書物の来歴、読者の役割
A5判変型 274ページ 上製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-2091-3 C3000
奥付の初版発行年月:2013年10月 / 発売日:2013年10月上旬
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-2091-3 C3000
奥付の初版発行年月:2013年10月 / 発売日:2013年10月上旬
内容紹介
書物と人との出会いの歴史
▼一冊の書物は読者とのかかわりのなかで、どのように変容していくのか。
古今東西の貴重書に残された痕跡をてがかりに、その歴史と文化を分析する11篇の論考集。
(掲載順)
【編者】
松田隆美(まつだ・たかみ)
慶應義塾大学文学部教授(中世英文学、思想史)。
【執筆者】
金沢百枝(かなざわ・ももえ)
東海大学文学部准教授(西洋美術史)。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学)/東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(Ph.D.)。
主要業績:『ロマネスクの宇宙――ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』(東京大学出版会、2008年)、『イタリア古寺巡礼シチリア→ナポリ』(共著、新潮社、2012年)。
原 基晶(はら・もとあき)
京都造形大学東京芸術学舎非常勤講師(イタリア文学)。東京外国語大学大学院前期課程修了(修士)。
主要業績:「地獄篇 第七圏 第三小圏――平和の詩学」(『世界文学』、2002年)、『神曲』(単独訳、講談社、近刊)。
山本昭彦(やまもと・あきひこ)
岩手大学人文社会科学部教授(フランス文学、表象文化論)。パリ第8大学博士課程単位取得退学(D.E.A.)。
主要業績:「ボードレール「腐肉」とセザンヌ、マティス」(『アルテス・リベラレス』第72号、2003年)、『賢治とイーハトーブの「豊穣学」』(共編著、大河書房、2013年)。
池田真弓(いけだ・まゆみ)
日本学術振興会特別研究員PD(西洋美術史、書物史)。ロンドン大学コートールド美術研究所博士課程修了(Ph.D.)。
主要業績:“Illumination and Rubrication of Two Gutenberg Bibles: Unravelling Their Links to the Fust and Schöffer Office.” Gutenberg-Jahrbuch 87 (2012): 71-92,「フスト・マイスターとハイデルベルク――十五世紀マインツ・ハイデルベルクにおける写本装飾再考」(『美術史』第174号、2013年、252-271頁)。
髙宮利行(たかみや・としゆき)
慶應義塾大学名誉教授(中世英文学、書物史)。ケンブリッジ大学英文学部大学院博士課程修了。
主要業績: Aspects of Malory, jointly edited with Derek Brewer (Woodbridge: Boydell & Brewer, 1981), 『西洋書物学事始め』(青土社、1993年)。
大串尚代(おおぐし・ひさよ)
慶應義塾大学文学部准教授(アメリカ文学)。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了(Ph.D.)。
主要業績:『ハイブリッド・ロマンス——アメリカ文学にみる捕囚と混淆の伝統』(松柏社、2002年)、『アメリカン・ヴァイオレンス――見える暴力、見えない暴力』(共著、彩流社、2013年)。
髙橋 智(たかはし・さとし)
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授(中国版本学)。文学博士。慶應義塾大学大学院博士課程修了。
主要業績:『室町時代古鈔本『論語集解』の研究』(汲古書院、2008年)、『書誌学のすすめ』(東方書店、2010年)。
小倉孝誠(おぐら・こうせい)
慶應義塾大学文学部教授(近代フランスの文学と文化史)。パリ第4大学博士課程修了(Ph.D.)。
主要業績:『パリとセーヌ川』(中公新書、2008年)、『恋するフランス文学』(慶應義塾大学出版会、2012年)。
浅見雅一(あさみ・まさかず)
慶應義塾大学文学部教授(キリシタン史)。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。
主要業績:『キリシタン時代の偶像崇拝』(東京大学出版会、2009年)、『フランシスコ=ザビエル 東方布教に身をささげた宣教師』(山川出版社、2011年)。
堀川貴司(ほりかわ・たかし)
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授(日本漢文学・和漢書誌学)。東京大学大学院博士課程満期退学(博士(文学))。
主要業績:『書誌学入門 古典籍を見る・知る・読む』(勉誠出版、2010年)、『五山文学研究 資料と論考』(笠間書院、2011年)。
目次
前言 松田 隆美
「見る書物」としての《バイユーのタピスリー》
――その解釈の変遷 金沢 百枝
失われた自筆原稿を求めて
――ダンテ『神曲』のテキストを読むということ 原 基晶
グーテンベルク聖書の手書き要素から辿る来歴 池田 真弓
エリザベス1世の侍女の時禱書
――「フィトン時禱書」の特色と来歴 松田 隆美
閨秀古英語研究者のアソシエーション・コピー
――エリザベス・エルストブとアンナ・ガーニーの場合 髙宮 利行
海を渡るヒロインたち
――日本における翻訳小説と少女マンガ 大串 尚代
『春と修羅』と賢治にとっての「本」 山本 昭彦
漢籍の書物捜索 髙橋 智
作品はどのように生成するか
――エミール・ゾラから永井荷風へ 小倉 孝誠
キリシタン時代の良心問題に関する手引書
――マルティン・デ・アスピルクエタとその周辺 浅見 雅一
もう一つの『百人一首』 ―― 五山文学受容の一様相 堀川 貴司
執筆者紹介