3336
奥付の初版発行年月:2011年11月 / 発売日:2011年11月下旬

内容紹介

断片化し、多様化する現代社会を、一挙に捉える!
▼社会システム理論によって、現代社会のリアリティはどのように捉えられるか?
その知見を踏まえ、私たちはどのような未来をつくることができるのか?
気鋭の社会学者・井庭崇が、宮台真司、熊坂賢次、公文俊平という当代きっての論客を迎え、徹底討論。
読者のリアリティに、新たな知をプラスする!
▼それぞれの対談の中で、各人が影響を受けたニクラス・ルーマン、タルコット・パーソンズや複雑系などを取り上げ、イラストも用いつつ、分かりやすく解説しているため、社会システム理論の入門書としても広く求められる好著。

著者プロフィール

井庭 崇(イバタカシ)

慶應義塾大学総合政策学部准教授
1974年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、同大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。博士(政策・メディア)。国際大学 Global Communication Center 客員研究員。
マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 Center for Collective Intelligence 客員研究員。
著書に、『複雑系入門――知のフロンティアへの冒険』(NTT出版、1998年)等。

宮台真司(ミヤダイシンジ)

1959年生まれ。首都大学東京教授、公共政策プラットフォーム研究評議員。社会学博士。援助交際、サブカルチャー、オウム問題、都市・郊外、少年犯罪、学級崩壊、盗聴法、高天王論、外交問題等、幅広い対象に対する発言を行なっている。鋭い社会分析の背後には、ニクラス・ルーマンの社会システム理論等の理論社会学と思想史の裏付けがある。著書に、『権力の予期理論』(1989年)、『サブカルチャー神話解体』(1993年:共著)、『制服少女たちの選択』(1994年)、『終わりなき日常を生きろ』(1995年)、『まぼろしの郊外』(1997年)、『人生の教科書「よのなか」』(1998年)、『M2:われらの時代に』(2002年:共著)、『絶望から出発しよう』(2003年)、『限界の思考』(2005年:共著)、『14歳からの社会学』(2008年)、『日本の難点』(2009年)、『システムの社会理論』(2010年)など。

熊坂賢次(クマサカケンジ)

947年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部教授、元・環境情報学部学部長。財団法人 ソフトピアジャパン理事長。現代の複雑多様化した社会を理解するために、理解の方法をつくり直すところから取り組んでいる。企業との共同研究も活発に行い、大量のデータから意味を見出す研究を現場とともに行う。社会分析図式のベースには、タルコット・パーソンズの社会システム理論がある。著書に、『行動と社会』(1980年)、『インフォスケープ:情報と環境の新たな地平』(1994年:共著)、『知の風景:インフォスケープの展開』(1996年:共著)、『未来からの留学生』(1996年:共編)、『未来を創る大学:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)挑戦の軌跡』(2004年:共編著)、『創発する社会』(2006年:共著)など。

公文俊平(クモンシュンペイ)

1935年生まれ。多摩大学情報社会学研究所所長・教授。情報社会学会会長。経済学博士。東京大学教養学部教授、国際大学GLOCOM(グローバル・コミュニケーション・センター)所長などを歴任。近代化の最終発展段階としての情報社会の研究に取り組む。1970年代に独自の社会システム理論を提唱。著書に、『社会システム論』(1978年)、『文明としてのイエ社会』(1979年:共著)、『情報文明論』(1994年)、『文明の進化と情報化:IT革命の世界史的意味』(2001年)、『情報社会学序説:ラストモダンの時代を生きる』(2004年)、『情報社会学概論』(2010年:編著)、『情報社会のいま:新しい智民たちへ』(2011年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

プロローグ

序章

第1章 社会を変える知と方法
宮台真司 × 井庭 崇(司会:西田亮介)

■実は二人とも映画監督になりたかった
■ルーマンの社会システム理論の魅力
■ルーマンの社会システム理論の背景
■ルーマンの社会システム理論は発見ツールである
■つくりながら考える
■「全体性」を志向する「知識人」
■中間層の重要性
■新しい教育
■現代日本の難点
■新しいプラットフォームによる包摂
■日本が目指すべきは、アメリカ型かヨーロッパ型か
■かつて教育の成功を支えた日本的前提は、すでに崩れている
■これから求められる専門とは何か――「新しい知識人」と方法のイノベーション
■社会システム理論で「複数の団子に串を通す」
■新しい知識人の行動原理と、新しい学問の創造

第2章 新しい時代のリアリティ
熊坂賢次 × 井庭 崇

■新しい学部と新しい方法
■原発からコカコーラまで――現場志向の社会学
■新しい調査方法をつくる――多義性を引き受ける調査票
■新しい解析方法をつくる:柔らかい構造化
■現場からの出発と、手元からの出発
■パーソンズとルーマンの差異?
■集合的な世界認識――コレクティブ・パーセプション
■新しいネットワーク・メディアの力
■ルーマンの社会システム理論の魅力
■創造なコラボレーションとしてのサッカー
■創造的なプロセスでは何が起きているのか?
■創造とは何か?――創造システム理論の試み
■創造を支えるメディアをつくる
■新しいリアリティをつくる ―― 自然と人間のコラボレーション

第3章 情報社会のゆくえ
公文俊平 × 井庭崇

■「戦前生まれ」の社会学者の歩み
■独自の社会システム理論構築への道
■情報社会のはじまり
■情報社会における創造
■創造社会(クリエイティブ・ソサエティ)=万人がつくる社会へ
■アトムとビットを超えて ―― 量子力学的世界観
■二つのリアリティを育てる
■一部でも切り取らないと、思考は始まらない
■デジタル・ディバイドと管理社会
■今日確実だと思われているものが、明日にはひっくり返ってもおかしくない

エピローグ


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