井筒俊彦全集第九巻
コスモスとアンチコスモス 一九八五年 ― 一九八九年(講演音声CD付き)
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-7664-2079-1 C3310
奥付の初版発行年月:2015年02月 / 発売日:2015年02月中旬
コトバと存在の深層領域へ――。
▼1985 年~ 1989 年の、井筒円熟期に書かれた著作群を、発表年月日順に掲載。
▼単行本・著作集未収録の『西田幾多郎全集』推薦文、「風景」などを収録。
▼貴重な講演音声 CD 「コスモスとアンティ・コスモス ― 東洋哲学の立場から」付き。
▼月報執筆は、山本芳久(哲学者)、澤井義次(宗教学者)、吉村萬壱(作家)各氏。
井筒 俊彦(イヅツ トシヒコ)
1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。
1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
木下 雄介(キノシタ ユウスケ)
中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。
1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。
主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
【著者】
井筒 俊彦(いづつ としひこ)
【解題・索引】
木下 雄介(きのした ゆうすけ)
中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。
目次
凡 例
一九八五年
事事無礙・理理無礙 ―― 存在解体のあと
三田時代 ―― サルトル哲学との出合い
『叡知の台座』まえがき
一九八六年
創造不断 ―― 東洋的時間意識の元型
イスマイル派「暗殺団」 ―― アラムート城砦のミュトスと思想
エリアーデ哀悼 ―― 「インド体験」をめぐって
『西谷啓治著作集』推薦
「開かれた精神」の思想家
一九八七年
「気づく」 ―― 詩と哲学の起点
『みすず』読書アンケート(一九八六年)への回答
コスモスとアンチコスモス ―― 東洋哲学の立場から
風 景
『図書』「私の三冊」への回答
いま、なぜ、「西田哲学」か
一九八八年
下村先生の「主著」
禅的意識のフィールド構造
『ロシア的人間』後記
一九八九年
『マホメット』「学術文庫」版まえがき
『コスモスとアンチコスモス』後記
解 題 木下雄介
索 引
附 録
井筒俊彦講演音声CD
コスモスとアンティ・コスモス ―― 東洋哲学の立場から