都市・地域・不動産の経済分析
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-2120-0 C3033
奥付の初版発行年月:2014年03月 / 発売日:2014年03月下旬
▼都市・空間経済学の最先端!
住宅、税・金融、地域振興・観光、情報化など、
現代日本経済の重要課題を取り上げ
理論、実証、政策の各面から分析する。
新進気鋭の若手研究者16人による研究成果。
隅田 和人(スミタ カズト)
東洋大学経済学部准教授
1997年慶應義塾大学総合政策学部卒業、1999年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2002年同博士課程単位取得退学。博士(経済学)。2002年金沢星稜大学経済学部専任講師、2008年同准教授を経て、2013年より現職。専門は計量経済学、住宅市場分析。
主な業績:「住宅ローン減税の東京都区部中古マンション価格に及ぼす影響についての実証分析――エラー修正モデルによる接近」『応用地域学研究』8(2)、2003年;「住宅価格変動の計量経済分析――地域データを用いた非定常パネル・データ分析」蓑谷千凰彦・牧厚志編『応用計量経済学ハンドブック』朝倉書店、第8章、2010年ほか。
直井 道生(ナオイ ミチオ)
慶應義塾大学経済学部准教授
2001年慶應義塾大学経済学部卒業、2003年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2006年同博士課程単位取得退学。博士(経済学)。2003年慶應義塾大学経済学部研究助手、2006年同大学大学院商学研究科特別研究講師、2008年同大学経済学部特別研究講師、2010年東京海洋大学海洋工学部助教を経て、2013年より現職。専門は都市経済学、応用計量経済学。
主な業績: “Earthquake Risk and Housing Prices in Japan: Evidence before and after Massive Earthquakes,” Regional Science and Urban Economics, 39 (6), 2009(共著); “Community Rating, Cross Subsidies and Underinsurance: Why So Many Households in Japan Do Not Purchase Earthquake Insurance,” Journal of Real Estate Finance and Economics, 40 (4), 2010(共著); “Unemployment Risk and the Timing of Homeownership in Japan,” Regional Science and Urban Economics, 41 (3), 2011(共著);『自然災害リスクの経済分析』三菱経済研究所、2011年ほか。
奥村 保規(オクムラ ヤスノリ)
阪南大学経済学部准教授
2001年横浜市立大学商学部卒業、2003年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了、2007年同博士課程単位取得退学。博士(経済学)。2004年慶應義塾大学経済学部研究助手、2006年財団法人三菱経済研究所研究員、2008年神奈川大学経済学部特任助教、2010年阪南大学経済学部専任講師を経て、2011年より現職。専門は理論経済学。
主な業績: “A Network Formation Process Converges to the Complete Collaboration Network,” Mathematical Social Sciences, 53 (2), 2007;『広告の経済分析――ミクロ経済学的アプローチ』三菱経済研究所、2008; “A Dynamic Analysis of Collusive Networks,” Review of Economic Design, 15 (4), 2011; “Spatial Competition and Collaboration Networks,” International Journal of Game Theory, 41 (3), 2012; “Privatization Neutrality Theorem Revisited,” Economics Letters, 118 (2), 2013(共著)ほか。
【編著者】
隅田 和人(すみた かずと)〔編者、序文・第4章〕
東洋大学経済学部准教授
直井 道生(なおい みちお)〔編者、序文・第1章〕
慶應義塾大学経済学部准教授
奥村 保規(おくむら やすのり)〔編者、序文・第11章〕
阪南大学経済学部准教授
【執筆者】
石野卓也(いしの たくや)〔第2章〕
金沢星稜大学経済学部講師
2005年慶應義塾大学商学部卒業、2007年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2011年同博士課程修了。博士(経済学)。2007年慶應義塾先導研究センター研究員、2011年慶應義塾大学経済学部助教を経て、2013年より現職。専門は都市経済学。
