慶應義塾大学法学研究会叢書83
明治日本の法解釈と法律家
価格:0円 (消費税:0円)
ISBN978-4-7664-1917-7 C3032
奥付の初版発行年月:2012年03月 / 発売日:2012年03月中旬
近代転換期における法解釈と法律家を考察。
我が国における近代的法制度への橋渡しの経過を、法主体(法適用・法運用の任にあたる法律家)の実務的営為の中に再現して叙述する。
明治初期から明治10年代初頭に至る制度機構論的な概説を叙述するとともに、15年前後の法典転換期を背景とする刑法法理上のより個別的な問題関心を論じ、また20年あたりの近代法学識の学びと法学教育・学識審査制度の確立、さらに20~30年代に活躍する在野法曹への視点を提示、大正期の陪審法に至るまでの法曹三者による法廷運営の実際をフォローする大著。
岩谷 十郎(イワタニ ジュウロウ)
慶應義塾大学法学部教授
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程修了
著書に、『時事小言 通俗外交論』(共編、慶應義塾大学出版会、2003年)、『福澤諭吉の法思想』(共編著、慶應義塾大学出版会、2002年)、『新体系日本史2 法社会史』(共著、山川出版社、2001年)、『法社会史』(共著、 山川出版社、2001年)、『明治・大正 町の法曹』(共著、法政大学出版局、2001年)、『法と正義のイコノロジー』(共著、慶應義塾大学出版会、1997年)、『裁判と法の歴史的展開』(共著、敬文堂、1992年)ほか。
目次
はしがき
第一章 明治太政官記の法令の世界
第二章 訓令を仰ぐ大審院
第三章 司法官の近代法適用をめぐる逡巡
第四章 不応為条廃止論考
第五章 擬律の錯誤をめぐる試論的考察
第六章 判決文の近代化―『冗長」と批判された判決書の分析
第七章 近代日本法史における「学識」判事の登場―第一回判事登用試験顛末
第八章 刑事弁護士研究―馬袋鶴之助の場合
第九章 明治刑事法廷異聞
資料篇
事項索引