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存在顕現の形而上学 一九七八年 ― 一九八〇年

井筒俊彦全集第五巻
存在顕現の形而上学 一九七八年 ― 一九八〇年

井筒 俊彦:著, 木下 雄介:解題・索引
四六判 640ページ 上製函入(ビニールカバー付き)
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-7664-2075-3 C3310
奥付の初版発行年月:2014年05月 / 発売日:2014年05月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

世界から日本へ、井筒哲学第三期が始まる

▼イランから帰国し、長年に亘る海外での思索が日本語著作として結実する著作群(1978年-1980年)を、発表年月日順に収録。

▼今道友信らとの対談や、イスラーム哲学、禅仏教を論じる著作から、師や朋友を語るエッセイまで、日本語で自らの思想を紡ぎだそうとした第三期初動の巻。

▼池澤夏樹、山内志朗、合庭惇各氏の豪華な執筆陣による月報付き。

著者プロフィール

井筒 俊彦(イヅツ トシヒコ)

1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。
1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。

木下 雄介(キノシタ ユウスケ)

中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。
1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。
主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。

上記内容は本書刊行時のものです。

【著者】
井筒 俊彦(いづつ としひこ)

【解題・索引】
木下 雄介(きのした ゆうすけ)
中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。

目次

凡 例

 一九七八年
『イスラーム古典叢書』監修者のことば
東西の哲学〔今道友信との対談〕
モッラー・サドラー『存在認識の道――存在と本質について』解説
『ルーミー語録』解説
『ロシア的人間』後記――新版発刊にさいして
『神秘哲学』新版前書き

 一九七九年
対話と非対話――禅問答についての一考察
追 憶
イスラーム世界とは何か〔岩村忍との対談〕
『イスラーム生誕』はしがき
イスラームとは何か
 一 イスラームとジャーヒリーヤ / 二 イスラーム――実存的飛躍 /
 三 イスラーム精神とジャーヒリーヤ精神 / 四 イスラーム的信仰 /
 五 宗教共同体の成立 / 六 「アブラハムの宗教」 /
 七 アッラーという神 / 八 イスラームの預言者
本質直観――イスラーム哲学断章

 一九八〇年
国際会議・学際会議
道 程
慶應国際シンポジウム所感
武者修業
正師を求めて

イスラーム哲学の原像
  序
 第一部 イスラーム哲学の原点――神秘主義的主体性のコギト
  第一回講演
  Ⅰ 問題の所在 / Ⅱ スーフィズムと哲学の合流 /
  Ⅲ スーフィズムと哲学の歴史的接点 /
  Ⅳ アヴェロイスとイブン・アラビー / Ⅴ 神秘主義とは何か? /
  Ⅵ 自我意識の消滅 / Ⅶ ナジュムッ・ディーン・クブラー /
  Ⅷ シャーマン的世界とスーフィー的世界 /
  Ⅸ 意識構造モデルの基本としての「魂」 / Ⅹ 二つの霊魂観 /
  Ⅺ スーフィー的意識の構造 /
  Ⅻ スーフィー的深層意識と唯識的深層意識
  第二回講演
  Ⅰ 意識の変貌 / Ⅱ 観想のテクニック / Ⅲ ズィクル修行 /
  Ⅳ イマージュの湧出 / Ⅴ 「神顕的われ」と「神的われ」 /
  Ⅵ 神的第一人称 / Ⅶ スーフィズムと哲学的思惟 /
  Ⅷ 意識零度・存在零度 / Ⅸ 意識と存在の構造モデル /
  Ⅹ 哲学的主体性の成立 / Ⅺ 存在世界の段階的構造

 第二部 存在顕現の形而上学
  Ⅰ 序 / Ⅱ 存在概念と存在リアリティー /
  Ⅲ アヴィセンナの存在偶有説 / Ⅳ 形而上的実在としての存在 /
  Ⅴ 意識の変貌 / Ⅵ 表層意識と深層意識 /
  Ⅶ 意識の「ファナー」と「バカー」 /
  Ⅷ 存在の「ファナー」と「バカー」 /
  Ⅸ 人間の三段階 / Ⅹ 存在の自己顕現 /
  Ⅺ 存在顕現の構造学

師と朋友     

 解 題 木下雄介
 索 引


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