主な業績:「高齢者の不動産保有と遺産贈与」『日本不動産学会誌』95、2011年;『住宅を通じた親子間の所得移転と住宅需要』博士学位論文、慶應義塾大学、2011年; “Earthquake Risk in Japan: Consumers’ Risk Mitigation Responses after the Great East Japan Earthquake,” Journal of Economic Issues, 46 (2), 2012(共著);「東日本大震災の幸福感への影響」瀬古美喜・照山博司・山本勲・樋口美雄ほか編『日本の家計行動のダイナミズム〔Ⅷ〕――東日本大震災が家計に与えた影響』慶應義塾大学出版会、2012年(共著)ほか。
三好向洋(みよし こうよう)〔第3章〕
愛知学院大学経済学部講師
2000年慶應義塾大学経済学部卒業、2002年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2008年同博士課程単位取得退学。博士(経済学)。2012年愛知学院大学商学部専任講師を経て、2013年より現職。専門は労働経済学。
主な業績: “Male-Female Wage Differentials in Japan,” Japan and the World Economy, 20 (4), 2008; “Crime and Local Labor Market Opportunities for Low-skilled Workers: Evidence Using Japanese Prefectural Panel Data,” Pacific Economic Review, 16 (5), 2011; “The Effects of Implicit Contracts on Wages: Evidence from the Japanese Labor Market,” Economic Letters, 115 (2012)ほか。
白石憲一(しらいし けんいち)〔第5章〕
群馬医療福祉大学准教授
1994年中央大学経済学部卒業、1996年慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了、1999年同博士課程単位取得退学。2007年群馬社会福祉大学(2010年群馬医療福祉大学に名称変更)専任講師を経て、2011年より現職。専門は経済統計学。
主な業績:「住宅税制と持家住宅投資の実効限界税率」『都市住宅学』33号、2001年;「持家住宅投資に関する日米比較分析」『KEIO SFC JOURNAL』Vol.2、No.1、2003年;「介護サービス需要の実証分析」『群馬社会福祉論叢』第2集、2010年;「還付可能な税額控除制度の国際比較分析」『群馬社会福祉論叢』第3集、2011年ほか。
福井康子(ふくい やすこ)〔第6章〕
都市経済研究所研究統括
九州大学大学院経済学研究科修士課程修了、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1989年都市経済研究所入社、福岡大学非常勤講師、神奈川大学非常勤講師などを経て、2010年より現職。専門は都市経済学、都市開発、不動産金融、防災、国際協力。
主な業績:『観光地づくりの実践』日本観光協会(共著);『新しい時代の固定資産税制』資産評価システム研究センター、1999年(共著);「アメリカにおける財産税の評価について」『地方税』48(4)、1997年;「わが国8大都市におけるキャップレートの把握」『住宅土地経済』59、2006年(共著)ほか。
芦谷典子(あしや のりこ)〔第7章〕
明海大学不動産学部准教授
1994年慶應義塾大学経済学部卒業、1996年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、1999年同博士課程単位取得退学。博士(経済学)。1999年明海大学不動産学部講師、2006年明海大学不動産学部助教授、2007年より名称変更により現職。専門は不動産流動化、国際経済。
主な業績: “The Robustness of Cartels Facilitated by Anti-dumping Regulations,” Australian Economic Papers, 43 (3), 2004; “‘Perfect’Real Estate Liquidity and Adjustment Paths to Long-run Equilibrium,” Journal of International Economic Studies, 27 (5), 2013; “Determinants of Potential Seller/Lessee Benefits in Sale-Leaseback Transactions,” International Real Estate Review, forthcoming 2013;「資産流動化時代の経済連動」宮﨑憲治編『選好と国際マクロ経済学』法政大学出版局、第4章、2012年;「PRE――日本に有効な「セール・リースバック手法の導入規準『季刊誌 公共施設マネジメント』Vol.9、2013年ほか。
澤村明(さわむら あきら)〔第8章〕
新潟大学経済学部准教授
1984年九州大学工学部卒業、1986年東京都立大学大学院工学研究科中退、2001年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。(株)建築文化振興研究所研究員、東京都庁職員、(有)イーエイティー取締役、(株)ハウスジーメン代表取締役を経て、2001年より現職。専門はNPO論、文化経済学。
主な業績:『まちづくりNPOの理論と課題――その生成とマネジメント[増補改訂版]』松香堂、2009年;『文化遺産と地域経済』同成社、2010年;「花街の新しい試み――東京神楽坂『粋まち』と新潟『柳都振興』」『新潟大学経済論集』第92号、2012年;『東日本大震災の復旧・復興への提言』技報堂、2012年(共著);『〈政府〉の役割を経済学から問う』法律文化社、2012年(共著)ほか。
