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―法と政治の間フランス憲政学の動向

フランス憲政学の動向 ―法と政治の間

山元 一:編訳, 只野 雅人:編訳
A5判 324ページ 上製
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-7664-2063-0 C3032
奥付の初版発行年月:2013年08月 / 発売日:2013年08月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

▼憲法学のあるべき姿、今あらためて考える。

憲法学の「法律学化」に警鐘を鳴らし、「法と政治というものは不可分」という基本認識のもと、その学問的視野に「政治」を収める意義や必要性を説く。フランス憲法学界の新潮流から生み出された論文選。

著者プロフィール

山元 一(ヤマモト ハジメ)

慶應義塾大学大学院法務研究科教授
慶應義塾大学大学院法務研究科教授
主要業績:『政治参画とジェンダー』(共編,東北大学出版会,2007年),『ヨーロッパ「憲法」の形成と各国憲法の変化』(共編,信山社,2012年)など。

只野 雅人(タダノ マサヒト)

一橋大学大学院法学研究科教授
主要業績:『選挙制度と代表制――フランス選挙制度の研究』(勁草書房,1995年),『憲法の基本原理から考える』(日本評論社,2006年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

【編訳者】
山元 一(やまもと はじめ)
慶應義塾大学大学院法務研究科教授

只野 雅人(ただの まさひと)
一橋大学大学院法学研究科教授

【訳者】(掲載順)
新井 誠(あらい まこと)
広島大学大学院法務研究科教授
主要業績:『議員特権と議会制――フランス議員免責特権の展開』(成文堂,2008年),『現代アメリカの司法と憲法――理論的対話の試み』(共編著,尚学社,2013年)など。

井上 武史(いのうえ たけし)
岡山大学法学部准教授
主要業績:『憲法改革の理論と展開・下巻』(共著,信山社,2012年),「フランスにおける事後審査制導入の影響――通常裁判所の法解釈に対する違憲審査」(岡山大学法学会雑誌62巻1号(2012年))など。

曽我部 真裕(そがべ まさひろ)
京都大学大学院法学研究科教授
主要業績:『反論権と表現の自由』(有斐閣,2013年),『憲法論点教室』(共編,日本評論社,2012年)など。

奥村 公輔(おくむら こうすけ)
駒澤大学法学部専任講師
主要業績:「『立法手続と司法審査』の再構成――フランスにおける法律案提出手続に対する裁判的統制を素材として」(比較憲法学研究22号(2010年)),『憲法改革の理念と展開・上巻』(共著,信山社,2012年)など。

大藤 紀子(おおふじ のりこ)
獨協大学法学部教授
主要業績:“Tradition constitutionnelle et supra-constitutionnalité : y a-t-il une limite à la révision constitutionnelle ? L'exemple de la Constitution japonaise” (Revue française de Droit constitutionnel, 59, 2004),「差異における国際人権――EUにおける人権保障」(国際人権23号(2012年))など。

南野 森(みなみの しげる)
九州大学法学部准教授
主要業績:『リアリズムの法解釈理論――ミシェル・トロペール論文撰』(編訳,勁草書房,2013年),『憲法学の世界』(編著,日本評論社,2013年),『憲法学の現代的論点〔第2版〕』(共著、有斐閣、2009年)など。

徳永 貴志(とくなが たかし)
和光大学経済経営学部講師
主要業績:『政治変動と憲法理論』(共著,敬文堂,2011年),「フランス議会における審議の合理化」(一橋法学9巻3号(2010年))など。

池田 晴奈(いけだ はるな)
近畿大学法学部専任講師
主要業績:『人権保障の現在』(共著,ナカニシヤ出版,2013年),「1958年憲法によるフランス違憲審査制の制定経緯――2008年憲法改正による事後審査制導入から見る」(同志社法学63巻5号(2011年))など。

佐々木 くみ(ささき くみ)
東北学院大学法学部准教授
主要業績:「憲法学における通約不能性の意義」(法学66巻3号(2002年)),「『思想の自由』を真面目にうけとること」(ジュリスト1400号(2010年))など。

中島 宏(なかしま ひろし)
山形大学人文学部准教授
主要業績:「空知太神社事件最高裁判決と目的効果基準」(宗教法31号(2012年)),「フランスにおけるブルカ禁止法と共和国の課題」(憲法問題23号(2012年))など。

目次

まえがき――憲法学の「法律学化」と「政治学的傾向」をこえて?
(樋口陽一)
日本語版へのはしがき (アルメル・ル・ディヴェレック)
  
解題Ⅰ 現代フランス憲法学にとっての「政治法」の意義 (山元 一)
解題Ⅱ 現代フランス統治構造論と「政治法」 (只野雅人)

第Ⅰ部 「政治法」とは何か
 第1章 『政治法』創刊のことば (山元 一訳)
 第2章 法学と政治学 (フィリップ・レイノー/新井 誠訳)
 第3章 立憲主義の現況
     ――法による民主主義という観念に関する若干の考察
    (ジャン=マリー・ダンカン/井上武史訳)
 第4章 「政治法」についての考察 (クリストフ・グズィ/山元 一
     訳)
 第5章 承認と否認――政治法の理論に関する一考察
    (カルロス=ミゲル・ピマンテル/曽我部真裕訳)

第Ⅱ部 フランス憲政学の基礎理論
 第1章 「憲法の罠」――憲法史と憲法学 (ドゥニ・バランジェ/
     奥村公輔訳)
 第2章 主権の後,主観的権利はどうなるか? (カトリーヌ・コリ
     オ=テレーヌ/大藤紀子訳)
 第3章 フランスにおける憲法概念の歴史――政治的憲法から国
     家の法的地位としての憲法へ (オリヴィエ・ボー/南野 森
     訳)
 第4章 フランスにおけるいくつかの憲法問題に憲法習律(convention
     de la constitution)の観念を適用すること (ピエール・ア
     ヴリル/徳永貴志訳)

第Ⅲ部 統治と人権
 第1章 混乱した憲法秩序――名状しがたい,不安定なフランス憲法
    (アルメル・ル・ディヴェレック/只野雅人訳)
 第2章 フランスにおける憲法裁判のモデルと捉え方――批判的総括
    (オリヴィエ・ジュアンジャン/山元 一・池田晴奈訳)
 第3章 「公的自由」から「基本権」へ――名称の変化の効果と争点
    (ヴェロニク・シャンペイユ=デスプラ/佐々木くみ訳)
 第4章 公的自由の制限を可能にする新たな技術
     ――スペクタクルの社会における自由の保護について
     (パトリック・ヴァクスマン/中島 宏訳)

編者あとがき
初出一覧
訳者紹介


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