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宗教的アイデンティティーと権威の変遷イスラームの形成

イスラームの形成 宗教的アイデンティティーと権威の変遷

A5判 464ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-2033-3 C3022
奥付の初版発行年月:2013年04月 / 発売日:2013年04月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

イスラームの1000年史

▼中世イスラーム社会史研究の俊英、ジョナサン・バーキーによるイスラーム通史の決定版。
▼古代末期からイスラーム時代への継続性や民間のイスラーム実践の実態も踏まえながら、イスラームの形成の新しい歴史観を描く。
▼北米中東学会 アルバート・ホーラーニー賞受賞作の初邦訳。

著者プロフィール

ジョナサン・バーキー(Jonathan P. Berkey)

デイヴィッドソン大学歴史学科教授 (学科長)。1981 年にウィリアムズ大学を卒業後、プリンストン大学で歴史学の博士号を取得 (1989 年)。中世イスラーム社会史を専門とし、イスラームにおける教育、民間信仰、説教、女性などの観点からマムルーク朝期のアラブ諸都市で活躍するウラマーおよび民衆の実態を照射するとともに、イスラームにおける 「正統」 と 「逸脱」 の相克、権威の諸形態を考察する論考を数多く発表している。
著書に The Transmission of Knowledge in Medieval Cairo: A Social History of Islamic Education, Princeton University Press, 1992 や、 Popular Preaching and Religious Authority in the Medieval Islamic Near East, University of Washington Press, 2001 がある。

野元 晋(ノモト シン)

2000年マッギル大学 (カナダ、モントリオール) 大学院博士課程修了。Ph.D. 現在、 慶應義塾大学言語文化研究所教授。専門は、イスラーム思想史 (ことにシーア派諸派の思想)。
主要論文・著書に、“Early Ismā⁽īlī Thought on Prophecy According to the Kitāb al-Iṣlāḥ by Abū Hātim al-Rāzī (d. ca. 322/934-5)” (Ph. D. dissertation, McGill University, Montréal, 1999)、「イブン ・ ルシュド」 『哲学の歴史』 第3巻 『神との対話 [中世]』 (内山勝利 ・ 小林道夫 ・ 中川純男他編。 中川純男責任編集 (第3巻)、中央公論新社、2008年)、 “An Early Ismā⁽īlī-Shī⁽ī Thought on the Messianic Figure (the Qā⁾im) according to al-Rāzī (d. ca. 322/933-4)”, Orient 44 (2009)、「イスマーイール派の預言者論──初期の新プラトン主義学派を中心に」 『イスラーム哲学とキリスト教中世』 第Ⅲ冊 『神秘哲学』 (竹下政孝 ・ 山内志朗編、岩波書店、2012 年) など。

太田(塚田) 絵里奈(オオタ(ツカダ) エリナ)

慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程。2007年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。2008年~2011年エジプト・アラブ共和国立カイロ大学大学院文学研究科留学。専門は、前近代イスラーム史、アラブ社会史。
主要論文に 「後期マムルーク朝社会におけるワーイズの実像――人気説教師クドゥスィーの場合」 『西南アジア研究 71』 (2009年)、「中世アラブ社会におけるワアズとワーイズ――その教育的側面を中心に」 『アジアにおける 「知の伝達」 の伝統と系譜』 (山本正身編、慶應義塾大学出版会、2012年)、 “A Popular Preacher in Late Mamlūk Society: A Case Study of a Prominent Wā⁽iẓ, Abū al-⁽Abbās al-Qudsī”, Orient 48, 2013. 翻訳にフサーム ・ ムハンマド ・ アブドゥル = ムウティー著 「オスマン朝時代のアレクサンドリア── 923 ─ 1213 / 1517 ─ 1798 年」 (アラビア語) 『ナイル・デルタの環境と文明 Ⅱ』 (長谷部史彦編、早稲田大学イスラーム地域研究機構、2013 年) など。

上記内容は本書刊行時のものです。

【著者】
ジョナサン・バーキー(Jonathan. P Berkey)
デイヴィッドソン大学歴史学科教授 (学科長)。

【訳者】
野元 晋(のもと しん) [第Ⅰ部、第Ⅲ部]
慶應義塾大学言語文化研究所教授。

太田(塚田) 絵里奈(おおた(つかだ) えりな) [第Ⅱ部、第Ⅳ部]
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程。

目次

日本語版によせて
序文
凡例
地図

第Ⅰ部 イスラーム以前の近東
    第1章 序論
    第2章 古代末期の諸宗教
    第3章 イスラーム以前のアラビア
    第4章 七世紀初頭

第Ⅱ部 イスラームの出現(六〇〇―七五〇年)
    第5章 さまざまな研究方法(アプローチ)と問題
    第6章 イスラム共同体の起源
    第7章 近東における初期イスラーム
    第8章 ウマイヤ朝
    第9章 諸宗派の始まり
    第10章 初期イスラームにおける非ムスリム
    第11章 アッバース朝革命

第Ⅲ部 イスラームの基礎確立(七五〇―一〇〇〇年)
    第12章 イスラーム的アイデンティティーの諸問題
    第13章 宗教と政治
    第14章 シーア派
    第15章 スンナ派伝統主義の形成
    第16章 禁欲主義と神秘主義
    第17章 非ムスリム宗派共同体

第Ⅳ部 中期のイスラーム(一〇〇〇―一五〇〇年)
    第18章 中期イスラーム近東
    第19章 中期イスラーム世界の特徴
    第20章 スンナ派の「復興」?
    第21章 社会・政治組織における共通パターン
    第22章 公正の諸様態
    第23章 宗教的知識の伝達
    第24章 スーフィズム
    第25章 民間信仰

結 部(エピローグ)
   第26章 中期から近代イスラームへ

訳者解説――あとがきにかえて
グロッサリー
文献案内

索引


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