菊池正(きくち ただし)〔第9章〕
JICA専門家(ベトナム南部投資環境整備)
1995年大阪外国語大学(現大阪大学)ベトナム語専攻卒業(1990年、92年ハノイ総合大学ベトナム語科留学)、2001年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2001年慶應義塾大学非常勤講師、2006年国際開発高等教育機構(FASID)研究主任、2009年外務省専門調査員(在ホーチミン日本国総領事館)を経て、2013年より現職。専門は開発経済学、計量経済学、ベトナム社会経済事情。
主な業績: “Analyzing the Impacts of Development on Gini Inequality from Grouped and Individual Observation: Examples from the Vietnamese Household Expenditure Data 1998,” Journal of Asian Economics, 18 (3), 2007;『モンゴル国別援助計画評価報告書』外務省受託業務、FASID、2008年(共著); “Evolution of Inequality in Vietnam: Intertemporal Changes from 1990s to 2000s,” Albert Tavidze (ed.) , Progress in Economics Research, Vol.15, Nova Science Publishers, 2010;「ベトナム産業の特徴と成長の可能性に関する考察
――南部経済の特徴」阿曾村邦昭編『ベトナム国家と民族』古今書院、2013年ほか。
塚原一郎(つかはら いちろう)〔第10章〕
福山大学経済学部准教授
2001年慶應義塾大学経済学部卒業、2003年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2009年同博士課程修了。博士(経済学)。2009年福山大学経済学部専任講師を経て、2011年より現職。専門は計量経済学、金融論。
主な業績:『日本の家計の資産選択行動に関する実証分析』三菱経済研究所、2009年;「株式投資をする家計の特徴」『福山大学経済学論集』35巻1号、2010年;「順序ロジットモデルによる貯蓄関数の推定」『福山大学経済学論集』36巻1号、2011年ほか。
呉逸良(ご いつりょう)〔第12章〕
日本大学経済学部教授
1996年日本大学経済学部卒業、1998年同大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、2001年同博士後期課程修了。博士(経済学)。2003年日本大学研究所助教授、2005年日本大学経済学部助教授を経て、2011年より現職。
主な業績:『産業集積と新しい国際分業――グローバル化が進む中国経済の新たな分析視点』文眞堂、2007(共著)ほか。
渡邊圭一(わたなべ けいいち)〔第13章〕
慶應義塾大学環境情報学部非常勤講師
1995年慶應義塾大学経済学部卒業、1997年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2003年同博士課程単位取得退学。湘南工科大学非常勤講師、和光大学非常勤講師、東京女子大学非常勤講師など。専門は経済地理学、都市地理学、世界都市論。
主な業績:「東京大都市圏における就業者の産業別・職業別通勤パターン」『統計』56(2)、2005年;「写真と都市空間の地誌」『ジオメディアの系譜――進化する地表象の世界』慶應義塾大学出版会、2010年ほか。
早川和伸(はやかわ かずのぶ)〔第14章〕
アジア経済研究所研究員
2003年慶應義塾大学経済学部卒業、2005年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2008年同博士課程修了。博士(経済学)。2008年より現職。専門は国際貿易論。
主な業績: “Measuring Fixed Costs for Firms’ Use of a Free Trade Agreement: Threshold Regression Approach,” Economics Letters, 113 (3), 2011; “Globalization and Productivity: A Survey of Firm-level Analysis,” Journal of Economic Surveys, 26 (2), 2012(共著); “A Two-dimensional Analysis of the Impact of Outward FDI on Performance at Home: Evidence from Japanese Manufacturing Firm,” Japan and the World Economy, 27, 2013(共著); “How Serious is the Omission of Bilateral Tariff Rates in Gravity?” Journal of the Japanese and International Economies, 27, 2013ほか。
山崎将太(やまざき しょうた)〔第15章〕
情報通信総合研究所マーケティング・ソリューション研究グループ副主任研究員
