ミュージアム・エデュケーション ― 感性と知性を拓く想起空間
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-1967-2 C3070
奥付の初版発行年月:2012年09月 / 発売日:2012年09月中旬
学びを創る、自己を深めるミュージアム。
▼ミュージアムの使命は、単に文化的遺物を収集し、保存し、研究し、還元することではない。モノが物語るその歴史や思想と向き合い、「自分」について、そして「自分」と世の中とのつながりを再構築していく空間を創造することではないか。その新しいあり方として、ヴァーチャル・ミュージアムの試みを紹介しながら、「ミュージアム」の持つ魅力の真髄に迫る。
ミヒャエル・パーモンティエ(Michael Parmentier)
1943年生まれ。2008年までフンボルト大学(ベルリン)教授。専門は、ミュージアム・エデュケーション、一般教育学(とくに美的経験と陶冶の問題)。
主要業績は、Ästhetische Bildung, in: Dietrich Benner/Jürgen Oelkers (Hrsg.) Historisches Wörterbuch der Pädagogik. Beltz, 2004, S.11-32 (= 「美的人間形成」今井康雄訳、『東京大学大学院教育学研究科 教育学研究室 研究室紀要』 第33号, 2007年, pp. 131-150)、Einführung in die pädagogische Hermeneutik.Wissenschaftliche Buchgesellschaft,
Darmstadt 2001など。
眞壁 宏幹(マナベ ヒロモト)
1959年生まれ。慶應義塾大学文学部教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科単位取得退学。専門は、陶冶論(美・芸術と人間形成)、ドイツ教育思想史。
主要業績は、論文、訳書:(Generatives Hören.Mimesis und “Symbolischer Prägnanz”,in: Yasuo Iwami/Christoph Wulf (Eds.),Concepts of Aesthetic Education,Münster/New York/München/Berlin(waxmann)、2007, クラウス・モレンハウアー『子どもは美をどう経験するか』(共訳)玉川大学出版部、2001年など。
目次
日本語版に寄せて
訳語解説「Bildung」について
序論 教育学から見たミュージアムの危機――誤解された目的
第Ⅰ部 ミュージアムとは何か――その歴史的再構築
第1章 世界をもう一度――普遍的に再現するというミュージアムの要求はいつ始まり、いつ終わりを迎えたのか
第2章 コレクションの歴史と陶冶理念の誕生――近代ミュージアムの起源をもとめて
第3章 芸術とミュージアム――展示演出のジレンマ
第4章 ミュージアムと学校――いまだ軽視される関係の歴史
第Ⅱ部 ミュージアムの可能性――その理論的考察
第1章 モノで物語る――ミュージアムにおけるナラティヴの可能性と限界
第2章 モノの陶冶価値――あるいはミュージアムの可能性
第3章 アゴラ――ミュージアムの将来のために
第4章 「歴史は戯言」――歴史ミュージアムで年代順展示に替わる代案はあるのか?
第Ⅲ部 ひとつの試み――ヴァーチャル教育ミュージアム「デジタル世界図絵」
第1章 ヴァーチャル教育ミュージアム「デジタル世界図絵」構想
第2章 「デジタル世界図絵」の展示品選択基準と記述方針
訳者あとがき
付録
索引