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―グローバル化への変容プロセス雇用システムの多様化と国際的収斂

慶應義塾大学産業研究所叢書
雇用システムの多様化と国際的収斂 ―グローバル化への変容プロセス

A5判 240ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-2023-4 C3034
奥付の初版発行年月:2013年03月 / 発売日:2013年03月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

「日本的経営」変容の要因と構造を解明

▼「日本型」雇用システムを長期的な動態過程のなかで捉え直し、その特徴と変容を日本の制度的環境や業種特性、企業の競争戦略との関係から説明、そしてグローバル化によって変貌する「日本的経営」の未来像を映し出す。
▼最新の理論研究と、銀行・証券・保険業界などへの詳細な独自調査に基づき、人事制度の国内多様化と国際的収斂への展望を描いた迫力の論考!

著者プロフィール

山内 麻理(ヤマウチ マリ)

慶應義塾大学産業研究所共同研究員(2009年~)、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員(2012年~)。
上智大学外国語学部卒業、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)修士課程修了。慶應義塾大学 博士(商学)。
モルガンスタンレー証券会社、JPモルガン証券会社など主に米系の金融機関を経て、2005~2011年UBS証券会社勤務(うち2009年からはUBS銀行東京支店兼務)、ウェルスマネジメント部門、商品開発責任者、マネージング・ディレクターを務める。
2009~2010年青山学院大学大学院国際マネジメント研究科非常勤講師、2011年~上智大学外国語学部非常勤講師。
主要業績に、「金融機関における雇用制度の多様性」『労務学会会誌』第12巻第1号(2010年)、「多様性と収斂――リーマンショック以降の証券会社の雇用制度の変化」『三田商学研究』第54巻第2号(2011年)、ジョージ・オルコット『外資が変える日本的経営――ハイブリッド経営の組織論』(共訳、日本経済新聞出版社、2010年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 本書の目的と問題意識
 1.本書の目的
 2.多様化と収斂に関する議論
 3.国における多様性の出現
 4.日本における多様性の出現
 5.先行研究から導かれる問題意識
 6.本書の構成

第2章 理論的フレームワーク
 1.本書の理論的フレームワーク
 2.資本主義の多様性
  2.1 資本主義の多様性(VoC)アプローチ
  2.2 LMEの制度的補完性
  2.3 CMEの制度的補完性
  2.4 VoCがもたらす比較制度優位(劣位)
  2.5 その他の代表的な類型
  2.6 日本の制度環境に関する国際的位置付け
  2.7 VoCアプローチに対する批判
  2.8 VoCアプローチにおける制度変化
 3.組織フィールドと制度化(脱制度化)のプロセス
  3.1 組織フィールド
  3.2 脱制度化のプロセス
  3.3 制度的企業家
  3.4 多様化と収斂
 4.雇用システムの分析アプローチ
  4.1 戦略的人的資源管理論と環境要因
  4.2 戦略的人的資源管理論における3つの代表的なアプローチ
  4.3 雇用システムのコンフィギュレーション
  4.4 組織フィル―ドの構成員
 5.変化や多様性を分析する3つの視点

第3章 研究方法と先行研究
 1.研究方法
 2.事例調査の対象産業の選択理由
 3.関連する文献
  3.1 外資系企業に関する文献
  3.2 外資系企業と日系企業の比較に関する文献
  3.3 特定の産業(金融機関と自動車産業)の人事制度に関する先行
     研究
  3.4 統計から見られる金融機関の人事制度の特徴
  3.5 金融機関の人事制度に関する歴史的文献

第4章 金融機関のケーススタディ(第1回事例調査)
    ――2008年~2009年
 1.第1 回事例調査の概要
 2.調査対象企業の選択
 3.調査対象企業17社
 4.調査項目
 5.聞き取り調査の結果
  5.1 銀行の特徴
  5.2 証券会社の特徴
  5.3 生保の特徴
 6.第1回事例調査の結果分析
  6.1 資本国籍要因
  6.2 業種要因
  6.3 個別企業要因
  6.4 ホスト国要因
  6.5 コンフィギュレーション
  6.6 変化の方向性
 7.第1回事例調査の結論と含意

第5章 証券会社のケーススタディ(第2回事例調査)
    ――2010年
 1.第2回事例調査の目的
 2.第2回事例調査の概要
 3.調査企業の概要
 4.調査結果
  4.1 入退職・キャリア形成
  4.2 グレード・報酬制度
 5.多様性の進展と変化の方向性
  5.1 変化とその方向性
  5.2 多様性と収斂
  5.3 資本国籍間の差異
 6.第2回事例調査の結論と含意

第6章 他産業のアンケート調査
    ――2010年
 1.統計調査の目的
 2.調査対象企業
 3.国内外資系企業の動向
 4.調査項目
 5.調査結果
  5.1 資本国籍要因
  5.2 業種要因
  5.3 外資・日系別の業種要因
  5.4 人事制度のコンフィギュレーション
 6.質問紙調査の結論と今後の課題

第7章 本書の結論
 1.本書の要約
 2.本書における主要な結論
  2.1 多様性の背景
  2.2 多様性の構図
  2.3 変化の方向性
  2.4 個別企業による「下からの(“from below”)」変化
 3.本書の含意
  3.1 漸進的制度変化のプロセス
  3.2 組織フィールドの変化と制度的企業家の役割
  3.3 SHRMや労働経済学からの含意
  3.4 国際的収斂の可能性

あとがき
参考文献
索引


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