2001年神奈川大学経済学部卒業、2003年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了、2006年同博士課程単位取得退学。2007年(株)情報通信総合研究所入社、2011年より現職。専門は情報通信産業の経済分析。
業績:「携帯電話市場における市場支配力に関する実証分析」『InfoCom Review』45号、2008年;「垂直統合型モバイルサービスに対する消費者選好のコンジョイント分析」『三田学会雑誌』104巻3号、2011年;「IT投資と経済成長に関する産業別パネルデータ分析」『InfoCom Review』57号、2012年;『混合寡占市場における公企業の民営化と経済厚生』三菱経済研究所、2007年ほか。
新倉博明(にいくら ひろあき)〔第16章〕
ソフトバンクモバイル株式会社
2004年慶應義塾大学経済学部卒業、2006年同大学大学院経済学研究科修士課程修了、2011年同博士課程修了。博士(経済学)。2009年(株)情報通信総合研究所研究員、2011年神奈川大学非常勤講師、明海大学非常勤講師、平成国際大学非常勤講師を経て、2013年より現職。専門は産業組織論。
主な業績:「EUにおけるクロスボーダーM & Aの経済分析――IT化の進展とクロスボーダーM & Aにおける投資先選択」『三田学会雑誌』101巻2号、2008年;「情報化と企業広報にみられる経営者の裁量」『InfoCom Review』49号、2010年;『情報化の経済学のフロンティア』三菱経済研究所ほか。
目次
序 文
第Ⅰ部 居住用不動産の分析
第1章 住宅資産と家計の消費行動 直井道生
第1節 はじめに
第2節 住宅資産と家計の消費行動
第3節 都道府県別データによる実証分析
第4節 マイクロデータによる実証分析
第5節 おわりに
第2章 不動産相続における子どもの属性
――同居か別居かで異なる親の選好 石野卓也
第1節 はじめに
第2節 不動産相続の背景
第3節 データ
第4節 推定
第5節 おわりに
第3章 日本での世代間所得移転と住宅取得タイミング 三好向洋
第1節 はじめに
第2節 先行研究
第3節 推定
第4節 推定結果
第5節 まとめ
第Ⅱ部 税制と不動産の分析
第4章 住宅ローン減税と持家の資本コスト
――ベイジアン可変パラメータモデルによる接近 隅田和人
第1節 はじめに
第2節 住宅ローン減税制度
第3節 先行研究
第4節 期待住宅価格上昇率と住宅ローン減税の効果
第5節 おわりに
第5章 消費税と給付つき税額控除のマイクロ・シミュレ-ション分析
白石憲一
第1節 はじめに
第2節 全国消費実態調査から見た世帯の状況
第3節 諸外国の給付つき税額控除制度の概要
第4節 シミュレーションの手順
第5節 実証分析結果
第6節 おわりに
第Ⅲ部 商業不動産の分析
第6章 不動産証券化市場における取得時鑑定評価額の研究 福井康子
第1節 はじめに
第2節 使用するデータ
第3節 推計モデル
第4節 分析結果
第5節 おわりに
第7章 企業不動産 (CRE) マネジメント
――セール・リースバック手法の活用と税に関する留意点
芦谷典子
第1節 はじめに
第2節 セール・リースバックの仕組み
第3節 セール・リースバック実施前後の物件運営コスト
第4節 セール・リースバックのコスト削減効果
第5節 おわりに
第Ⅳ部 地域経済の分析
第8章 世界遺産登録と観光動向
――日本の10事例から 澤村明
第1節 はじめに
第2節 問題意識
第3節 世界遺産登録で観光客増を望む声
第4節 先行研究
第5節 研究手法
第6節 検証結果
第7節 その他3事例について
第8節 政策的インプリケーションと残された課題
第9節 鎌倉「不登録」ショック問題
第10節 おわりに
第9章 ベトナムの地域間労働移動に関する考察
――システム・アプローチによる集計データ分析 菊池正
第1節 はじめに
第2節 移動モデルの設定
第3節 ベトナム労働人口移動の推定結果
第4節 ベトナム労働移動の20年間(1989-2009年)のダイナミック
な変化
第5節 おわりに
第10章 地方中核都市のマクロ経済動向と日本全体との関係
――備後地域を例に 塚原一郎
第1節 はじめに
第2節 景気概況の比較
第3節 物価と生産の比較
第4節 上場企業の株価
第5節 おわりに
第Ⅴ部 空間経済の分析
第11章 非対称な空間競争モデルによる企業・地域の発展と衰退の分析
奥村保規
第1節 はじめに
第2節 モデル
第3節 品質改善の効果
第4節 移動費用下落の効果
第5節 おわりに
第12章 円周空間における公共財の最適供給と分布 呉逸良
第1節 はじめに
第2節 円周空間モデル
第3節 単一公共財の最適供給
第4節 複数地点公共財設置の最適条件
第5節 τと公共財最適分布との関係
第6節 おわりに
第13章 ホーマー・ホイトの扇形理論――抽象的地表と現実世界
渡邊圭一
第1節 はじめに
第2節 土地経済学者への歩み
第3節 扇形理論の展開
第4節 まとめ
第14章 経済地理シミュレーションモデルの構築と利用 早川和伸
第1節 はじめに
第2節 GSMとは
第3節 シミュレーション分析
第4節 おわりに
第Ⅵ部 情報化と経済活動
第15章 発展途上国のICT普及と経済発展 山崎将太
第1節 はじめに
第2節 先行研究
第3節 まとめと今後の研究課題
第16章 中小企業における情報化と企業情報の開示 新倉博明
第1節 はじめに
第2節 先行研究
第3節 分析の枠組み
第4節 データ説明
第5節 分析手法
第6節 各変数について
第7節 分析結果
第8節 おわりに
索 引
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