中国外交と台湾 ―「一つの中国」原則の起源
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-7664-2010-4 C3031
奥付の初版発行年月:2013年02月 / 発売日:2013年02月下旬
▼「一つの中国」原則はいかに形成されたのか?
▼朝鮮戦争停戦から文革前夜へと至る時期に、アメリカ、ソ連、フランス、アジア・アフリカ諸国などとの交渉を通じてなされた台湾問題をめぐる中国外交の選択を、「一つの中国」原則の起源という視点から論じる。
▼中国と台湾の史料を中心とするマルチ・アーカイブを駆使して、「台湾解放」から「一つの中国」へと移行する毛沢東外交のプラグマティックな側面を浮き彫りにした、注目の書。
福田 円(フクダ マドカ)
国士舘大学21世紀アジア学部准教授。1980年生まれ。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。
主要業績:『現代中国外交の六十年』(共著、慶應義塾大学出版会、2011年)、『日中関係史1972-2012 Ⅰ 政治』(共著、東京大学出版会、2012年)、「中仏国交正常化(1964年)と『一つの中国』原則の形成」『国際政治』第163号(2011年)など。
目次
序 章 中国外交と台湾
1 「台湾解放」の追求から「一つの中国」原則の形成へ
2 「一つの中国」原則の形成過程をめぐる今日的解釈
3 「一つの中国」原則の形成過程をめぐる研究史
4 中国における新たな史料公開とマルチ・アーカイブ
5 本書の分析視角と構成
第一章 第一次台湾海峡危機と「二つの中国」問題の生起(1954-
1955年)
はじめに
1 「台湾解放」の再提起
2 金門砲撃と台湾海峡危機
3 浙江沿海島嶼攻略と危機の継続
4 「二つの中国」問題の回避
おわりに
第二章 「平和共存」の時代と「二つの中国」問題の深刻化(1955-
1957年)
はじめに
1 対米直接交渉の限界
2 「平和開放」の限界
3 福建前線における軍事建設
4 「二つの中国」問題の深刻化
おわりに
第三章 第二次台湾海峡危機と「一つの中国」論の生起(1958年)
はじめに
1 金門砲撃作戦の決定
2 金門砲撃作戦の展開
3 政治軍事闘争の限界
4 金門・馬祖「解放」の長期棚上げ
おわりに
第四章 中ソ対立と「一つの中国」論の動揺(1958-1961年)
はじめに
1 第二次台湾海峡危機後の対台湾工作
2 台湾問題をめぐる中ソ間の齟齬
3 第一六回国連総会における国連中国代表権問題
おわりに
第五章 「大陸反攻」への反対と「一つの中国」論の確認(1959-
1962年)
はじめに
1 「大陸反攻」に対する脅威認識
2 反「大陸反攻」の軍事動員
3 台湾海峡における軍事的緊張の利用
4 「一つの中国」論の前提としての反「大陸反攻」
おわりに
第六章 冷戦構造の多極化と「一つの中国」原則の形成(1962-
1965年)
はじめに
1 ラオス危機と「一つの中国」原則
2 中仏国交正常化交渉における「一つの中国」原則
3 旧仏領アフリカ諸国との外交関係樹立交渉における「一つの中国」原則
4 「一つの中国」原則の発展とその限界
おわりに
結 論 「一つの中国」原則の起源とその論理
1 「一つの中国」論の形成
2 「一つの中国」論の射程
3 「一つの中国」原則の起源
巻末史料
主要参考文献一覧
初出一覧
あとがき
索 引